四畳藩奮闘記  ~自由剣 食み風~

居石入魚

第1話 はじまりはじまり

「お前は庄屋の産まれだそうだな?」

「はい。私の生家は山村の小さな村で庄屋をしております」

「だがお前はもう百姓では無い。サムライだ。自由気ままな百姓では無い。一人の人間に仕える身分だ。今回のように酒場で喧嘩をするぐらいならば大目に見よう。だがお前は強過ぎる。以前のゲームセンターでの喧嘩。ファーストフード店での喧嘩。合コンで狙っていた女の子を横取りされた事で暴れたり、職務中に犬と遊んだり、職務中に姫を放っておいて犬と遊んだり。お前は自由過ぎる。フリーダム過ぎる。確かにお前は自由剣の使い手だとは聞いておる。だがどうだ?剣ではなく、お前自身が自由過ぎるのだ。ホントに君って義務教育受けたの?最近はそんな風に訝しむ事さえある」

「教育が義務であるとするなら、最近は義務である働く事を棄てている人種もいるとかいないとか。大人がそんな事では我等子供が健やかに育たないのも道理かと」

「黙れや!大体お前はなんかあるとすぐに暴れるから、苦情とかすげえんだぞ!?老中はお客様相談室じゃねえって話だ!結構偉いはずなのに最近の俺の業務って謝ってばっかりなんだからな⁉」

「実るほど、頭を垂れる稲穂かな。そういう言葉もあります」

「俺が頭を下げるのは大半お前の行いなんだよ!良いよ?悪い人間たたっ斬ったって。良いんだよ?自由剣は確かに民を守る為の剣だって聞いてるし?だから俺もお前を雇ったんだし?だけどお前のはフリーダムですらねえ!カオスだよ!ケイオス!」

「南蛮由来の言葉は存じかねますゆえ」

「あーもう!老中ブチ切れ寸前だよ!やったら強い剣士が庄屋に居るってんで俺が雇ったらこれだもんなあ!姫に尽くすどころか姫をいつもぶっ飛ばしてるんだもんなあ!」

「履歴書も面接も必要無い採用では致し方ないかと。生まれが庄屋である為、私の身分は契約社員である訳ですし給料分以外は働く気は毛頭ないという事を此処に宣言したい。受け入れられない場合、私は此処を離れる事も視野に入れています」

「社員登用制度もあるぞ?」

「甘言で弱き立場の人々を惑わすのは美徳に反します」

「飯炊きの女の子達、皆若くてすっごい可愛いんだよ?」

「でも、皆ビッチじゃん」

「南蛮由来の言葉知らないんじゃ…?」

「飯炊きに来てるのか、男を漁りに来てるのか。まあ、飯を炊きながら男を漁りに来たんでしょうが。働く事にメリハリをつけて、誇りを持って欲しいですよね」

「お前がゆーな!」

 これが四畳藩の一日の流れ。大抵、雇われ剣士と老中との喧嘩で始まる。





 それではこれより始まります、演目は~四畳藩奮闘記 自由剣 食み風~ です。

 部屋を明るくしてベッドに転がってポテチでも食いながら読んでくださいましね。

 歴史の授業に使えるかもとか思っちゃダメですからね?

 何処か違う宇宙のお話であるとお考えくださいましね?

 歴史好きな御方はクレームとか出さないで下さいましね?

 実際の佐渡の島は長閑で平和な島です。

 過疎化が進んでいまして。

 私みたいな娘は高校に行くにも島を出なくちゃならねーんです。

 あ、私、『種子島竜胆』って言います。

 お気軽に竜胆ちゃんと呼んでくださいね?

 一応、メインヒロインなんか?

 でも由美さんもいっからなあ…。

 読んで為になる事なんか、ひとっつもねえですけど!

 楽しんで頂けたらいいかなーって!

 基本的に残念な老中が主人公の時点で御察しくださいって感じなんですけど!

 私、歴史の改竄とか、歴史の流れを調律するとか、難しい話は解らねえんで!


 それでは始まります!

 四畳藩奮闘記 自由剣 食み風!

 幕末なのに、明治なのに、現代戦の時代劇!

 維新も攘夷も無い、中庸に生きるお侍様のお話!

 歴史の改竄と歴史の調律のお話!

 私の事も見てくれよな!

 結構、可愛いからよぅ!

 ビッ!って気合入れて頑張ってっからよぅ!


 それじゃ!

 チャンネルは、そのまま!


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