詩10「KEMURI」

ネオネイルグリーンスマイル

第9話 「KEMURI」





微笑む通行人に人生なんて

問いただせなくて

伏せる眼差し薬莢(やっきょう)またたいて

世界の終わりを確かめた


ままごと遊びの箱庭に閉じこもって

もう戻れない たった刹那の夜の罪

砂嵐はまだ僕を連れ去ってくれなくて

星の数ほどの目線が矢になって刺さる


絶望という名の冷たい塊抱きしめて

涙のように薬莢零れ落ちる


ひとりぼっちの遊戯場みたいに

穏やかに過ぎていく最後の任意


夜明けとともに流れ出す正体

漏らす安堵 塞ぐことさ出来ない

隠すこの手は自由への拘束

僕を煙に巻いてしまう


翼のかけた群れに襲われて

何もかもを食べ尽くされても

都合のいい罰が僕の血になって

生かせてくれる次の任意が来る日まで

青春みたいに薬莢弾け飛ぶ

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

詩10「KEMURI」 ネオネイルグリーンスマイル @neonailgs

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ