徒然こころん日記

なな

第1話 握りしめてる言葉

物心ついた時から、握りしめてた言葉が2つある。


1つは

世の中の綺麗なものだけ見ていたい。


なんだろうな。

気付いたら

ずっと、そう思ってた。

物事のいい面、人のいい面

風景も音楽も、なんだかね…

いいものしか見ないように、

いいものしか聞かないように

していたふしがある。


そんな自分が大好きでね

私は綺麗でつくられてる

って、感じかな。言葉にすると。

そんな自分がひっそりと自慢だった。


自分では、ずっと

気付かなかったんだよね。

そんな一連の思いに。

最近になって、なぜか気付いた。


もう1つの…握りしめてた言葉はね

甘やかすとつけ上がる(笑)


なんだか、対象的っていうか。


優しい自分でいると

理想の自分になろうとすればするほど

利用される という思い。

これは、今でも抜け出したいのに

抜けてない。


自分が好きって、ときに

人が嫌いとイコールになる。

自分の理想を貫きたいのに

人が私の本性を刺激する。



この2つの言葉がね

だけど、ずっと

私を守ってきたような…

導いてくれてたような気がするんだ。


適齢期をとうに過ぎて

結婚を諦めてた私に

良き人が現れたのも

これらのおかげだと思ってる。



子供が生まれてから…

子育ても半段落くらいした今、


これらの言葉はもう

使い古した感じがしてきた。



だって


世の中にはさ

見たくないものなんて

割とたくさんあって

綺麗じゃないものもたくさんあって


それらを見ないように心がけてると


大切なものとか

自分のことすら

守れなかったりするんだよね。



守りたい って思えた時

強くなるんだって決めた時


綺麗なものの片隅に

陰みたいなのがよく見えるように

なった。


あー、調子良く持ち上げられて

結局は、舐められてたのかな

とか

あー、あれって褒めてる風で

嫌味だったんだ

とか


気付くようになって


心が急にざわざわして

性格、悪くなった気がして

妙に、居心地悪くて



気付くって怖いんだね。

知らなかったよ。

だけど、気付くって

その先があるんだよね。

たぶん、気付き始めると

ずっと、先がある。



今頃、そう思うってことは

それまでは、なかったんだと気付く。


どうして

気付かないなんてことができたのか?


誰がそうさせてくれたんだ?

何がそうさせてくれてたんだ?

これまでの人生に

あり得ないほどの感謝がわいた。


何かが、誰かが

私の世界を守ってくれてたんだと

気付けたから。


どれだけ、いい人に囲まれて

どれだけ、いい環境にいて

どれだけ、信じられて

どれだけ、幸せだったのか。


目を凝らして見てみようと思う。

綺麗の反対側も。

私が私を甘やかした先に何が起こるのかも。



さあ、また

頭の中が忙しくなってきた。












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