ネタバレなしの読書感想

「罪と罰」ドストエフスキー（新潮文庫）

「罪と罰」

ドストエフスキー

（新潮文庫）

　人間とはごちゃごちゃ考える生き物であると思っています。それが描かれていて、なんだか有頂天になりました。魅力的なロシア的登場人物たちの行動の裏が逐一、丁寧に説明されていて、数学の問題の解答に途中式の記載があって嬉しく思ったときのような感覚です。

　人生がどうなるか分からないように、明日のことも分からないように、先の読めない運びがてんこ盛りで、まさに社会を理解している人間が書いた一冊だなと感動しました。

　場面の切り替わりは丁寧にやらねばなりませんね。著者の頭の中では見えていることも、読む側にしてみれば全くの暗闇ですものね。それをこの本からも学びました。私は話を端折る癖があるので、いけんなあと。これからも頑張ります。