第7話 職業の授与

朝、目が醒めて起き出すと、サニーも起き出した。


「サニー、この買った服とズボンそれとこの下着着なよ」


「あい」


サニーが服を着たので、サニーに「クリーン」を掛けて、自分にもクリーンを掛けた。

それからお金の入った壺を出して、床にひっくり返した。入っていたお金を数えていく。

鉄貨 35枚

小銅貨20枚

銅貨 78枚

小銀貨45枚

銀貨 33枚

なかなかの金額が入っていた。そしてそのままアイテムボックスに仕舞って、ズボンのポケットに銅貨5枚、小銀貨5枚、銀貨5枚を入れてサニーと一緒に下に降りて食事に行く。


「マスター、おはようございます」


「おう、お前たちか、直ぐに持って行くから待ってろ」


「「はい」」


「サニー今日、俺は教会に行って職業を貰ってくる。サニーはどうする」


「私は、部屋で待ってる。少し疲れた」


「そうだなぁ。昨日は、ずっと移動だったもんな。部屋でゆっくり休んでろよ」


「うん」


「ほれ、おまっとうさん。一杯、食えよ!」


「「はい」」


パンに野菜スープ、メインは何かの焼き鳥。

美味しく頂いてサニーはい部屋に戻り、俺は教会に向かった。


教会は街の中央付近にあり、右隣に役所、左は孤児院の様だ。教会に入ると左側にテーブルがあり、シスターが座っていた。


「すいません。職業の授与を受けに来たのですが」


「10歳になられたのですね。

おめでとうございます。就職の授与には寄付銀貨1枚が必要ですがお持ちですか?」


「はい」


「それではご案内します」


正面に有る扉には行かず、左の通路を奥へと歩いて行くと突き当り、カウンターに格子がはまっている窓口に着くと、シスターが、


「こちらで寄付をお願いします」


言われた通りにその窓口で、銀貨1枚を支払う。すると、窓口にいるシスターが、


「ご寄付ありがとうございます。それでは、こちらのコインをお持ちになって、右にある扉からお入りください」


案内してくれたシスターは居なくなっていたが、かまわず扉を開けて中に入ると、男性が

いた。


「職業の授与に来られた方ですね。

こちらまで来て下さい。

この祭壇さいだんの先には神像があります。

その祭壇にコインを置いて、祭壇前でひざまずいて祈りなさい」


祭壇にコインを置き、その前にひざまずいて祈る。

目をつむると、創造神の前だった。


「イヤ〜。怒涛どとうの展開だったね。川の中に戻っちゃうなんて、びっくりしちゃった。

それにお母さん、殺されちゃうし」


「ホントだぞ。あの騎士爵一家復讐ふくしゅうしても良いよな」


「OKしたいところですが~。上のの姉は嫁ぎましたし、下の姉は婚約者の下に、騎士爵前の持ち主のお父さんは死刑になるので復讐は出来ずに死亡確定です。

兄の3兄弟は上手くすれば復讐のチャンスもあるかと思いますが、あの3兄弟は他所でも恨み買ってますから、復讐は早い者勝ちになっておりますです。


で、ハードモードを頑張ったサミュエル君に朗報です。

頑張ったご褒美として、知識をご用意しました。先ずは、魔法薬の全レシピ。そして薬草の全情報。更に、剣術の目録です。

これで機嫌を直して下さいね」


「後、もう2つ良いか。 駄目ならその情報と引き換えでも良い」


「おっと、何でしょう」


「サニーの職業を良い職業を与えてやって欲しいのと、サニーの姉さんが俺達が行くまで売られない様にして欲しいんだ」


「サニーの職業は、モンクにしましょう。獣人族の魔力が少ないから魔臓をこれから大きくなる様にしておきます。これで治癒魔法も習得出来るように成ります。

それとお姉さんですか、王都の教会関係者に神託を出して買い取らせて見ます。

では、今日はここまでまた来てください」


意識が現実に戻った。


「それでは、立ち上がってメダルに魔力を流して下さい」


メダルに魔力を流すと一瞬七色に光り、消えたすると、メダルに文字が浮かんできた。

自分の名前と職業がメダルに定着した。


「このメダルはギルドカードを作る時や役所での手続きに身分を証明するモノになりますから大切に保管してください。これで授与は終わりです。お疲れ様でした。お帰りは右の扉を出ると礼拝堂になっていますからその扉から外の扉で出られます。神のご加護を」


「ありがとうございました」


と言って礼拝堂に入る扉を開けると〝ガンッ〟っとハンマーで殴られた様な、激しい痛みが頭を襲った。思わず礼拝堂のベンチに座る。メダルを無くさない様にアイテムボックスに仕舞った。

これは、創造神の仕業だろう情報が一気になだれ込んで来た。全く、加減というものを覚えて欲しい。


(でも3つの情報全てくれた様だ。

本当に大盤振る舞いだな。)


こうして、職業、錬金術師授かった私は冒険者ギルドに向かった。

冒険者ギルドは西門の近くに在ると聞いていたので、駆け足で向かう。

冒険者ギルドで登録したら、武器の購入だ。


(イヤ、ちょっと待てよ。先に武器屋だな。

剣とナイフを持っていないと、冒険者に舐められて絡まれそうだ。)


取り敢えず、先に武器屋を探す。

この時間なら煙が出ている所に行けば鍛冶屋がある筈、上を見ながら歩いていると煙が出ている一画を見つける北西に集まっているみたいだ。そっちに向かって行くと何軒かの煙が黒煙ではなく白煙を出している。そして白煙の勢いのある鍛冶屋を見付けて、店に入る。


「いらっしゃい。おやっ、若い子だね。職業貰ったばっかりかい」


「はい。そうです」


「それじゃ。そこにある樽の中のモノはそれでも小銀貨5枚だからその中で良い物探してみなよ」


女将さんと思われる恰幅の良い女性が指した先にある樽を覗く。

樽の中を鑑定しながら探して見ると、鉄の剣に混じって、鋼の短剣があった。

それを引き抜き、もう一つある樽を除くと、こちらにも鋼のナイフ5本樽の底に入っていた。

邪魔な短剣やナイフを一旦引き抜いて床に置き、底から鋼のナイフを2本出して床に置き、床に置いていた、鉄の短剣やナイフを樽に戻してから、鋼の刃渡り60cmの短剣1本と刃渡り20cmのナイフ持って女将さんに、


「これ下さい」


「驚いたね~。もしや、鑑定持ちかい」


「はい。実は授かった職業が錬金術師なんです」


「何だって、錬金術師なのかい。ちょっと待っててくれるかい」


「良いですけど……。」


「あんた!ちょっとあんた!聞こえてんだろ!店先に来てちょうだいな!」


「何だ!うるせ〜なぁ。何だってんだ全く」


「あんた、この子錬金術師だって!」


「何だって!坊主本当か!」


「はい、これ僕のメダルです」


ズボンのポケット経由してアイテムボックスからメダルを出して見せる。


「坊主、ちょっと臨時に仕事を受けないか?」


「その前に、サミュエルといいます。職業はご存知の通り錬金術師です。それで、仕事の内容は?」


「おう、俺はこの鍛冶屋の店主でガンツールと云う、こっちは女将のメグネットだ。

奥には弟子が2人いるがまあいいだろう。

仕事の内容は、鉄鉱石を真鉄にして欲しい。

真鉄1キロで小銀貨5枚でどうだ」


「まだ、授かったばかりで上手くいくかわかりませんが、やってみます」


「そうかやってくれるか。本当なら高炉で加工するんだが、なんせ高炉は使えるのが順番制でな、しかも腕次第で品質に差が出るしで困っちまってたんだ。それじゃ、こっちに来てくれ」


こうして俺は錬金術師の初仕事をする事になった。









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