第2話 ダンジョンポイントを稼ごう!

 コアが破壊されれば死ぬ……か。


「事態は思っていたよりも深刻だな。なぁ、俺はこれからどうすればいいんだ?」


 ――先ほども言ったとおり、マスターが最優先で行うべきは、ダンジョンの難易度を上昇させることです。難攻不落かつ要害堅固……そんなダンジョンを作り出すことができれば、マスターの命は保証されるでしょう。


「なるほどな。ところでなんだが、ここって俺の部屋で間違いないんだよな? 壁に貼ってあるポスターを見るにそうとしか考えられないんだが……」


 ――マスター、おっしゃるとおり、ここはマスターの部屋です。そして、ダンジョンの最深部でもあります。探索者のほとんどはこの空間をボスフロアと呼称しています。


「ボスフロア……。バカみたいにだだっ広くなってるのはそのせいだったりするのか? できれば元の広さに戻したいんだよなぁ。なんというか、こうも広いと落ち着かない」


 ――マスター、元の広さに戻すことは可能です。


「本当か!? だったらやり方を教えてくれ!」


 ――マスター、了解しました。では、現在開かれているクラフトメニューから【モンスターの配置】という項目の隣にある▼をタップしてください。


「お、おう」


 俺は頭の中の機械音声に従い、▼のボタンをタップした。

 すると今度は3枚目の画面が出現した。


 ――――――――――――――――――――

 配置可能モンスター一覧

 :ゴブリンLv1×100▼

 :スライムLv1×100▼


 配置可能フロア:

 1F:現在の配置数×0

 2F:現在の配置数×0

 3F:現在の配置数×0

 4F:現在の配置数×0

 5F:現在の配置数×0

 6F:現在の配置数×0

 7F:現在の配置数×0

 8F:現在の配置数×0

 9F:現在の配置数×0

 10F:現在の配置数×0

 

 ※▼タップでモンスターのステータスを確認します。

 ――――――――――――――――――――


「なるほど。あとはこの画面を操作すれば好きな場所に好きなモンスターを配置できるってワケだな?」


 ――マスター、そのとおりです。そして、モンスターや罠を配置していくことでチュートリアルが進み、褒美としてダンジョン・ポイントというものが与えられます。


「ダンジョン・ポイント? なんだそれ?」


 ――マスター。ダンジョン・ポイントというのは、ダンジョン内でのみ使用可能な通貨だとお考え下さい。チュートリアルをクリアしたり探索者を倒したり、もしくは探索者からドロップしたアイテムを売却したり……。ダンジョン・ポイントは様々な方法で手に入れることが可能です。そしてダンジョン・ポイントを消費することで、モンスターのレベルを上昇させたり、未開放の機能を開放することができるのです。


 なるほど、そういうことか。


「つまりダンジョン・ポイントを獲得してフロア拡張の機能を解放しろってことだな?」


 ――さすがマスター、理解が早いですね。ではさっそく、モンスターを配置してみましょう。そうすればチュートリアルのクリア報酬として、10000ダンジョン・ポイントが獲得できますよ。


「よーし、じゃあまずは1Fにゴブリンとスライムを10体ずつ配置しよう」


 ――かしこまりました。ではマスター、配置可能フロアの項目に表示されている1Fの文字をタップしてください。


 言われたままにタップすると、今度は配置可能モンスターという欄が現れ、そこにはゴブリンとスライムの名前があった。


 俺はまずはゴブリンをタップした。

 すると1F:現在の配置数ゴブリンLv1×1と表記された。


 次にスライムをタップしてみる。

 今度は1F:現在の配置数ゴブリンLv1×1 スライムLv1×1となった。


 つまり一回のタップでモンスターを一体配置できるということ。そしてゴブリンとスライムはそれぞれ100匹ずついるわけだから、1Fから10Fまで10体ずつの配置が可能ということになる。


 俺は一先ず、1フロアにつきゴブリンとスライムを10体ずつ配置していった。


 ――マスター、おめでとうございます。これでチュートリアル1はクリアです。報酬の10000ダンジョン・ポイントが付与されましたので、ステータス画面を確認してください。


「オッケー」


 俺は目の前の三枚の画面のうち二つを右側に移動させて、ステータス画面を手前に持ってきた。すると、ステータス画面にはさっきまでなかったダンジョン・ポイントという項目が追加されており、そこには10000とあった。


 さらには、ダンジョンショップという項目までもが追加されている。このショップでいろいろなものを買えるのだろうな。


 ――マスター。確認が済みましたら、ぜひショップを覗いてみてください。そこに売られているものは、マスターがダンジョンで生きていくのを手助けしてくれるものばかりですよ。


「いや、ショップは後回しだ。まずは機能を解放したい。やっぱりこんなに広い部屋は落ち着かねぇよ」


 ――かしこまりました。機能の解放には1000ダンジョン・ポイントが必要となりますが、よろしいですか?


「え、たったの1000で解放できるの?」


 ――機能の解放は初回は1000ポイントで可能です。ですが回数を重ねるごとに5000……10000……20000……というふうに、解放に必要なダンジョン・ポイントが増えていくシステムになっているのです。


「ってことは最初に解放する機能は慎重に選ばねーとってことか」


 ――マスター、私は【施設作成】機能の解放をオススメします。この機能があればダンジョン内に飲食店や公園、図書館や学校、温泉施設などなど、さまざまな施設を指先一つで作ることができるのです。そのあとで【施設設置】の機能を解放すれば、快適なダンジョンライフが送れますよ。


「お前……めーっちゃ有能だな」


 たしかに部屋が広いのは気になる。

 でもそれは後回しのほうがいいな。

 なにより図書館と温泉は魅力的過ぎるぜ!

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