鏡に映る剣聖

討伐ありがとうございます いやーさすが冒険者さんじゃ 村の者はお手上げでしたからのぅ ふぉふぉ


倒せて良かったです


ところで 1つお聞きしたい事があるのですが 宜しいでしょうか?


何でも 言ってくだされ


はるか昔に剣聖が修行していたと言い伝えられている剣聖の滝とはここから近いのでしょうか?


おお 剣聖の滝ですか それなら この村から北西 徒歩で2日ですな


道が狭いので馬車は通れぬぞ


なるほど ありがとうございます 明日行ってみようと思います


行くなら1つご注意を滝がある場所から さらに北西にある首狩り平原だけには近づいてはならぬぞ


首狩り平原?


どんなに高LVの冒険者でも近づいてはならぬと言われておる場所で


首狩り平原にいるモンスターは全て即死攻撃をしてくるそうじゃ


わしが知る限り即死を完全に防ぐ方法は無いはずじゃ なので誰も近寄らん


ご忠告 感謝です それでは失礼します


おお 気をつけるのじゃぞぉ


俺たちは荷物を預けている村の宿屋に向かうことにする なんか 甘ーい 良い匂いがしてきた


マイケル あれあれ! お団子だよ 食べようよー


なになに 季節限定今だけ くりぃむスプラッシュ団子ねぇ


アモラはどうする?


俺は何でも良いぜ


おっちゃん くりぃむスプラッシュ団子を3つください


3つで9000マルカだ


高っ!


おいおい にいちゃん こちとら かなり良い素材使ってるんだ


まぁ良いか 3つください   まいど!


広場みたいな場所で3人 くりぃむスプラッシュ団子を食べる ワタルは俺の胸の中で寝ている(ごめんなー)


こ これは うまーい!!! ソフトクリームとはまた違う甘さ


世界は広いな


美味しいね ミスズはもうほとんど食べ終えている


これはなかなか アモラはゆっくり味わっている



宿屋で夕食をとり 全員一緒の部屋で明日からの作戦をたてる


とりあえず5日分の食料は買った その他もろもろのアイテムは大丈夫


剣聖の滝に行く理由 それは滝周辺に生息してる剣聖キツネを仲間にしたいから


それにしても剣聖キツネって凄い名前じゃないの


うむ 強そうである


剣聖キツネの由来は かつて滝で剣聖が修行している所を見ていたキツネたちが剣聖に憧れて


見よう見真似で剣をとり真似したからだと言われている


そこそこ強いんでしょ 普通に近付いたら危険なんじゃないの? どうやって仲間にするの?


その為に重いけどコイツをアンから持ってきたんだ


ただの大きい鏡じゃん そんなので どうするの?


剣聖キツネの特性として自分を見るのが大好きらしい


水面に映る自分を何時間も見ていたのを確認された記録が残っている


超ナルじゃーん


それはまた


なので作戦はこう 剣聖キツネを見つけたら そぉーと近くに鏡をセットして


剣聖キツネが鏡を見て自分の姿に夢中になってる隙を狙う


この作戦が失敗したら素直に諦めて帰るつもりだ



そして2日過ぎ 剣聖の滝に着いた俺たち


ねぇ アレじゃない?


佇まいが美しい


剣を持っているし間違いないな


しかし 本当にずーと見つめているな


剣聖キツネは水面を見つめていた


ゆっくり 音をたてずに出来るだけ死角からまわりこむ そして滝の近くに大きな鏡をセットした


後は隠れて待つだけだ


おいおい マジかよ もう2時間くらい あのままだぞ 勘弁してくれ


す すごいわね


恐るべし 剣聖キツネ


これって鏡 必要なかったんじゃないか… 今からでも後ろからやるか


その時 水面を見つめている剣聖キツネとは別の剣聖キツネが現れた


その剣聖キツネは俺たちがセットした鏡を見つけうっとりとしている


よし チャンスだ お前達は水面を見つめている剣聖キツネに気をつけていてくれ


失敗したら 全員 即 撤退だ


俺はゆっくり ゆっくり近付いていく そして背中らへんに触れる瞬間 剣聖キツネが振り返った


むにゅ


モフモフ発動!


俺の仲間になってくれ


もぅ エッチな人は嫌いです


今後 お触りは禁止ですからね わかりましたか?


ご ごめんなさい

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る