(四)-5

「だから、『カクヨム』ってなんだよ!」

 チャラ男が叫ぶ。

「『魔法のiらんど』って確か、『カクヨム』に合併されたサイトだよな。なんでコイツ、そんなに雑学に通じているんだ! 実は投稿者なのか!」

 シンが叫ぶように大声で言う。

 それに対し、デーモンが答える。

「それはな、我がデーモンだからだ。お前たちとは違い、を備えているのだよ、だから、をな」

 化け物が日本語を話している時点で色々おかしいのだが、「グレーター」と「知性」の単語のところでわざわざ強調するかのように声色を変えて話すところがなおさらおかしい。しかも二度も同じこと繰り返しやがって。

「フハハハハハハ……、大切なことなので、二度言いましたァ……」

「ちょっとまて。それじゃあ、マコト先輩は、今どこだよ」

 どこの予備校講師だよっ、とツッコんでやりたかったが、デーモンのドヤ顔ゼリフを途中で遮り、俺は尋ねた、知性の偏りについては無視して。それはもちろん、マコト先輩のことが心配だったからだ。

「誰だ、それは」

「お前が乗っ取った体の主のことだ」

「お前たち、あの場にいた全ての人間が、転生できたと思っているのか」


(続く)

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