ガラスの九丁目
鴻山静霞a.k.a.MCCoNoYahm
Chapter 1-1 救出
空へと照らされた極彩のサーチライトが重い雲の暗幕を彩る、いつもの日だった。
電脳支配下の極東の国家、その首都『ガラス』の街並みは警備ドローンのパトランプを狂ったミラーボールのように乱反射する。
地上は高度にメッシュ化されたネットワークに覆い尽くされ、全世界への自由に繋がる事ができたデバイスは個人を常時管理し続ける。
『テレビが貴方を見る』 かつての共産大国で気休めに呟かれたジョークめいた世界は既に現実になった。
もはや自由の本来の意味を知るのは民を管理する政治屋か、もしくはーー
コンクリートを蹴る音と共に頭上から微かな砂埃が舞い落ち、咄嗟に振り向く。 影だけを残して消えていく。
ーー私たちのような屋上の住人。
足音の反対側から高機動ドローンがプロペラ音を捲し立て6機通り過ぎる。
別の遠くでは重低音を孕んだ対物ライフルの連続した発砲音と喧しい事この上ないサイレンが鳴り響く。
なんて事もない、ガラスの9丁目のいつもの日常だった。
右目の視神経束に直結されたインプラント義眼のモニターは同業者の危機を表す。
『こちらウィンストン。イノ聞こえるか? 新人が追い回されてる。ハンタードローンが三機だ、応援行けるか』
私はイノセント、電脳支配されたガラスの屋上の住人。
「こちらイノセント、進行ルートにブラックアウトは?」
いつもと変わらない、追う者と追われる者の寸劇は今日も繰り返される。
「
「AMのバックアップは? 彼女はド素人でしょ」
「対物射撃部隊は下で抗争中で誰も動けん。 先に断っておくが、俺は止めたぞ?」
携帯しているデバイスを確認しながら状況を整理する。
髪に下げた
「状況了解。こっちはMACARONとピストルしか手元にないよ、ミュールドローンで10ゲージを二丁、ASAPで」
会話の合間に地図を確認する。
ここから北北西600m地点で例の新人は逃走中。 ハンタードローンはそれを回り込むように移動している。
舌打ちしながら恐らく無断で設置されたジップラインランチャーに手首の端末からADDケーブルを接続し起動、そして.50口径の空包をセットする。 ガラスの屋上ではありふれた移動手段。
新人は変わらずに北北西に進んでいる、最も近いジップポイントは幹線道路越し北の400m先、高度は8m下がる。 端末で地点を確定し発射コマンドを実行。乾いた撃発音と硝煙の匂いと共にアンカーロープが射出され、凄まじい勢いでワインダーが回転しベアリングが唸り声を上げる。
少し待つと端末には[Done]の文字。
私はスイベルをロープに掛け、空に駆け出す。
眼下に広がるコンクリートのビル群は乾燥無機質で無感情。 風は痛いほどに顔を打ち、髪が激しくはためく。
重力による加速による浮ついた原始的な高揚とスイベルのベアリングの唸りがシンクロし、心拍の感覚が狭くなる。
ーーこの瞬間が一番生きている実感を得られる
着地して駆け出すと同時に敵対ドローンからのスキャンを手首の端末が自動的に
結果は[DONE] OSを更新していなかったのだろうか。 今頃ビルの谷間に墜落しているだろうが確認する暇無し、新米のマーカーに向かって急ぐ。
「なんでトーシロが警戒圏に入ってんだか」
独り言がつい口を突く。
ロクに話を聞かないクソガキの子守は何時だってムカつく。 実力と経験が伴って無い奴程、企業を侮って命を落とすのはこの仕事で良くある事。 だが、品物を無くされては運び屋全体の信用に関わる。
……所詮私達はウェットワーク大好きロクデナシ人間の集まりだ。 故に信用を無くしたら全ての終わり。 その自覚が無いアホがいつも足を引っ張る。
「イノ、そろそろミュールが追いつく。10ゲージにオマケを付けておいたから上手く使ってくれ」
「りょ、あのガキの青っ白いだろうケツをしばけるオマケだったら嬉しいわね」
軽口の隙を突くかのように軽火器ドローンがこちらの右前方のビルの間から下方から現れ赤外線レーザーサイトをこちらに光らせる。
すかさず腰の1911を抜く。前方は行き止まりだ。 次のビルへ飛び移る空中で撃ち落としてやる。
渾身の力を込めて屋上のへりを右足で踏みつけ、空へ駆け上がる。 目下のビルまでの高低差は3階分。 跳躍の頂点でドローン目掛けサイトを揃える。
視界に敵対電子捕捉アラートが出た瞬間にコアに対し引金を絞る。 撃発と反動とスライドの前後運動が1、2、3、4回繰り返される。 着弾の火花だけを確認して着地の姿勢を取る。
回転受け身を取った先にドローンは墜落した。やはり.45は何時の時代も最高の弾薬である。
ドローンを出入り口の陰に引きずり込みナイフを鍵付き制御盤の隙間に刺してカーボン強化樹脂のパネルをこじ開ける。 そしてハッキングのために『スニッチ』をADD端子に刺してスイッチを長押し。
脳みそがハッパとネオベンゾで溶けてそうなヒッピー野郎が作っているデバイスだが、役に立つときは役に立つ。
……が、役に立たないとき役に立たない。だからこの作業は毎回Plug
3秒程待つとスニッチのLEDが青に点灯。 ハッキングに成功したらしいスニッチを端末に接続してダンプ解析を待つ間に『新人』の方向を向く。
メモリダンプを抜けてるなら追加のドローンの配置と動きのデータを受信して可視化出来る。相手は対人処刑用のハンタードローンだ。
位置情報の有無は生死に関わる。
「ーーこちらル・・・・ナー、応答されたし!応答されたし!!」
ノイズと荒い息混じりに通信を受ける。帯域は極短距離の暗号回線。例のクソ新人だろう。
「こちらイノセント、テメーか今日のファッキンクソ主役は・・・」
応答の間に解析が終わり、ビル越しのハンタードローンの位置がワイヤーフレーム描画される。かなり近い…隣のビルか。 銃口の向きは正確に『新人』を捉えている。
「よかった!助かった!やっと繋がー」
「無駄口叩く暇があったらUターンしてこっちに飛び降りろ!!!ドローンの射線に入ってんだバカ!!!!」
吐き捨てて髪に付けているMACARONを手に取る。
新人がいるのは左のビルの屋上だ。そこから飛び降りてくると当然ハンタードローンも着いてくる。撃ち落とすよりは電子欺瞞で撒いた方が安全。
「え飛び?!飛?!4階以上あるんですけ」
「受け止めるから飛べ!!!!!!」
ちなみに受け止める気は一切無い。
4階程度で死ぬならこの稼業に向いてないから是非死んでもらって構わない。
「あっ、ああああああーーーー!!!!!!!」
左頭上を見上げると不恰好な飛び方をした新人の姿、その軌道に着いてくるドローンが見えた。
MACARONを起動して、腰を捻って出来るだけ高く放り投げる。電子視界は赤外線ホログラムの二人の人間が高く飛び上がる様を描く。
この軌道なら落ちてくる新人の背後を通ってドローンの真正面に入った後、ビル同士の谷底へ向かう。欺瞞されたドローンはホログラムについていくはず。
「ああああああーーーーー!!!ダメコレ死ぬーーーーーゥゥゥゥゥゥ!!!!!!!」
「うるッッッッさいからいっそ死ね!!」
相当の位置エネルギーを持った着地音の後、バサバサと風に吹かれたブルーシートのような音を立てながら一切の格好付けも無くゴロゴロと転がる塊が視界を通り過ぎていく。 なんだ死ななかったのか。
ドローン達は銃声を放ちながらビルの隙間へ消えていく。撹乱は成功した。
「あ、へ・・・はぅ、い、生きてる・・・・」
根性はあるようだ。
「どうも初めまして今日最悪のファッッッッッキンクソ馬鹿女、気分はどう?」
……派手に青に染めたボブヘアにセンス不明のピアスジャラジャラの耳、明らかに筋肉量の足りてない脚を覆う薄っぺらいナイロンのタイツ(売女向けか?)に安っぽいショーパン 電子捕捉対策のないアウター……を纏ったド貧乳のぐしゃぐしゃで鼻血を垂らした顔の痩せぎすの女がそこにいた。
「あ、へへ、さ、サイコーです」
「アタシはサイコになりそうなくらいサイテーな気分だけどね、こんのクソトーシローがよ・・・」
通信ノイズが聴覚に走る。
『こちらウィンストン、荷物を投下する。新人とも合流できたようだな。 企業の警戒圏をどう超えるかは任せるが必ず生きて戻れよ』
目の前に二機のミュールドローンが着地し、銃と紙袋を置いて去っていく。
……脱出の本番はここからだ。
「……で、アンタ。コールネームは?」
投下された銃とオマケをチェックしながら一応聞く。
「ル、ルイナーです・・・」
「・・・」
ルイナー、ルイナーねぇ……
投下された銃はオーダー通りの[ムサシ ライデン-10]
ドローンやボット相手に『色々』な弾薬をセミオートでガンガンブチ込めるアタシらのお気に入りの10Gショットガン、フォアグリップもついている。 デュアルロード対応の12発シェルホルダーも付いてきた。
装填は散弾がフルロード、ボルト動作は良好 セーフティ動作も良好。
エジェクションポート横のワンショットホルダーには炭素繊維シェル。いつも通りで素晴らしい。
フーディの裾を掻き上げてシェルホルダーのバックルを繋げ、銃をパックパックの巻取りスリングに掛ける。
「・・・しかし、ルイナーね。 ルイナー。 破壊者。ねぇ」
銃の状態を読み終わったあたりでクソバカみたいなコールネームが耳に引っかかる。
「……
「え、あ、いや…….あの……」
大言壮語も甚だしい。何が破壊者だ。どこまで頭が溶けているのか。
「……ルナ、今日からお前はルナ。ネコみたいでカワイイねぇ。ルナで返事しろよ?」
二丁目のライデンをチェックして投げ渡す。 どこまで扱えるかは不明だがどうせすぐにわかる。
ちなみに袋の中身は赤外線遮断スモークグレネードだった。
「え、えぅ…あ、はい……」
端末を操作し最寄りのブラックアウトまでのガイドを視界に出力する。 距離自体はそこまで遠くないが足場が悪く、ド新米のルナを引っ張るには些か懸念が多い。
ドローンの増援は企業の警戒圏を超えるまで際限なく来るだろう。一刻も早くブラックアウトまで逃げなければ命はない。
「それなりに走れるんだろうね? このままブラックアウトまで突っ切るからしっかり着いて来なよ」
「なんとか……」
なんとも自信無さげだが、この醜態を晒した上でイキらないだけだいぶマシだ。
「多少は守ってやるけどドローンくらいは手前で落として。 ……というかマトモな銃なしでこんなバカなとこまで来たの?」
改めて見ればバックパックのスリングに長物が付いてない。
腰にピストルはあるが企業の警戒圏じゃ自決用程度の役割しかない。
「45.のカービンあったんですけどジャムったんで捨てたんスよ…ピストルは弾切れだし……」
RPGならLUCK1でビルドしてファンブル引いて退場するキャラだな。
「あー、そ。 気の毒に。 アタシが来て良かったな。本当に」
イキり倒して勝手に死ぬタイプかと思っていたがどうにも多少は出来る子らしい。 それでもマヌケだが。
「まあいいや、
見えてるガイドは同じ方がいい。 追走させるにせよ目標ラインが見えている方がやりやすい。
「え、ええ……ダイバー仕様ですけど端子は頸に……」
話が早い。
「じゃあ直結で送るから接続許可して」
向き合ったまま首に左手を掛けて頸を探る。 かなり脳に近い左右箇所にメス端子の感触。 てか目綺麗だな。
「んっぁ……っ」
「変な声出さないで」
綺麗な目と存外に艶のある声にうっかりムラっとしかける。……にしてもコイツ、その気になればこのまま容易く脳を焼ける生体端子直結に大した抵抗もしない。
大真面目な世間知らずなのかよっぽどの直結セックス好きなのか。
「そこっス、左の端子に……」
自分の右頸のADDケーブルを引き出してメス端子に直結、電子的接続をこちらの視野内ディスプレイで確認する。
「許可したっス」
送受信ダイアログに怪しい箇所はない。ICEはちゃんと迂回されている。
……脳味噌を盗み見するようで気分は悪いがついでなので全身のインプラント情報を確認する。
……メインデッキはDeepDiverのSD-50
モノ自体は悪くないけど、あくまでネットダイビング特化のデッキだ。少なくとも私たちが使うような肉体駆動インプラントの制御に向いた物じゃない。
……DeepDiver VirtualSkin-μ
……ネットダイビング中の感覚を現実の体に送るための神経インプラントだ。 大抵の用途はリアルなデジタルセックスだが、脳味噌全部でネットを泳ぐダイバーが没入感の為に使うこともある。
他は……
……ファイアウォールはSilentLineのBerlin
不意の攻撃に対して通信を大元から切断する事で脳深部を保護する初歩的なファイアウォールだ。原理は堅実だがICE機能を持たない上に年式が古い。
……QuickSilverのMercury……?
確か中枢神経アンプリファイアーだ、脳の伝達物質を無理矢理絞り出して時間感覚をスローモーにさせるインプラント。 全神経アンプリファイアーと違って体の動作自体には作用しない。 戦闘に使えなくもないが大抵の用途はオーガズムを長引かせるためだ。 デジセックスフェチなのかコイツは……
……他は私と同じメーカーの月経管理と中堅な視野拡張が入っているくらいか、どれも荒事向けではない。
「……ちょっとクロームを確認させてもらったけど、アンタはネットダイバー?それともデジタル売春婦?」
「一応ダイバーです……てか、勝手にヒトの体の中勝手に見ないでくださいよマジで……キモい……」
ダイバー能力を応用してデジタルセックスで小遣い稼ぎしていた手合いか、よくいる。
「この状況で四の五の言うんじゃないよ。
神経アンプでも入ってれば逃げるくらいは戦闘特化でなくても出来る。
「オーバーロードしてロックされたんスよ……ちょうど今冷却終わりましたけど……」
「クソ程マヌケなのはよくわかった」
少しの沈黙の後、アイコンタクトを交わして走り出し視界のガイドを辿る。
足の速さは私と同程度か。
正面に空調の配管、飛び越える。
直後、拡張ディスプレイがドローン接近のアラートを表示する。 思ったより遅かったじゃないの。
「ドローン来るぞ!!」
「ひゃひ!!!!」
バックパックの銃のフォアグリップを右親指に掛けてスリングを引いて手繰り寄せ両手に保持したまま走る。
視界の左端に矢印、来る!
ワイヤーフレームに照準を合わせながら走る。 どうせ安物のドローンだ。 二、三発で落とせる。
実視界に入るまで1、2…引金をーー
「!」
後ろで銃声が2発鳴り、ドローンの破片が飛散する。
「堕とした!」
「でかした!」
マグレじゃなきゃ銃の腕は確かだろう。
「おかわりはいらない……よ!!!」
電子追跡が遅れたドローンのアラートを受け取った刹那、射線に現れたそれにすかさずに3発射撃、破片が飛び散り機体が四散。
シェルホルダーのシェルを2発握りポートに押し込んで銃を手放す。 バックパックの巻取りスリングは自動的に銃を側面に固定する。
進路はこのビルの端から降りて工事用足場を通ってから隣のビルに飛び移る線を描く。中々にハードだ。 スライディングで速度を落とす。
「しっかり減速しな!! 真下に飛び降りるぞ!!」
「はい!!!!」
つま先がへりの段差に当たり膝が曲がる。 ちょうど速度はゼロ。 フチを掴んで体をビルの断崖に落とす。 足場までの高低差は2階分ーー
着地と同時に足場の伸びる方向にロールして加速する。
背後から派手な音を立てて鉄板の足場を蹴る音が聞こえる。 ロールせずに着地か、慎重でよろしい。
飛び移る先のビルを視認、距離自体は短いが高低差が少ない。
「ルナ!!全力で壁蹴れ!!半端だと落ちる!!」
新たなドローンアラート。 下から来ている。飛び移ってから落とすか。
1911を抜きながら速度を活かして壁を走り全力で体を飛ばすーー
「The quick brown fox jumps over the lazy dog!!!」
空中で古めかしいハッカーチャントを聞き取るった瞬間、視界に入ったドローンは亀のようにひっくり返り上昇推力を地に向けてみるみる落ちていく。
ワイヤレスハックかーー
つま先から着地してロール、振り返るとルナは壁を蹴り両手を伸ばして飛び込みの体勢でこちらに飛び、そのままロールして着地した。
「アンタ結構やるじゃん? マジでなんで追い回されてたワケ?」
「頭回んなかったんスよ!!!!」
「つまりアホだな!!!」
肩を揺らして呼吸する彼女を見るに、ハック頼りで仕事していたが処理能力を超えて追い込まれたんだろうと推察する。 武装が貧弱なのもそれなら合点がいく。
着信ノイズーー
『こちらウィンストン。 悪い報せだ』
「いい報せから教えて」
『残念ながらいい報せは無い。 悪い報せならワイバーンドローンが起動したって事だ。 しかもお前らの近所でな』
ワイバーンか……デカい、口径もデカい、オマケに早い。 厄介な相手だ。
『どうにも企業を怒らせちまったようだな。こっちでも手の空いた対物部隊から一人手配した。座標を送るから上手い事誘導してくれ。 ミサイルランチャーいるか?』
「10Gの炭素繊維シェルを2セット送って。 デカブツはAMに、通信アウト」
火力で押し切るよりはローターに炭素繊維を巻き込ませて漏電させた方が安全と判断。
「ルナ、ワイバーンがこっちに来てる。 激しい戦いになる」
「……マジスか……」
ただでさえ青い顔が殊更に青くなる。気持ちはわかる。
「銃が上手いようだから射撃はアンタに任せる、私が囮になるから徹底的にブチ込め。 射撃ユニットのバックアップも来てるけど誘導が要る。走り込むから準備しな」
ただの救出の筈がクソ面倒な事になった。 私は覚悟を決めてバックアップまでの経路を描画した。
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