リアル人狼ゲーム

ひろまる

第1話 開催


 俺はあの夜を忘れない…。


 2人が抱きしめ合いながら亡くなっていたあの夜を…。

 この2人が亡くなった元凶を今…終わらせないと。


 ――――――――――――――――


 音が聞こえる…。

 なんだこの音…?

 鈴の音…?


 だんだん音が大きくなっていって俺の頭上で音が止まる。


 バンッ


 俺は何かに叩かれて目を覚ました。


「まだ寝てるのあなただけですよ…。」

「へ…。」


 俺の目の前には仮面を被った人がいる。

 髪は長いから女だろうか…。

 声は変声機を使っているようで性別は判断できない。


 周りを見渡すと知っている顔ばかりだった。


 そして俺の前の席には…。


「真衣…。何してんだこんなところで。」

「それはこっちのセリフよ。なんでここにいるのかわからないし。」


 真衣とは俺の彼女である。

 失恋して落ち込んでいる俺を必死に励ましてくれていたのだ。

 そんなこんなで仲良くなった俺たちは、そのうちに惹かれあっていって今に至るっていう感じだ。


「おい。俺たちをここに連れてきて何がしたいんだ?」

「ふふ…。王道なセリフだね…。君…。面白い…。」

「ちっ。」


 優希が小さく舌打ちをした。


 優希はうちのクラスの委員をやってくれている人物だ。

 真面目で色々な人から信用されている人。


 勉強もできるし運動もできるから正直どっちか自分に分けて欲しいぐらいだ。


「まあ。さあてみんな揃ったことだしそろそろねえ。」

「なにすんだよ。」

「まあそんな怒らないで。マイペースにいきましょう。」


 この女は非常に腹の立つ言い方だ。

 早く俺たちを集めた理由を教えてくれたっていいのに。


「早く教えろよっ。」


 大和が耐えられなくなって声を荒げてしまった。

 それをまあまあとたしなめる颯太。


 大和はクラスの番長的な存在だ。

 しかしかなり優しい一面を持っていることを俺は知っている。


 そして大和と常に一緒にいる颯太。

 こいつは本当の悪だろう。

 しかし大和には勝てないため媚を売って子分的な位置に存在している。


「まあ。そんなに焦らしても面白くないしねえ。」

「そろそろ教えてくれない…?私、今日用事あるからとっとと終わらせたいんだ。」

「用事って何かしら?」

「大和とデ、デートよ。」


 彼女は春乃という。物知りでクラスのお母さん的な存在。

 なんでも持ってるから青色のたぬきロボットって言われていたこともあったっけ…。


 あ、それは裏でコソコソ読んでいた名前だから内緒…。


 ちなみにもうめんどくさいから後は一気に紹介するぞ。

 華奈は一途で中学の頃から優希のことが好きだったらしい。


 康介は何か持病を持っているらしくて学校に来ている方が珍しいぐらいのキャラクターだ。


 そしてココネはかなり気が強い。

 それだけ。


 後の3人の遥香、裕太、雄一郎は…特にないや。

 すみっこで固まって喋ってるなあぐらい。


 で、なんでここに集められたのだろうか。


「さあみなさん。よく聞いてくださいね…。今からリアル人狼ゲームを開催します!」

 

******


主人公の名前は晴人です。

ストーリーの関係で本文中から漏れてしまいました…。

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