「白痴」ドストエフスキー(河出文庫)

 私はこう思いました。


「これは図書館で借りるだけに事足りない。絶対に文庫本を買って、自宅に置くべし。」と。


 それほどまでに独特な言い回し、実物以上に生き生きとした人間、どう転ぶか読めない物語、どの部分をとっても「最高級」が爆裂しています。

 中でも、エキセントリックな女性たちが強く美しく、そして哀しいのです。日本人は大人しさについては一級品ですから、なかなかこのような人間はいないと感じます。そこへ本作品を読んであえて触れることで、織れる物語の絵柄も増えるでしょう!


 ドストエフスキーは人間を書く力を身に着けた大天才で、私は本当にそれに打ちのめされ、この力が欲しいと切望しております。できるだけしつこく長生きして学び続けることで、彼の千分の一くらいには食らいつきたいものです。


 同じくドストエフスキー好きの同志より、「訳者によって趣が違う」という意見を聞きました。何度も訳されている作品ですから、ぜひとも読み比べをしたいところです。

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