欣喜、敵基地を襲撃し、我が神兵皇隊堂々帰還す

迫水

第1話 結成

 絶対国防圏は既に机上の物と成り果てた。

 神聖なる国土は、連日連夜や侵入する鬼畜米の爆撃機B-29などにより、焼き払われ侵され続けている。

 昭和20年3月末には、硫黄島が敵の手中に落ち、4月になると沖縄本島に上陸が行われた。


 彩帆島が陥落すると本土に爆撃が飛ぶようになった。硫黄島が陥落すると、遠地迎撃も早期警戒も送り狼も困難となり、爆撃の激しさが増している。

 戦いにおいて流れ弾が出てしまうのは致し方がない。しかし、鬼畜米は軍事関連施設以外も女子供も狙って攻撃を行っている。国際的にも人道的にも許されざる蛮行である。よって銃後を護るためにも敵爆撃隊を壊滅させる必要が出てきた。

 当初は硫黄島を経由して彩帆島へ向かう予定であった。しかし、硫黄島が陥落したため目標を硫黄島へと変更、更に沖縄で戦いが始まったため延期となった。



 だが、同輩達が敵弾に倒れている中、待ち惚けを食らうことは我慢ならん。


 我々は憎きB-29を破壊するために結成された神兵皇隊。

 敵機を撃墜することは難しい。可能であれば地上撃破する事が望ましい。だが、相対速度が速く徹底した破壊が不可能である。そのため、敵地強行着陸し爆薬を用いて破壊するのが、我々の任務であり、使命である。

 今こそ我らの務めを果たし、浮かれた奴らに皇国の威光を知らしめん。

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