第139話 復讐する方を俺は選ぶ



「…………あ? もう壊れてしまったのか。もう少し踏ん張る事も出来ないとは、使えない」


 時間にして一分ほどであろうか? 殺さないように手加減して殴っていたつもりではあるものの、力加減を間違ってしまったのか、女の頭がまるでトマトを潰したかのように壊れてしまう。


 この、新しい身体になって身体能力はかなり上がったのは嬉しいのだが、一気に力が強くなった影響か、未だに繊細な力加減が難しい為、その練習も兼ねて殴っていたというのに……直ぐに壊れやがって……。


 ちなみに何故か新しい身体になったのだが、カイザルに潰された股間は再生する事はなく、玉は潰れ竿は真ん中で折れてしまった状態のままである。


 その股間を見る度に俺はカイザルへの怒りを募らせていくので、この怒りはカイザルへ復讐するまでは忘れる事は勿論、薄まる事もないだろう。


「おい、いつまでそこで時間を潰しているんだ。遊び終わったのならばさっさと次の街へ向かうぞ。やるべきことはまだまだあるんだからな」


 そして俺は再度カイザルへの怒りを確認している所で聖騎士団団長であるユーグ・ド・イアンが早くしろと急かしてくる。


 急いでいるのは分かるのだが、急いでいる理由がユーグの個人的な思想の為であるにも関わらず関係のない俺に対してもその夢の為に行動をしろと押し付けてくるのはどうかと俺は思う。


 そもそも仲間になるとは言ったがユーグの思想を実現させるために仲間になったわけではない。


 俺は俺の目的の為に仲間になっただけなので他人の目的など知った事かと思うのだが、今はそれを口にはしない。


 人間であることをやめて新しい身体を手に入れた俺は上手く身体を動かす事ができない為ユーグの野郎を倒す事はできないのだが、いずれこのムカつくゴミ野郎を倒し、ゆくゆくは俺が聖騎士団の団長へなる予定なのだが、今は歯向かったところで返り討ちにあうだけではなく殺されかねないので、ぐっと怒りを抑えて従順なふりをする。


「分かりました。 今この女の肉を食いますので……」


 そして俺は女性の死体の肉を太ももを数口だけ食べてユーグの下へと行く。


 こんな時にストレージ持ちが居れば重宝したんのだが、生憎今は仲間に居ないみたいである。


 こういう細部の所でユーグの使えなさが分かる。


 こんなんで聖騎士団の団長まで上り詰めたのだから、団長という立場はたかが知れているだろう。


 これであれば俺が聖騎士団を乗っ取るのも時間の問題であるのだが、それよりもまずはカイザルのクズへ地獄を見せる事が最優先である為、その為であれば聖騎士団団長の座は後回しにしてでも復讐する方を俺は選ぶ。


 新しいこの身体であれば、使いこなす事さえできればカイザルのクズなど簡単に潰す事ができるだろう。


 その、カイザルのクズを潰す未来を想像しながら俺は四口ほど死体の肉を食べた後に死体を捨ててユーグの所へと向かうのだった。


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 ここまで読んで頂きありがとうございますっ!!(*'▽')ノ

これにて第四章は完結、次から第五章です(^_-)-☆


(登場キャラが増えてきたので22時5分にて一旦人物紹介(簡易)を挟みます)


 ここまで読んでくださいありがとうございますっ!!

 執筆のモチベーションにもなりますので、この作品が面白いと思ってくださった方はブックマーク、星、評価レビューをしてくださると、とても励みになりますっ!!


|ू・ω・` )チラ

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