第13話
◆
「大っきいですね……」
それが人生初の巨人を見た感想だった。
彼女のイカれた戦闘力の一端は実家の古武術道場にあり、なんだかんだ敵意の有無を見分けられるので、襲いかかるという愚行をせずにすんだのだ。
「まぁ、生殖器があったら斬り落としてましたけどね」
巨人達に男女の性別はない。従って狼茄の地雷を踏む事はなかったのだ。
微笑みながら告げる彼女は、見た目とは裏腹に焦っていた。やはり理由は
彼女は男性に振られすぎて憎んでいる反面、自身を受け入れてくれる相手を探している。
ぶっちゃけチョロいのだ。
万が一にも先生が好みの
彼女はそれが怖かった。
そんな事態に陥った時、仮に
「
本当に不思議ですね。
なお、金剛真莉に関しては命の心配はしてるものの、落とされる心配はしていなかった。
◆
「それでもボクは
「喧しいわ!」
一体なんの宣言だ。
あれか?
「うっ、ごめんよ。どうしても
どうやら不思議ちゃんだったらしい。
今だけでも合法ロリ、ボクっ娘、女教師、貧乳(絶壁)、魔法使いとパッと思い付くだけでもこれだけの属性があるのに、まだ付け足すのか。
「オイ、また失礼な気配を感じたぞ。どういう事か説明してもらえるかな?」
「……」
……やっぱり不思議ちゃんではなく、
年相応に見えないのも、きっと妖怪だからなのだろう。きっとそうだ。
「お前も大変だな」
「よく分からないが、とっても不本意な気がするぞ!? いい加減にしないと温厚なボクでも怒るからな」
「ろ〜り、ろ〜り、合法ろ〜り」
「積もりし穢れ───」
おっと、
これで5分間オカルト系能力は全て失敗した挙げ句、自分にダメージを与えてしまう。なんてことだ(笑)
「ピギィッ。ど、どうして術が暴発を……」
「知るか下手くそ」
少し背中に衝撃はあったが気にはならない。むしろ、あのスライムみたいな悲鳴のが気になった。
その時は彼女に力を貸してもらうとしよう。その時まで一緒にいればな。
その時だった、巨人の足音の合間に
「せんせぇ、どぉこでぇすかぁ〜。貴女の
「「!?」」
思わず声を潜め、身を固くする俺達。
しまった、これでは俺が
距離を考えれば小日出に聞き取れるとは思えないのだが、なぜ反応出来たのだろうか。
「……き、君も彼女の気配を感じだったのか? 実は彼女、ボクの教え子でね。ちゃ、ちゃんと人間だから安心していいよ。……多分ね」
どうやら声が聞こえたわけでは無いらしい。
つーか、そんなに震えながら言われても安心できるわけないだろ!
いや、そもそも男の俺が
「……教え子なら合流してやったらどうだ?」
まず
本当に行かれたら俺の居場所がバレて、裁判抜きの拷問極刑ほぼ確定だから逃さないけどな。あれ? なんで俺はこんな
やっぱりコイツ捨ててった方がいいかもな…………
今は近付いてきてるので待機である。
「ボクは貞操の危機なんだよ!(小声) こんなに震えてるんだから察したらどうだい!?(小声) あともしボクを捨てたら呪ってやるから覚悟するように!(やっぱり小声)」
「そんな奴のどこに安心すればよかったんだよ!(小声)」
あと心を読むな。
さて、この疫病神と言ってもいい
「おや? こちらから先生の匂いがしますね。この辺にいるのでしょうか?」
「「!?!?」」
匂い!? 匂いつったか、あの
今度は声が主人公の声が聞こえたのだろう、恐怖と罪悪感で顔を歪めた
それにしても匂いが原因か、想定外にも程があるぞ。
匂い、におい、臭い……はっ!
と、ここで一つの策が浮かんだ。ゲーム知識と合わせればギリギリ現状を脱却できるかもしれない。
「俺達に潜伏の術を使ってくれ、匂いとかも消せるやつ(超小声)」
「(こくこくこく)」
俺の背に縋りつきながら鼻も垂らす彼女は全力で頷くと無我夢中で行使する。
しかし、それだけで
故に俺は手に入れたばかりの
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます