第162話 収益
「しかし、良いのか? 生まれ育った国を裏切るような事だぞ?」
「かまいませんわっ!! あの国はわたくしに何もしてくれなかったですものっ。国からすれば、いくら貴族の娘とはいえわたくし一人だけを助けるというのは難しい事も理解しておりますわ。けれども苦しい時に助けてくれたのは国ではなくご主人様ですもの。そこに産まれただけで忠誠を誓う程わたくしは安くも単純でもございませんわ」
スパイにならないかと俺が提案した事ではあるのだが、エリスの反応が意外過ぎて思わず確認してしまうのだが、エリスはその事を咎めたり気分を害したりするような事はなく、むしろ嬉々として俺の問いに答えてくれる。
「なるほどな……。まぁ、無理だけはするなよ? 万が一自分の命が危なくなれば自分の命を優先して動くように。これは命令だ」
「かしこまりましたわっ!! わたくしエリス、ご主人様のお役に立てるように誠心誠意働きますわっ!!」
「いや、スパイとは言っても実際にスパイをするわけではなく……まぁ良いか。とりあえずほどほどにな」
「はいっ!!」
そしてやる気満々といったエリスの表情と力強い返事を聞いて、俺は『そういう心持で行動せよという話であり、実際にスパイをしろという訳ではない』と言いかけて止める。
お父様との会話で得た事もそうなのだが、何よりもやる気満々なエリスにわざわざ水を差すような事をする必要もないだろう。
それに、俺の奴隷たちは何か問題が起きても良いようにママゾンで武術や魔術の基本セットは学習させているし、学習したいという武術や魔術のより高度なセットも希望者には学習させているので基本的には危険な目にあっても余裕で対処できるだけの力は皆持っている。
というか、ママゾンのキンドールサブスクでそれらセットがダウンロードし放題というのが神過ぎる上に、サブスクプランに無くて有料であったとしても一度購入さえしてしまえば使いたい放題というのも神過ぎる、というか今の俺にフィットし過ぎていると言えるだろう。
まさにママゾン様々である。
ちなみに前世の金銭に関してはママゾンストアで購入した機材一式と、ママゾンストアのアカウントを使って作ったミーチューブのアカウントでこの世界の日常をライブ配信及び俺が見た光景をデータ化して動画をアップしており、その収益で支払っているのだが、この資金その収益がママゾンだけでは使いきれずにどんどん貯まってしまってきているので他に何か有効活用できる方法は無いか? と思い始めている。
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近況ノート(限定)にて165話(ストック分)まで更新いたしました。
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