第4話
◆
主人公のゴキ◯リ呼ばわりへのツッコミを何とか口に出せずに済んだ後も、彼女達の会話は続いていた。
「はぁ、しかし君達も少しは遠距離戦闘できるようになってみないかい?
正直、ボク1人で回復、バフ、デバフ、遠距離攻撃は厳しいモノがあるよ」
「私、遠当ては苦手でして。刀があれば話は別なのですが」
「力こそパワーですわ!」
「……そうかい、もう十分だ」
頭痛を堪えるロリ教師に少し同情した。
そうだよな、ターン制のゲームで消費アイテムも豊富にあったから何とかなってたが、現実で考えると前衛後衛のバランス狂ってるとしか言えない。
まぁ、死んでもらうんだけどな!
『
微妙に隠してあるから簡単に見つけて違和感なく手に取るだろう。
「あら? この
さぁ、ゲームと
◆
「あら? この
砕けた壁の穴に入っていた御札があった。古ぼけた見た目通り
「
読めぬならなら、読んでもらえばいい。小柄な体躯に見合わなぬ豊富な知識を持つ先生に助けを求めた。
美蘭先生は幼く見られやすい分、頼られた時や大人扱いされた時は分かりやすく機嫌が良くなり、とても可愛らしいのだ。
「あの、なんでアタクシには聞かないんですの?」
「むふー、やれやれ生徒にそこまで言われては仕方ない。どれ、貸してみたまえ」
「ねぇねぇ、なんでですの?」
案の定、嬉しそうに力を貸してくれる先生。思わず抱き締めたくなってしまう表情ですね。
これぞ、まさにハーレム。ここの怪異(?)を殲滅したら3人の愛の巣にするのもいいかもしれません。
と、ここで御札を渡した先生の顔色が変わってきました。承認欲求を満たされた幼子から百戦錬磨の
これは、不味いですね。
「ふむ、これは凄い。それなりに、ありふれた『
え? 何が珍しいかだって?(言ってない)
そこまで言うなら語ってあげるとしようか。(誰も何も言ってない)
君達にも聞き馴染みがあるこの言葉は、かの有名な
さて、この御札なんだが本来は火防の効果があったのだろうが、役目を終えても然るべき手順で供養されず長年放置でもされていたのだろうね、溜まりに溜まった邪気が性質を反転させ火の厄災を振り撒く呪具となっているよ。
なに、心配しなくていい。君達が迂闊に使えば死は免れないが、正しい知識と技術を持ったボクのような人間が使えば強力な炎術を放つ武器となり───」
「えぇぇぇぇぇぇっとぉぉぉぉぉぉ(大声)
火を出すやつって事でぇぇぇぇぇぇいいんですわよねぇぇぇぇぇぇ?(尋常じゃない大声)」
それに訓練されて百合戦士である私でも
とはいえ任せっきりもいけません。私は
「まぁ、 殺
フォローと言っても本心を語るだけなのですが、経験上これが一番上手くいくんですよね。
そうすると何故か皆さん何とも言えない顔になってなぁなぁで終わるのです。どうしてでしょうか。
「ひぇ、ですわぁ」
「むぅ。君達、教師の話は最後まで聞くものだぞ?」
「オタクの
「授業なら保健体育を希望します」
「君は油断も隙もないな!?」
これで元通り。
やっぱり3人でいるのが一番ですね。これからも、ずっと一緒にいられますように。
もちろん、誰の邪魔も入らずに。
そんなこんなで機嫌をなおした美蘭先生が御札の火遊びを真莉さんに見せびらかしているのを見てそう思った。
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