オレの部屋に入り浸る幼馴染ってもしかして…
猫の集会
もしかして…
オレがうまれて二十年…
なんの変哲もないオレが…
このオレがついにっ‼︎
ついにっ‼︎
いきなり美少女から幼馴染になってください‼︎なんて言われたんです!
その美少女は、幼馴染ラブコメ漫画を握りしめているっ‼︎
こ、これは…あれか⁉︎
ついにオレにもラブの風が吹いてきたってやつっすか⁉︎
ラブの風ってやつがなんだか知らんけど…でも、これは…これはきっと…
新しい告白っすね⁉︎
な、なります‼︎オレ幼馴染っ、なります‼︎
ガバっと手を差し伸べようとするものの…
クッ…なんだ⁉︎なんで手が出ない…⁇
なんだってんだよ⁉︎
どこのだれがこの一大事に嫌がらせしてんだよ⁉︎
マジ許さねーかんな‼︎
オレは力一杯の力を振り絞った。
力一杯の力…
意味わかんねーけど…まぁとにかく全力で手を美少女に差し伸べた。
…んだけど
重い…
ん…
んんんっ⁉︎
…
オレは目をあけてびっくりした。
そもそも目をつぶっていたことにもびっくりした。
…
あら?
…
オレは視線のする方をチラ見した。
…
きょ…きょうこ…とガッツリ目があった。
きょうことは、オレの幼馴染だ。
「おはよう。朝から楽しそうね」
ぎこちなくにっこりするきょうこ。
…なんなんだ。
この不気味な笑顔のきょうこは…
笑っているけど…心が笑っていないみたいな怪奇現象…
オレは見なかったことにした。
そして儚い夢もみなかったことにした。
そしてとてもプルプルしたオレの手をみると…
あらあら…片手で布団持ち上げていらっしゃった。
重いからすぐさまおろしたオレのおてて。
…
あれですね…さっきのは、夢で…きょうこがオレの部屋にいるのも夢…なんだよね?ね?
「ひびきって…アホ」
⁉︎
夢じゃないっ⁉︎
きょうこは、やっぱり現実人間ーー‼︎
てか、さっきの美少女…なんか誰かさんに似てたな…
…いつのまにかオレの部屋にいつもいる誰かさんみたいな人…って‼︎
「きょうこ‼︎オレの部屋勝手に入んなって」
「え?おばちゃんにどうぞって言われたもん。それに、ゆっくりしていってねってお菓子ももらったし」
美味しそうにお菓子を頬張るきょうこ。
…
かあちゃんは…かあちゃんって生き物は、とにかくオレ以外の子どもに優し過ぎる‼︎
オレはかあちゃんという生き物が苦手だ。
昔から、オレの友達とかには優しくニコニコするんだからさ。
まぁ…オレがいうこときかないからおこられるんだけどね!
あはは!
そしてかあちゃんよりも一番苦手なのは、当たり前だけど…きょうこだっ‼︎
きょうこは、とにかく愛想がない。
さらには、めっちゃストレートなおかっぱ頭。
たまに座敷なんたらってやつが座ってんのかって思うくらいやつにそっくりだ。
後ろ姿は…もうまんまだ。
しかもいつも正座して座っている。
…
あれで着物着てたら…オレはゾッとする…んだけど…それがあと数日で現実になってしまうかもしれない…。
やばい…こわい…
オレ…部屋に鍵つけようかな…
いつのまにか部屋に侵入してこないようにさ。
普通に来るならいいけどね。
でも、早急に鍵つけなきゃだよね…
なぜかって?
それは…もうすぐオレたちは、成人式だからだ。
で、きょうこが絶対着物着るって言ってたから…オレの部屋に現れるのは確実なんだ。
なんでか知らんけど、とにかくきょうこは…きょうこは…オレの部屋によくいる。
何をするってわけでもなく…なんかいつもいる。
あれ…、きょうこってもしかしてほんまもんの座敷なんたらってやつなんじゃ…ね⁉︎
オレが、ゲーム一緒にやるかって聞いても返事はいつもノーだ。
みてるのが楽しいとか言っていっつも見てるだけだ。
…もう、オレにしたらきょうこは…謎でしかない‼︎
だけど…一緒にいるとすげ〜落ち着く。
たまにこわいけどね。
「成人式…楽しみだね」
ニヤっ
きょうこがオレに笑顔を向けてきた。
…
笑い方っ‼︎
こえーんだよな…
きょうこは、いつもひきつり笑いをする。
楽しみって…なんだよ…
オレはこえーよ…
なにするつもりだよ…
そんな恐怖のなか…ついに…ついにあの日が来てしまった。
目覚ましを早めに設定した。
だって…目覚めたとき…きょうこがいたらオレ…オレマジでびびってしまう可能性大だったから。
それはきょうこにも失礼だとわかっていたから、早めに起床…したよ?
でも…でもさ…
オレよりも…きょうこの方がひとあし早かったようだ。
⁉︎
「えええっ⁉︎」
オレはきょうこをみてびっくりした‼︎
ホラーとかじゃなくて違う意味で…
なんでって…きょうこが…きょうこじゃないっ⁉︎
おかっぱがアレンジされて、めっちゃかわいいじゃん‼︎
「あ、おはよ。どう…かな?」
きょうこがオレに振袖姿を披露してくれた。
…
もう、オレはポカンだった。
「ヤバい。」
一言オレは、ほざいた。
「えっ?やっぱり…似合わないか…」
かなしげな顔をするきょうこ。
「あ、違う‼︎めっちゃかわいい‼︎」
とオレが慌てて訂正するときょうこは、抜群の笑顔で
「え、ほんと?嬉しい」
と笑った。
‼︎
ええええええぇ………
やば…
かわいすぎだろ
オレは初めてみた素のきょうこの笑顔をみてびっくりした。
「なんだよ…きょうこって普通に笑えんじゃん。いつもそうしてればいいのに」
「できないの…それがひびきの前では…無理なの…」
と一気に暗い顔に早変わりした。
…
え?
さっきしてくれたじゃん。
オレには…オレにはあんなかわいい笑顔向けたくないってか?
「オレのこと…きらいだったり?」
…オレってもしかして、なんか恨まれてる?
部屋にいつもきょうこがきててもかまわないから?
…でも、ゲームしようって言っても断るし…なんかして遊ぶって聞いても…ここにいるだけで安心するからほっといてっていうから…ほっといたんだけど…
やっぱ、かまわなすぎた?
「あのね…ひびき…ずっとひびきに内緒にしていることがございます。」
と、あらたまるきょうこ。
…⁉︎
な、何⁉︎
…実は、オレもきょうこに言っていないことがある。
なんだよ…きょうこ…
実は…座敷なんたらっていうんじゃねーだろうな?
そんでもって消えちゃうんじゃねーよな⁉︎
そんなの…そんなのって…
「あのさ…実は…オレもきょうこに言ってないことがある。」
「え?実は…宇宙人です。とか?」
…
それは…それは…わたし、座敷なんたらっていうんですってやつの前振り?
それともただの冗談⁇
「あの…オレは、人間です。って、そうじゃなくて…まぁ、オレは仮にきょうこが普通の人間じゃなくても…その…そのー…あれだよ、きょうこ‼︎オレはきょうこが好き。だから、だから…これからもずっとオレのそばにいてください‼︎」
と、オレは告白を通り越してプロポーズしたみたいになってしまった。
するときょうこも、
「わたしも好きってことずっと内緒にしてた。だから…だからずっと緊張してうまく笑えなくて…」
なんていうじゃありませんかっ‼︎
「マジか‼︎」
オレはびっくりだった。
人生でなんどびっくりしたことだろう。
それも、きょうこ相手に何度もさ。
「なぁ、きょうこ。ずっと緊張しながらもオレのそばにいてくれたんだな。ありがとう。じゃあさ、緊張ほぐすおまじないしてやるよ。目つぶって。」
オレのおまじないとやらにすんなり応じるきょうこ。
チュ〜♡
オレはきょうこにキスをした。
「えっ…えっ…ちょっ…」
「オレがきょうこの緊張吸い取ったからもう大丈夫だよ」
「っ…余計、恥ずかしくなった。」
オレの目を背けるきょうこにオレは、
「なんだよ…まだだめか。仕方ないな」
と、オレはまたもきょうこにキスをしました。
そして、きょうこをはじめて抱きしめた。
まぁ、キスもはじめてだったけどさ。
「あったけーな。」
「うん。わたし…ずっとそばにいたけど、ここが一番安心する」
「そっか。オレもだ」
「「ふふ」」
それから何回かキスして抱きしめあっていたらきょうこが優しく笑えるようになってきた。
今までのぎこちなさから少し恥ずかしい顔へとなってきて、めっちゃかわいいのでありました♡
おしまい。
オレの部屋に入り浸る幼馴染ってもしかして… 猫の集会 @2066-
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