第24話 ホッと胸をなでおろす
「忘れられちゃったのかな? と思ってたよっ!!」
「すまんすまん。あと、俺がお前達を忘れる事など無いだろう? 前世と同じように必要に応じてお前達を適材適所使っていくからよろしく頼むぞ?」
とりあえず本格的に拗ね始める前にスーを慰めながら『後で他の人工知能達もストレージからいったん出してやってやった方が良いかもしれない』と思い始める。
「それなら良かった。これからもよろしくなっ!! マイマスターッ!!」
「こちらこそよろしく頼む、あと他の奴らにもその旨を伝えておいてくれ」
「分かったっ。それで、今回僕を呼んだ理由はなんなの?」
「あぁ、そうだったな。ここのベッドに横たわっているドラゴノイドの女性、を治す事は出来るか?」
「そんな事なら朝飯前さっ!! 欠損部分もちゃんと治してあげるよっ!!」
「それは頼もしい限りだな。では早速頼めるか?」
「かしこまりっ!! でも最低でも三日はかかるけど大丈夫?」
「その程度なら大丈夫だ。もともと治すのには早くて一週間はかかると思っていたからな。それと比べると早いくらだ」
そして、スーの機嫌が直った所で早速アーシャを治せるか聞いてみると、想像していたよりも欠損部分を含めて早く治るようで、一安心である。
そうと分かれば早速スーへアーシャを治すように命令をすると、スーは典型的なスライム型となった後アーシャをその液体状の身体で飲み込んでいく。
「なるほど、私を購入したのはそういう性癖を解消させる為の慰め者にするのではなく、このスライムの餌にする為だったのか……。亜竜とはいえ竜をも屠った私の最後がスライムの餌とは……実に滑稽な……最後だった…………な……っ」
スーに飲み込まれていくアーシャは、またしても何か勘違いをしているようなのだが、恐らくスーの体液によって徐々に意識を保てなくなり、眠ってしまったところで全体をスライムの身体が覆う。
「では、よろしく頼む。スー」
「まっかせなさーーいっ!!」
自信満々な返事をするスーを見ながら『もしかしたら、この世界の住人と前世の世界の住人とでは勝手が違い、スーでも治せないかもしれない』と思っていたのだが、どうやら要らぬ心配だったようで、ホッと胸をなでおろすのであった。
◆アーシャside
今までは復讐の為だけに生きて来た。
復讐さえできれば死んでも良いとさえ思っていたし、実際に死を待つだけのような存在になっても悲しくはなかった。
むしろ復讐を果たせた勲章のような、どこか誇らしさすらあり、それと同時に『これでみんなの元へと行ける』と思っていた。
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