第19話 死神
☆
私は。
私は...呪われていた。
その呪縛を...関係無い。
それどころか迷惑しかかけてない隆一が解き放った。
仲間が解いてくれた。
私は大丈夫。
この先も進めるだろう。
「楽しかったなぁ」
「そうだな。もう帰らないと」
結局私の家でパーティーをしてから彼らは「じゃあ恵理子。帰るから」と後片づけをしてからそのまま帰ろうとする。
私は隆一に聞いた。
「これで本当に良かったの」と。
すると隆一は「まだ終わりじゃない」と言う。
「本当の戦いここからだ。...お前が頑張らないと」
「...そうだね」
「だけどまぁ私達が居る」
「そうだね。私も」
そう言いながら私を見てくる4人。
私はその顔を見ながら強く頷いてから4人を見送る。
そしてドアを閉めた時。
いきなりお姉ちゃんに抱き締められた。
「...今日は凄くハッピーだった」
「...お姉ちゃん?」
「貴方に...貴方に。しっかり仲間が出来そうだって」
「...」
「...私、応援しているから」
「有難う。お姉ちゃん」
そして私はお姉ちゃんの手を握る。
それから頬を摺り寄せた。
暫く私達はそのままで居た。
するとお姉ちゃんが「じゃあ今日のお夕飯は赤飯ね」と笑顔になる。
私は「もー。冗談は止めて」と言いながらそのままリビングに戻った。
☆
アイツはきっと...もう大丈夫だ。
そう思いながら歩いていると...殺気を感じた。
俺は咄嗟にバッと背後を見る。
駅から出て来てから...数百メートル歩いたところだ。
「...君...確か...遠島恵理子の彼氏だった人だよね?」
そこに男性が居る。
いやちょっと待て...誰だコイツ。
やつれているし。
ありえないぐらいやせ細っている。
中毒か?何かの。
「アンタ...何でそれを知っている。誰だ!!!!!」
「俺が誰なんて何でも良いよ。...遠島は何処だ。アイツにはまだ金を貰わないといけないんだ」
「...分かった。アンタ遠島の父親だな。...何だその姿」
「金がねぇんだよ。とにかく。居場所を教えてくれるか?」
「...アンタ個人に教える事は何もない。...すまないが帰ってくれるか」
「それじゃ君が死ぬ?代わりに」
そして取り出したのは銀色に光る包丁だった。
俺は「!!!!!」となりながら包丁を見て汗をかく。
此処まで堕ちたのかコイツ。
そう思いながら。
「この手がもう我慢できないんだ。金が要る。君でも良いけど金を貸してくれるかな?貸してくれるかなぁ?」と言ってくる。
「最悪だな。遠島じゃなくてアンタが最悪だわ」
「...金が必要なんだ。この際、強盗でもやってやるよ」
「...アンタに渡すものは何もない。警察に行け。消えろ!!!!!」
「そう言うなよ。知っているじゃないか。知り合いじゃないか俺達」
「知らねぇよ」
すると遠島の親父は持っていた包丁を右手で振り回し始めた。
此処は通行人が少ない。
だから俺とコイツしか居ない。
マズいぞこれ。
警察を呼ばないと。
そう思っていると行き止まりだった事を忘れていて壁際まで追いつめられた。
「死ね!!!!!」
「...!!!!!」
そうしていると背後から、がずん!、と遠島の親父の頭に何か飛んできた。
そしてぐあっと言って出血する遠島の親父。
包丁を落とし跪いた。
俺はその姿を見て背後を見る。
そこに...雄一が居た。
包丁を取り上げる。
「...」
「待て。雄一。何でお前が?」
「忘れ物。腕時計を渡しに来たらこれだ。偶然足元に石があったから殴った」
「...」
「警察行こう。隆一」
「...そうだな...!」
そう思っていると出血しながら遠島の親父が立ち上がった。
ダラダラと額に血を流しながらそして俺達を見てくる。
包丁をまた鞄から出した。
何本持ってんだコイツ!!!!!
「刺身包丁ぐらい100円ショップで手に入るさ。まあそれは良い。...君もそうだけどそっちも殺すよ。あ、あ、頭を殴りやがって」
「いやいや。マジヤバイぞコイツ」
「良いから!走るぞ!雄一。マジに殺される!」
そして鬼畜になっている遠島の親父が追い掛けて来る。
完全に獣というかそれだった。
ヒグマとかより危ない。
思いながら俺達は必死に駆け出して駅前に戻る。
そして偶然通りがかった警察官に訴えると警察官は警棒を持ってから威嚇をする遠島の親父を見る。
「包丁を離せ!」
「そこに居る2人を殺したら離してやるよ...!」
だが騒ぎを聞きつけた警察官にあっという間に取り囲まれる。
遠島の親父はそれでも俺達を狙っている様だ。
そして結論から言って警察官に包丁を向けた遠島の親父。
警察官にも襲い掛かる。
その中で警察官に通行人達が誘導される中。
遂に警察官は銃を収納している所から拳銃を出した。
「発砲するぞ!撃つぞ!包丁を降ろせ!!!!!」
「は?撃てるもんなら撃てよ!!!!!そんなもん玩具だろ!俺は止まらないぞ!!!!!」
そしてそのままその銃を構えている警察官に包丁を振り翳した。
次の瞬間、破裂音がして銃弾が遠島の親父の太ももに命中。
その痛みは激痛だった様だ。
遠島の親父は倒れ込む。
「押さえろ!押さえろ!!!!!」
警察官が次々に抑え込む。
結論から言って遠島の親父は出血する中で捕まった。
この事は町中どころかSNSとか色々なニュースになった。
そして。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます