第四章 黄金都市
第25話 黄金の魔女
城にはセレーナが召喚したデスナイトに留守番させた。
「さて、目指すは黄金の魔女! 水は持ったか!? 行くぞ!!」
全員バラバラの返事が帰ってくる。まとまりのなさが心配だが一行は黄金の魔女の所を目指す。ララノアが乗ってきた馬車を使い近くまで行き、砂漠で馬車から降りるらしい。のどかな草原を超え、山を超える。所々で休みを取りながら着実に黄金の魔女へと近づいて行く。数回日が昇り落ちたが問題なく馬車は進む。
街の看板が見えるとガラッと街並みが変わり、レンガなどで作られた家が立ち並ぶ。
「地面が砂になってきました。そろそろ歩いた方が良いかもしれません」
現地の人の話を聞きこの先と伝えられたが黄金の宮殿も砂金も見当たらない。まだまだ先にあるのだろう。だいぶ歩かなくてはならない事を察する。
「よし、行くのやめよう! 黄金の宮殿は無かった!」
「ここからちょっと歩いた所にありますわ。ご安心ください使徒様。」
そういう事では無い。と思いながらもせめて何かに 乗ろうとする。
「それに乗させてくれないか?」
ダチョウのような生物だがデカイ。大人二人が乗れるのではないかと思うほどだ。さすが異世界スケールがデカイ。
「黄金の魔女の所に行くのか? あそこは遠いから一人一体じゃなきゃすぐバてちまう」
「そんなに遠いのか!? ここから歩いて行けるって言ってたけど……」
「そりゃ騙されてるぜ連れは四人か? なら荷物持ちも一匹いた方がいいな五匹で金貨六枚だ!」
セレーナめ騙すそうとしたな? 少しでもお金を浮かそうとしてるに違いない。
「分かった、払おう。感謝する。」
ララノアとセレーナが呆れた顔でこちらを見ている。みんなの為に借りてきたと言うのになんだその態度は! と、言いたいが何か多分大き事をやらかしているのはが伝わる。
「……使徒様金貨六枚とそいつらでは釣り合いが取れない気がするのですが」
「あと、私は浮いていくんで大丈夫ですわよ」
「アセナも走れるです!」
なるほど、一杯食わされたという事か。かくなる上は……
「使徒からの命令だ。全員乗れ。拒否すれば奴隷紋が暴れ出す」
あまりこの手は使いたくなかったがしょうがない。この世界の金の価値なんて分からない。何はともあれこれで無駄にはならない。
謎の生物に乗り移動すること二十分程。遠くの地面が光を反射してとても輝いている。
「あれが、黄金の魔女がいる所か……めっちゃ眩しいな。」
近づいていく程黄金の輝きは眩しくなっていく。全てが黄金。家も、街灯も、道もありとあらゆる所が黄金にコーティングされ、どこを見ても眩しい。
「目、目がー目がーー!!」
「使徒様!? 急にどうしたです?」
この世界では通用しないという事か……知ってはいたが悲しいものだ。
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