第5話 『ち』

『ち』


『ちりつもって山となる』


 このことわざが作られた時代には環境問題など無かった。

 微々たる財産でも貯え続ければ大金持ちになれるぞといった意味だが、現代ではまったく通用しない困ったことわざである。

 その気になって蓄えたところで、金利は限り無くゼロに等しく物価は軒並みの値上げラッシュ。

 蓄えは実質的に目減りする一方である。

 学校は、将来偉い人になって悪業を重ねるか落ちこぼれて犯罪に走るか、一般ピーポーになって両方からむしりとられるか仕分けるための組織である。

 全宇宙的規模で考えれば、現在地球上に在る山総ての素は宇宙のチリから始まって、気の遠くなるような年月によって形成されたに違いない。

 このことわざは、宇宙人が地球人に残したメッセージに違いない。



『地獄の沙汰も金次第』


 地獄の鬼も金には弱い。

 札束を積み上げてやれば調査ミスとして極楽へでも送ってくれる。まさに現代社会の縮図。

 どんなに悪事を働こうが、金の力で優秀な弁護士を雇い陪審員を買収すれば、黒い物だって白とはいかないまでも灰色くらいにならできる。

「疑わしきは罰せず」疑わしいんじゃなくて、やってるんだって。

 言って分かるような裁判官なら、この世に不幸はなくなる。

 裁判官という職業の人達は世間を知らなすぎる。というか、見ようとしていない。

 それは世間が法の定める所の本来在るべき社会と、現存する社会構成があまりにもかけ離れすぎていて、理解しようにも混乱するだけだからである。

 応用力の無さには、ほとほと感心する。 

 地獄とは、現世も含めて地獄と言うのではなかろうかと思うような判決は後を絶たない。

 極楽は富裕層の人の為にある言葉なのであろうか。

 あの世にも上下関係があるとか。

 戒名は長いほどいい。

 戒名は長ければそれだけ高くなる。

 戒名は坊さんにとっての商品。

 人の弱みに付け込んだ商売は儲かる。

 昔の人は何の気なしに、よく物事を観察していた。

「鬼に金棒」が無敵であるとされて来ていたが、本当の無敵は「鬼に札束」なのである。 




『り』


『律儀者の子沢山』


 そのまんまだね。

 律儀な人ほど子供が多い「貧乏人の子沢山」の方が知られてる。

 現実として貧困国は子沢山。

 死亡率が非常に高い。だから子共は多い方がいい。

 大人になるまで生き残っていられないから、途中リタイヤの子供数を踏まえて産んでいる。

 尚更子供が増え、貧困のスパイラルから抜け出せなくなっているのである。

 現在の日本は出生率が低下している。これもまた政治の貧困が成せる技。

 皆さん子育ての将来に不安を感じている。

 しかし、もっと悲惨なのは貧困国。

 子供は労働力の確保の為になくてはならない存在である。

 食っていくため生きて行くために人口は増え続ける。

 貧しいから生活費を稼ぐ為に子供を産む。

 子供はイコール労働力であるから奴隷のように売ってしまう場合もある。

 私たちの住む日本では考え難い事が、世界の貧しい国では当たり前に行われている。

 正直に生きたら馬鹿を見る。それが今の世界。

 日本的な人口問題は、将来において年老いた者を養う人口が減って行く。

 養いきれない人口増加で、経済的危機が訪れると懸念されている程度である。

 貧しい国での人口問題は、国の存続そのものに関わる大問題である。

 増えれば食料不足になり、減っていけば国そのものがなくなる。

 いっその事、国なんて物を無くしてしまえば世界規模で考えられる。人口問題・食糧問題の解決も早まるだろうに。

 この国境不要説、あまり大声で唱えると殺される。

 みなさんも知っているジョンレノンがその1人。

 イマジンという歌曲の中で【人と人の間に壁を作っているもの総てがなくなったらイメージしてごらん】といった内容の歌詞で人々に訴えた。

 殺されてしまったので、彼が最終的に自分の持っていた莫大な資産をどのように使うかまで見られなかったのが残念でならないのは、私だけだろうか。



『綸言汗のごとし』


 詳しい説明は非常に長くなるので省く。

 あっ、今気が付いたのだか「はぶく」=「省く」でいいのかな。省略、いいんだね。

 「何とか省」って、その仕事を「はぶく」って意味だったんだね。だから職員は仕事しないんだ。

 一つ疑問が消えたよ。

 さて本題。

「言葉に出して言ってしまった事は、消しゴムでは消せないんだから修正不能。うっかり本当の事を言ってしまうと政治生命は終わりだよーん」といった所。ここ大事だから!

 政治家に限らず誤診ばっかりしている医師とか、悪人の弁護ばっかりしている弁護士とか、金で釣られて滅茶苦茶な判決を出す裁判官とか、しょっちゅう死体を埋めている極道のお兄さんとか、給料より麻雀の稼ぎの方が多い警察官とか、放火が大好きで常習の消防士とか、兵器を横流ししている自衛官とか、基準以下でもビルを建てちゃう建築屋さんとか、腐っていてもバックレテ売っちゃう饅頭屋とか、カエルの肉を国産和牛だと偽って売る肉屋とか、あーこの位にしておくか。

 そのうち、違法製造した軽油を販売している大手のスタンドチェーンも摘発されるだろう。

 これは現在極秘捜査中であるから、心当たりの油屋さんは直ぐに手を引いた方がいい。

 特捜のアホが酔ってベラベラとしゃべりまくってくれた。

「壁に耳あり、障子に目あり」うっかりには要注意だ。

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