第8項 ループ三周目のゴミカス
目を開ける。
すると、またどこかの神殿だった。
目の前にはリリスがいる。
この光景ももう見飽きたな。
っていうか、これで3度目だ。
リリスに与えられたループの回数制限は3回だった。
この光景を見るのは、泣いても笑ってもこれで最後だろう。
「なぁ、リリス。お前が押し付けた良心のせいで、死んじまったぞ。どう責任とってくれるんだ」
リリスは悪魔らしくない、哀れみの表情で俺をみる。
「ルーク。あなたは『良心』なんてものに何を期待しているのですか? 良心は地獄では余っている不要品です」
「はぁ? じゃあ、なんでそんなもんよこしたんだよ。詐欺だ。2回目のループは無効だ! 回数リセットを要求する」
「それはできません。悪魔との契約は絶対です。良心は付け入って利用するのです。相手をしるには、まずは己からというでしょう。あなたには賢さが足りませんね。とはいえ、最初から関係を築くのは大変ですね。ラストチャンスのよしみです。今回は特別なタイミングと『賢さ』をあなたに与えましょう」
そういうと、リリスはまた俺様を現世に送り込む。
『タイミング?』
リリスの声が微かに聞こえる。
「……それと、悪魔との契約内容は誰にも言わないように……もし、約束を破ると……」
その刹那、意識が暗転し、目を開けるとまた見慣れた寝室だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます