前世ルーレットの罠

結音(Yuine)

夢であるはずなのに

 悔しくて目が覚めた。

 冷めてもまだ やりきれない思いが残っていて。

 夢だとわかっても尚 怒りのようなものがこみ上げてきて。

 消化できない思いが もう一度 わたしを夢の中へと 誘った。


 それなのに、

 続きは更に残酷で。


 再び 抱えきれない 怒りと悔しさを ぶつける相手のいない 困惑と共に

 飲み込めずに ただ ただ 消化不良で。


 泣くに泣けなくて 悔しくて 悔しくて。


 憎みたくても憎めない。

 この苦しさをまた味わわせられた怒りで

 目覚めが最悪だった 朝。





 なぜ、こんな思いを続けなければいけないのか。


 生まれ変わったはずなのに

 前世の因縁は断ち切れないといふことか……。



 わたしは平穏を望んではいけないのだらうか。
















  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

前世ルーレットの罠 結音(Yuine) @midsummer-violet

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ