幼馴染たちは英雄職の冒険者! 俺だけ無職の冒険者!! ~ 化け物じみた強さを持つ親友たちの裏で俺は最強になるらしい ~
咲良喜玖
冒険者ファミリー希望の星
第1話 冒険者ファミリー
世の中には、皆様のご存じの通り。
天才や英雄と言った人知を超えた超人たちがいる。
剣での一振りで並み居るモンスターを狩れる者。
一個の魔法でモンスターの大軍を葬ることが出来る者。
死の寸前の重傷者を回復させることが出来る者や。
拳での一撃で固い防御を剥がすことが出来る者などなど。
世界の理を越えた者はこの世に存在するのである。
でも覚えておいて欲しい。
そんな超人たちも、俺たちと同じ世界で生きているのだとね。
そして。
稀にだが、一般人の中に、それら超人と自分を比べたりする者がいる。
憧れの対象者として、目指すべき目標にしたり。
あまりにも違うその才能に勝手に絶望したり。
相手の爆発的な才能に嫉妬を起こしたりするなど。
人によっては、色々な感情を抱くのである。
でもそれはきっと。
自分と能力がかけ離れた人物のことを、自分の比較対象に入れていることから始まるのだと、俺は思う。
あの超人たちと自分を比べて、もっと自分もできるはずという慢心や不満。
あの超人たちと自分を比べたとしても、あいつはまだ大した事ないのに評価されやがってという僻み。
そういう対抗心のような思いがあるからこそ、自分と相手を比較できるのだ。
だが、この俺。
普通の一般人ルルロアはそこら辺が違う。
俺は、彼らの才を妬んだり、憧れたりしない。
正負の感情をまったく抱かない。
なぜなら、俺は自分を持っている。
俺は自分の価値基準で行動を起こし、自分の評価は自分でする男だから、超人たちに嫉妬も妬みも憧れも抱かない。
そもそも俺は、彼らを支える縁の下の力持ちになれれば、それだけで幸せだと思うタチなのだ。
傍観者でありながら、影ながら応援する。
彼らの応援団の団長と言ってもいい。
なぜなら俺は、彼ら超人の友だからだ。
◇
冒険者になったのであれば、一度は達成してみたいと思う難関クエストがある。
それが三大クエストと呼ばれるものだ。
四大陸の最高難易度のダンジョンを制覇する。
『四大ダンジョンの制覇』
人類が何度挑んでも失敗し続けている世界に北に存在する五番目の未知の大陸。
『魔大陸の踏破』
世界に存在する最強無慈悲の自然災害のようなモンスターの撃破。
『三大魔獣王の撃破』
細かく分けると八つあるクエスト。
これらは、一つでも達成することはできないと言われていた。
そして、全てを達成するなど、人類にはほぼ不可能であろう。
難しさの頂点に至るクエストたちである。
しかし、そんな難しいクエストの中で、四大ダンジョンの一つをクリアしている俺たちは今、もう一つの四大ダンジョン制覇に挑戦しているのだ。
これは世界の五大陸の内にある。
四つのダンジョンを攻略せよという話なのだが。
ここに至る道のりは果てしなく遠いのではなく難しい。
なぜならモンスターの強度が他のダンジョンと違い、さらにダンジョンの構造も複雑怪奇のギミックがあるのだ。
並大抵の冒険者では返り討ちにあい、先へ進むたびに心が折られる。
そして、心が折られた者から脱落していくのだ。
俺たちはそんな激ムズダンジョンに再び挑戦している。
命知らずな野郎どもなんだ。
◇
ここは、四大ダンジョンの一つ。
迷宮ダンジョン『バイスピラミッド』
複雑な迷路のような道に苦戦しながら、俺たちは最奥にまで到達した。
残すところはここにいる主だけだ。
俺たちというには複数人存在している。
そう俺たちは、冒険者たちが集まってできる『ファミリー』と呼ばれる組織を結成している。
冒険者ファミリーの『
冒険者ギルドに登録しているファミリーの中でも最高クラス『Sランク』に到達しているのが、俺の所属しているファミリーだ。
実質ギルド加入のファミリーで最強格の俺たちは、バイスピラミッドの最奥にて、デスジャイアントキラーアントと呼ばれるクソデカくて、動きが気持ち悪い。
めっちゃ足の速い蟻と戦ってる。
縦だけじゃなく横にも速く動くので、かなり気持ち悪いんだ!
あと、なんだよ。デスとキラーって。
安易じゃね? 子供じみてる!?
こう思ったのは皆には内緒だ。
相手にしねしねって小さな男の子が口喧嘩して言っているんだと思うようにした。
俺は頭の切り替えは早い方なのだ!
◇
戦いは数分で熾烈を極めていた。
「レオン! 離れな。うちの後ろに来い」
透き通った海のようなクリアブルーの瞳と髪を持つ大賢者ミヒャル。
彼女が最奥のボスと戦っている最中に仲間に叫んだ。
慌ててはいないが切迫した声で仲間を自分の後ろに呼ぶ。
「おう! ミヒャル、なにすんだ!?」
「…うちが、魔法をぶっ放す!」
「わかった」
敵と真正面で対峙していた勇者レオンは、指令を受けてすぐに動く。
彼の黄色い髪が素早くジグザクにミヒャルの方へと動いた。
それがまさに稲妻のように見えて、その動きの鋭さに勇者たる強さを感じるのだ。
勇者レオンは素直に言う事を聞いて、大賢者ミヒャルの背後に入った。
「イージスも、エルミナも。うちの後ろに来い!」
「うん」「はい」
防具をつけない。
武器を持たない。
白髪の仙人イージスもミヒャルの背後に入り。
碧と純白を基調とした聖なる服装の聖女エルミナもミヒャルの後ろに行くと。
すぐに聖女エルミナが魔法を唱える。
なぜなら、目の前の蟻が大きく息を吸い込んだからだ。
「……攻撃を拒絶します。プロテクトウォール」
聖なる白光が四人の周りに集まり、敵の酸ブレスを防いだ。
周りの土は溶けていくが、彼女の魔法のおかげで四人は無傷である。
「ナイスだ。エルミナ! 次はうちがいく」
大賢者ミヒャルは、折れ曲がった形をしている杖をかざして、魔法を唱えた。
「……苦しめ! ランダムフォース!」
火、水、風、土。
大賢者ミヒャルの魔法は、四属魔法をランダムで連射する極限魔法。
大賢者である彼女しか扱えない特殊な魔法だ。
デスジャイアントキラーアントは・・・。
いや、通称デスジャイアンは、魔法の効果によって。
火で焼かれたり、風で切り刻まれたり、土に挟まれたり、水に溺れたりと、種類の違う攻撃に悪戦苦闘。
最終的には息が苦しくなったらしく、無表情っぽい顔を苦しそうな顔に変えて、大きく後ろに下がっていった。
まあ俺には、顔色は分からないけど、黒光りしている皮膚がちょっと青くなっているように思う。
その隙を逃さないのは垂れ目の仙人イージス。
得意の瞬間移動の様な動きで、大賢者ミヒャルの真後ろから一気に敵の前方に出た。
しゃくれたような口を持っているデスジャイアンの顎を蹴り上げた。
「…ふん! ふんふんふん・・・・ほい!」
跳ね上がった顔の下をずっと叩く彼は、相手の装甲をぶち破っていく。
皮膚が剝げていくように黒い皮が飛び散っていった。
「よし。イー! 下がってろ! 俺がいくぜ! 決着をつける」
「・・・うむ!」
イージスが頷いた。
その後。すぐに勇者レオンが攻撃準備をする。
力を最大限高めて、全ての力を剣に注ぐ。
「はあああああああああああああああ」
剣が七色に輝き、デスジャイアンの頭上に飛んだ。
「くらえ。
自分の名前がついた必殺技を恥ずかしげもなく叫んで、勇者レオンはデスジャイアンを倒した。
真っ二つになった体を見届けて敵に背を向ける。
三人は彼の元に駆け寄った。
「やったね。うちら。倒せたじゃん」
「そうですね。私たち、よく出来ましたよね」
「・・・うん・・・」
「ああ、俺たちって最強だな。ははははは。この調子なら三大クエストの全制覇……できるんじゃないか!」
「そうかもな。うちらならさ」
「まだ、四大ダンジョンの二つ目を攻略しただけですよ。レオン! 調子に乗りすぎですよ」
「・・・眠い・・・」
「そうか。帰ろうか!」
こうして、伝説級のジョブを持つ四人は力を合わせて、バイス迷宮の主デスジャイアンを倒しましたとさ。
めでたし。めでたし。
◇
って。俺が出てきてないじゃないか!
と言いたいそこの人。
分かってますよ。
これから説明しますよ。
俺もこの場にちゃんといますからね!
忘れないでくださいよ。
俺の名前は、ルルロアですからね!
◇
この時の俺を説明する前に、俺たちの紹介を少々。
俺たち『
俺たちのファミリーは、結構大所帯だ。
特級冒険者―――四名。
一級冒険者―――十名。
準一級冒険者――十名。
二級冒険者―――三十名。
三級冒険者―――十名。
四級冒険者―――なし。
の計六十五名である。
この内このダンジョンに連れてきたのは準一級まで。
二級だとしんどいはずと、英雄の四人と俺が判断した。
『あれ、名簿の中に一名足りないでしょ』とお思いのそこのあなた。
その一名は俺です。
俺だけ他と特殊であるから除いていました。
俺は、準特級冒険者というランクで、意外と強い人物である。
ちなみに準特級とは、特級と一級の間のランクのことだ。
この冒険者ランクというものは、その人の功績や実績、そして何よりその人間が持つ職種が重要となっている。
だから高ランク帯の職業を持つ人間は冒険者ランクも上がりやすい。
そして、俺はこの冒険者ファミリーの初期メンである!
だから、功績や実績は彼らと同じで抜群なのだが、いかんせん俺の職種が足を引っ張る。
なので俺は準特級で留まっている。
功績があるのに留まるレベルの職種? どんな職種だよ!?
っと、そこにお気づきのあなた。
俺の職種がどんなものなんだろうとお思いだろう。
そこで俺は恥ずかしげもなく言おうではないか。
俺は・・・俺の職種は・・・『無職』だ!
この世界で、俺の他に会ったことのない。
滅多にいない超激レア職業『無職』の男なのだ。
ここはもう開き直って自慢しよう。
世界に無数ある職業の中で、唯一無二の職種である!
デデン!!!!!
◇
迷宮の主と戦う少し前。
デスジャイアンの部屋に入ってすぐに俺は異変を感じた。
だから俺は四人に忠告した。
横並びに先頭を歩く四人のすぐ後ろが俺だ。
そして、一級冒険者、準一級冒険者らが俺の後を歩いてる。
だから一番安全圏にいるのが俺だ。
そこの位置のには、少しだけ理由があるがこれは後回しにしておこう。
「レオ。ミー。エル。イー。なんかここ・・・変だ」
「なに? ルル。どうした?」
「ん、なんか感じるのか? うちには分らんぞ」
前を歩くレオンとミヒャルが俺の方に振り向いた。
「そうだな。くんくん。匂いもある。匂いが一つじゃないんだ・・・無数あるな」
「本当ですか。ルル!」
なぜかエルミナは嬉しそうに俺に近づいてきた。
「ああ。エルは感じないのか。聖女の力でさ」
「・・・んん。相手に邪気がないかもしれません。感知できません」
「そうか。邪気がないなら聖女の力も届かないか。純粋な心持ちなのかな。ここの魔物はさ」
エルミナは困った顔で俺に話しかけてくれた。
カワイイ。
って思ったことはみんなには内緒にしてください。
「・・・おら・・・感じる。気配」
「イー! 仙人の力で感じるか」
「うん。ルルが言ったように無数いるよ。部屋の壁にいる」
「そうだよな。よし。部屋の奥にいったら、お前たちで戦えるか?」
俺は空洞のようになっている部屋の奥を指さした。
おそらくそこがここのボス。
デスジャイアンがいる場所だ。
四人は頷くと気合いが入った表情をした。
最初にレオンが俺のそばまで来て肩を叩く。
「わりいな。ルル・・・お前、ここのをやるんだな」
「ああ。まかせとけ。お前たちの邪魔はさせん。後ろを気にせず戦えよ」
「くそ。いつも損な役回りばかりを・・・お前にさせてばかりだな・・・すまん」
「なに、気にすんなって。俺はお前たちが有名になってくれて嬉しいくらいなんだぜ。俺の自慢のみんなだ!」
「くそ。相変わらず、お前はいい奴すぎんだぜ。うううう。いい奴すぎて泣けてくるぜ。そうだ! あとで、酒場で女を引っ掛けような!」
「ええ・・・それは嫌だな。いっつもお前にしか女が靡かないじゃないか。俺はモテないんだよ。モテたことがないの。モテたいのに!」
「こんなにいい奴なのにな。女って見る目ないよな。お前ってカッコいいのにさ。はははは」
レオンは気さくに笑顔で俺とやり取りしてくれる勇者である。
陽気でお茶目で、女好きで浮気性の勇者だ。
めっちゃ珍しいタイプの勇者なのである。
次にミヒャルが来た。
「おい。ルル。うちらの所にモンスター通したらただじゃ置かないぞ」
「はいはい」
「返事は一回。いつも言ってんだろ」
「へいへい」
「チッ・・・・・ルル、気を付けるんだよ。怪我すんじゃないよ」
「はいはい。心配性だな。お前は・・・俺のお母さんか!」
「ば、馬鹿! 誰が心配性だって。とっとと仕事しろよ。無職が」
「はいはい。安心しろ。お前の背後は必ず守ってやるから」
「・・・・ふん!」
お母さんみたいな口調をしたミヒャルは顔を赤くして照れた。
彼女は、泣く子も黙る魔法のスペシャリスト『ツンデレ大賢者』である。
人一倍ある優しさを口の悪さで隠すタイプの女の子だ。
「よいですか。無茶はいけませんよ。ルル」
「うん。わかってるよ。エル」
超絶美人エルミナは、両手で俺の頬を包み込んだ。
柔らかな表情の彼女が光り輝いていて、俺の目には彼女が女神に見えた。
「それは本当ですね。あなたはいつも私たちの為に・・・無茶をします。絶対に無事でいてください」
「ああ。大丈夫だよ。俺は俺のやれることしかやらないのさ。だから無茶はしたことないよ」
「そうですか。では、神のご加護を」
と言って、彼女は自分のおでこを俺のおでこにぶつけて祈った。
お祈り方法……これで当ってるの?
って思ったことは内緒にしよう。
聖女の祈りなのだ。
何かの効力があるに決まっている。
「ルル!・・・頑張れ!」
「おう!」
「・・・・眠い・・・・」
「おいおい」
万年寝不足の垂れ目垂れ眉で白髪頭のイージスが、俺を応援してくれた。
フラフラになりながら俺の胸をコンと叩く。
頑張れ!
言葉じゃなく、態度でも示してくれた。
そんなイージスは、最強の肉弾戦闘を誇る仙人である。
素早さ、攻撃力、防御力が素で世界トップクラスの実力者となる超絶レア職種の男である。
何をしてもやる気ないのに、才能は抜群なのだ。
「じゃあ、後ろは任せてくれ。俺たちが食い止める」
四人が奥に行くと異変はすぐであった。
◇
デスジャイアンが四人の前に出現。
すると、俺の想像通りの展開となった。
部屋の半分の壁がバキバキっと音を立てて割れる。
壁だと思われた場所は、蟻の巣の出入り口だった。
わらわらとジャイアントアントの群れが出現したのだ。
「気配の正体は、こいつらか。よし、やるぞみんな! マールダ。フィン。一級と準一級の前列後列で戦列を整えてくれ」
「・・・はっ」「・・やります」
蟻の群れは個体では強くない。
大体、二級冒険者一人でも倒せる。
だが、数が異常。
数百は一度に出てきたのだ。
「数が多い。みんな。上手く休憩を取ってくれよ。継戦しないと駄目だからな」
俺の指示を皆が聞くと。
「なんであいつに指示されなきゃ」
「あいつ無職だろ」「出しゃばりなんだよな。あいつ」
「うぜえ」
仲間からの陰口が飛んでくる。
正直、目の前にいるイカツイ顔したジャイアントアントよりも攻撃力が高い。
心にちょっぴり悲しさが響く。
「右! ハイスマン! お前は突出し過ぎだ。疲れが出ちまう。一旦引け」
「うるさい雑魚! ここは倒せるうちに倒すんだよ。無職は黙ってろ」
重戦士ハイスマンは俺の意見を無視してジャイアントアントの群れの中に入った。
一級冒険者である彼は、囲まれながらでも最初は余裕で倒していくが……。
「駄目だな。あれは息切れを起こすわ。みな! 持ち場から動くなよ。俺が助けに動く。だから、みんなは強さを発揮しなくなるからな。気をつけろ」
俺の指示を聞くと。
「あいつがいなくなって俺たちが弱くなるって。そんなのあいつの思い上がりじゃん」
「そうだ。無職が出しゃばんなっていうんだよ」
「うぜえわ。まじでうぜえ」
皆の影口は加速する。
でも俺の足も加速する。
ハイスマンを囲んでいるジャイアントアントの中に俺は入った。
「ハイスマン! 下がれ。俺がここで戦う」
「う、うるさい。俺が全滅まで持っていくんだ!!!」
「はぁ。いいから! 下がれよ! 馬鹿が! 一人の無茶が全体を駄目にすんぞ。ほれ!」
俺はハイスマンの襟を掴んで、戦列の後ろにまで投げ飛ばした。
筋骨隆々のハイスマンは、目を丸くしながらお空を舞った。
「はぁ。じゃあ、俺が一瞬だけ暴れるぜ。ハルスマンは重戦士だったな。じゃあ、いくぜ!」
俺は自前のアイテムボックスから巨大な斧を取り出して構える。
ジャイアントアントの鎌のような手の攻撃をジャンプで躱して、ジャイアントアントの頭に向けて斧を振り抜く。
「くらえ! こいつが、重戦士の『重打』っていうもんだぜ! ハイスマン! 俺のを参考にしな!」
「ぎゅううううあああああああああああああ」
ジャイアントアントは絶命した。
「そんでこれが、重戦士の『旋風』ってやつだ!」
俺は自分を中心に斧をグルグルと回して、一気にジャイアントアントを数体屠った。
ここで、チラッと仲間を見るとジャイアントアントの群れに押され始めていた。
数で押し切られそうになっている。
「クソ。だから言わんこっちゃない……俺がいないとな。みんなは力を発揮できんのだよ。ああもう」
俺はすぐに戦列に戻り、指示を出す。
「ほれ。左、スイッチしろ! 今の前線はすぐに休憩だ。右は、そのままでいい。まだ戦える。中央は疲れが出始めている。三分後に交代だ!」
こうして俺が指示を出し続けた。
俺の指示を嫌々聞いている仲間たちは、この後は見事に敵の攻撃を防ぎきり、あの四人の背後を守り切るのであった。
数百はいたはずのジャイアントアントは、一匹も残らずにこの場で消滅したのである。
「よし。これで終わりっと・・・そろそろ、あっちもかな・・・」
俺は手の汚れをはらって、俺の何よりも大切な家族たちを見る。
四人は真っ二つになっているデスジャイアンの前で談笑していた。
やはり俺の家族は超人たちだった。
攻略の難しいバイスピラミッドの主をたったの四人で倒してしまうのだから。
こうして、伝説級の四人の偉業を、影ながら支えていたのはファミリーの俺たちであったのだった。
だから、俺は仲間の偉業をそばで支える応援団長みたいなものである。
人呼んで、『名脇役のルル』である。
と、誰からも呼んでもらえないので勝手に呼称している!
俺は縁の下の力持ちになれればそれだけで幸せなんだ。
――あとがき――
これも以前書いた物を再編集してます。
体調が戻るまでは以前より先に行くことはありませんが、これもしっかり物語を描いていきたいですね。
ラストまでは構成は出来ているので、文章をまとめるだけの作業が大変であります。
文の才があればと思う毎日であります。
それでは、楽しめる作品になるように、無理せず頑張っていきます。
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