第9話 商業ギルドと防具の購入

串焼き屋台で串焼きを買い、商業ギルドの場所を聞くと教会の向かいだった。

仕方無いので教会を目指して駆け足で移動した。そして、確かに教会の向かいにこちらも3階建ての商業ギルドがあった。

扉を開いて中に入ると前世の銀行の様な造りになって、入口正面にカウンターがあって、全ての窓口に椅子が備えてある右側には個人ブースが仕切られて声が聞こえない様に扉も付いている。


左側は2階に上がる階段があり2階には扉がこちらから見えている応接室があるのだと思う。 階段の脇にはカウンターに格子のついた。教会の寄付受付と同じ様な、カウンターがあった。


正面カウンターに声を掛ける。


「すいませんが商業ギルドのカードを作りたいのですが」


「それでは、身分証コインのご提示をお願いします。それとどなたかの紹介状をお持ちですか? お持ちで有ればカード発行費用は小銀貨1枚。お持ちでないと小金貨1枚と鳴ります」


「紹介状有ります。それと紹介者からの振り出された手形も持って来ています」


と言って、身分証コイン、紹介状、手形をカウンターに置く。


「はい、お預り致します。確認致しました。

手形の決済はカード預金で良いですか?それとも、貨幣のお支払いに致しますか」


「カード預金でお願いします」


「それでは身分証コインをお返ししますので、この機械に身分証コインをそこの凹みに嵌めて下さい」


言われた通りに四角い魔道具らしき箱の上に丸い凹みがあって、そこに身分証コインを嵌める。向こう側ではカードをセットしている様だ。


「それでは身分証コインの上に手をおいて魔力を流して下さい。 はい結構です。コインをお取りになってお仕舞下さい。

こちらがサミュエル様の商業ギルドカードに成ります。次に手形の決済を行いますのでこのままギルドカードをお預りします。

そのままお座りになってこちらでお待ち下さい」


女性スタッフは席を立ち後ろの席に移って何やら処理を行っていた。

それを終わらせ昔のパソコンみたいな機械を持って戻ってきた。


「サミュエル様、カード預金の手続きを終了致しました。こちらの機械のこの凹みにギルドカードを嵌めて魔力を流して下さい。

こちらに、預金額が表示されていると思います。金額にお間違いはありませんか?」


表示されたのは〝金貨30〟


「金額に間違いはありません。」


「ではカードをお持ちになって下さい。

カードは等級があり、D級からS級まで有ります。階級によって年会費が違い年会費の50%が税金となります年会費の支払期限は発行月の含めて3ヶ月以内です。

D級は無店舗のギルド会員で銀貨1枚

C級は1店舗のギルド会員で小金貨1枚

B級は他領に店舗を持つギルド会員で金貨1枚

A級は国内と他国にも店舗を持つギルド会員で大金貨1枚

S級は国内と他国に店舗を持ち爵位持ちのギルド会員大金貨3枚になります。

カード手数料と年会費のお支払いしますか」


「はい」


と言って小銀貨1枚と銀貨1枚を支払った。


「たしかに。今年の会費済みをカードに記憶させますので、カードをご提示下さい」


と言われて、カードを出す。


「ありがとうございます」


と言って、手元で何やら打ち込まれてカードが戻ってきた。


「これでご用件はお済みになった思いますがなにかございますか」


「両替をお願いできませんか?金貨2枚を小金貨にお願いします」


「畏まりました。お預かりします。……。

こちら小金貨20枚になります。ご確認下さい。他に何かございますか?」



「確かに受け取りました。後はありません」


「本日は、ご利用ありがとうございました」


席を立ち、商業ギルドを出て、薬師ギルドの場所を聞いておけばと思ったが、先ずは防具屋に向かう。

また、冒険者ギルドのある方角に駆け出す。

冒険者ギルドの3軒隣にそれなりの防具屋があった。そこに入り革鎧と小手、膝当てが無いか近くにいた店員に聞く、


「革鎧と膝当てと小手が欲しい」


「ご予算はお幾らほどですか?」


「小金貨3枚程で、考えている」


「それでは、オーガで揃えますか」


「俺の年でオーガは目立たないか?」


「大丈夫です。見た目にはわからないように着色してありますからね。こちらです」


そう言われて、見に行くと誂えたような大きさの革鎧、小手、膝当てがあった。


「なんでこの大きさの防具が在るんだ」


「実は去る貴族様が息子さんの職業授与に合わせて仕立てていたのですがその息子さん生産系の職業を授与されたらしくて材料代だけ頂いてキャンセルになっちゃったんです。

このセットで本来小金貨5枚なんですけど、材料代は貰っていますから。あとは手間代が入ればって事で展示しているのですけど、このサイズで買えるのは貴族様の子息ぐらいなんですが、貴族様は、中古は買われませんからね。

どうです。お買い得品と思いますよ。今なら、これに肩掛けカバンと剣帯もお付けして小金貨3枚どうです。お買い得ですよ」


「いただこう」


「お買い上げありがとうございます。」

今お包みします」


これで目的の品は買えた。後は、サニーの防具だがこればっかりは本人じゃないとな。

代金を支払い。荷物を受け取って宿屋に戻る。するとマスターが、


「いっぱい買い物したなぁ。もうすぐ夕飯出せるから2人で降りてこい」


「分かりました。荷物を部屋において降りてきます」


そう告げて、部屋に戻るとサニーが起きてベットに座っていた。


「サニー具合はどうだ…。」


「寝過ぎて。体が重い」


多分、創造神が魔臓をいじると言っていたからそのせいだろう。


「それなら、〝キュア〟〝ヒール〟これでどうだ」


「楽になった」


「そうか、マスターが夕食だから降りてこいって」


「うん。行く」


2人で夕食を貰いに食堂に降りる。

夕食を食べて、部屋に戻り明日の予定を決める。


「サニー、職業を授与されていない子供でも冒険者ギルドは登録出来るらしい。どうする」


「私もお金稼いでお姉ちゃんを買い取りたいから登録する」


「そうか、それじゃ明日は登録に行こう。それとこれ」


と言ってナイフを渡す。


「今日はもう休むね。おやすみ」


と言って先に寝た。






  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る