貞操逆転世界でフリーハグしたら、凄い有名になってしまった

すりたち

フリーハグ

 僕は今、貞操逆転世界なるものに来ています。この世界なら女の子といろんなことが出来るんだろうなと、妄想を膨らませていました。


 しかし現実はそんなことありませんでした。


 セクハラや痴女の社会的問題が大きくなり男が訴えるケースや冤罪で捕まってしまうことが増えたことによる、女子の草食化。


 このままじゃ貞操逆転世界を謳歌することなんでできないと考えた僕はフリーハグを始めた。


 

 マスクで顔を隠した僕はフリーハグと書かれたホワイトボードを持ち、人通りがそんなに多くない場所で立ち始めた。


 何人かの人がこちらをチラチラ見ては去っていく、みんな興味はあるものの手は出しにくい感じなのかなと思っていたところ。


「すみません、フリーハグって本当ですか?」


 とOLのお姉さんが少し周りの目を気にしながらもコソコソと問い合わせるように話しかけてきた。


「はい、このとおり」


 そう言いながら両手を広げ受け入れる準備を見せると


 恐れながらといった感じで抱きついてきた。


 むにゅりとした感触といい匂いを感じながらも、腰に手を回しながら抱き返すと、OLのお姉さんは更に力を込めて抱きしめてきた。


 少しの間抱き合い気持ちのいい体験をさせて貰ったお礼に耳元で


「お仕事毎日お疲れ様です。頑張ってくださいね」


 と囁くと、お姉さんは泣き出してしまった。


 そんな状況に何をしていいか分からずオロオロとしていると


「こんないい男の子に会えると思ってなくて」


 その後お姉さんは段々と落ち着いてきたところで「これお礼だから」と言い一万円を渡し、すぐさま去っていってしまった。


 そんなこんなで少し騒ぎになった僕の周りに

は女の人が何人か集まってきており、フリーハグについてコソコソと話していた。


「良かったらどうぞ」


 手を広げ迎え入れる姿勢をとると、我先にとみんなが列を作り並び始めだした。


 僕の初めてのフリーハグは初日からかなりの話題になったのであった。



 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る