23.ネガとポジ

 ある休日の昼下がり。

 わたしたちは肩を寄せ合い、のんびりとしていた。


「鶴ってネガティブよね」

「千恵ちゃんはポジティブだよね」


 ふたりでくすくすと笑い合う。


「ネガとポジって意外と相性がいいのかな?」


 千恵ちゃんがそんなことを言う。


「ずっと一緒にいて、まったく嫌にならないってことは、つまりはそういうことなんじゃない?」


 わたしたちは顔を近づけ、お互いをじっと見つめ合う。

 そして――どちらからともなく、お互いの頬を優しく撫でた。


「これからもよろしくね、鶴!」

「こちらこそだよ、千恵ちゃん!」


 今日も何でもない普通な一日。

 だが、わたしたちにとっては、それが――。


 〝もっとも愛おしい一日〟


 ふたりで過ごす日々は、大切で大事で特別な、宝物のような日常なのであった。

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