第35話 無能なゴミ親
◆プレヴォside
「どうして信じてくれないのですかっ!? お父様っ!! この俺の前歯を折り入れ歯を買わなくてはならなくなったのはカイザルの仕業だと先ほどから申しているでしょうっ!! というか、何故俺の入れ歯が地竜の厚い鱗で出来た物ではなく、安物の木でできた、それも昔使用人が使っていた入れ歯なのですかっ!?」
「あのぼんくらで有名なカイザルが腐っても学園トップの成績を収めているお前をそんな状態になるまで一方的に攻撃をしてきたとでも言いたいのか? 嘘をつくならもっとまともな嘘をつけこのバカ息子がっ!! そもそも嫡男ではなくなったお前にどうして金をかけてやらねばならないのだっ!? 学園へと通わせてもらい、木製ではあるが昔使用人が使っていた入れ歯を貰えるだけでもありがたいとは思わないのかっ!? 嫡男となった弟の護衛になればと思い学園へと通わせてやっていたというのにまだこの家に問題ごとを持ってこようとしているとは、お前はこの家を潰したいのかこの大バカ者っ!! どうせその顔の傷も折られた前歯も裏社会の奴らからの報復ではないのか? 流石にそんな裏社会の奴らと繋がっている者をこの家に置いておく事は出来ぬわっ!! お前をこの家に置いていればいつ裏社会の奴らに乗っ取られるか、またはお前のバカな行為で潰れてしまうのか分からないではないかっ!! 今すぐにでもお前をこの家から叩きだしたい所だが、逆にお前のような奴を野放しにする方が我が家としても恐ろしいっ!!」
今日カイザルの奴にやられた事をお父様に報告すると、何を言っているのか聞き取りにくいと昔使用人が使っていた木製の入れ歯を渡された上に、一向に俺の話を聞きやしないではないか。
つい最近まで俺に対して優しく、弟に対しては雑な扱いをしていたのが、まるで立場が逆になってしまったようだ。
いや『なってしまったようだ』ではなく、あの日以降から実際にそうなってしまった。
確かに親の印鑑を拝借し、サインを偽装して書類を提出した事は悪い事であるというのは理解しているのだが、そもそも俺は将来この家を継ぐ嫡男であるのだから、そんな事は些細な問題でしかないというのに何故周囲がこれ程にまで騒ぎ立て俺に対してバカにしたような目で見下してくるのかが理解できない。
「とりあえず、あれほどクヴィスト家には迷惑をかけるなと言っていたのにまた迷惑をかけやがってっ!! 俺があのクヴィスト家にまた頭を下げなければならなくなるではないかっ!!」
そう叫びながら父上は頭を掻きむしるのだが、正直な話しそれに関しては『お父様がクヴィスト家当主よりも無能だから』であり、俺の責任ではなくお父様の自業自得としか思えない。
結局、その『自分がクヴィスト家よりも無能である』という認めたくない事実を直視しなければならないストレスを子供にぶつけているだけの無能なゴミ親というだけではないか。
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すみません、プレ虐がちょっと私の予想以上に楽しんでしまっており、もう少しズンドコ……どん底に落ちてもらいます(*'▽')一旦37話でプレ逆は終わります。
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