趣味の話~いよわソングを布教したい~
てゆ
一曲目 きゅうくらりん(前半)
僕はいよわさんの曲が大好きです。このシリーズでは、その中でも特に好きな曲たちを布教したいと思います。一曲目はきゅうくらりんです。
・歌詞について(個人の考察なので、食い違っても怒らないでください)
(歌詞ではないが、MVでは7時5分に目覚まし時計を止めている)
「うるさく鳴いた 文字盤を見てた」
主人公の女の子(以下、くらりちゃんと呼ぶ)が、鳴っている目覚まし時計を見ていますね。MVを参考にすると、目覚まし時計を止めたのは7時5分なので、くらりちゃんは、それよりも前に起きていたことになります。
「きっときっと鏡越し8時過ぎのにおい しらけた顔変わってなくてよかった」
ああ、お母さんが遅めの朝ごはんを食べている匂いがする……もう8時すぎ、そろそろ起きようかあ。よっこいしょ(起き上がって鏡を見る)。ああ、今日も相変わらずのしらけた顔。変わってなくてよかった。……こんな感じです。しらけた顔が変わっていないことに喜ぶということから、くらりちゃんは、「変化」を嫌っているということが伝わってきますね。また、8時すぎってことは、二度寝しちゃったのでしょうか?
「ピンクの植木鉢のぐちょぐちょした心のそばに 大きく育ったもの 結ばれたつぼみが こんなにも愚かしい」
ピンクの植木鉢のぐちょぐちょした心。なーんか歪んでいて、気持ち悪いイメージがありますよね。そして、そのそばに大きく育ったものの、結ばれたつぼみ……この時点ではまだわからないのですが、これは恋心です。人を好きなるのは素敵なことだと思うのですが、くらりちゃんは、自分にせっかく生まれた恋心を、愚かしいと言っています。
「ああ化石になっちまうよ ああ取り繕っていたいな ちゃんと笑えなきゃね大した取り柄も無いから」
はい、サビです。自分のことを大した取柄もないと卑下していて、だからせめて、ちゃんと笑えなきゃと思っています。「化石になっちまうよ」は、ちゃんと笑えないと、化石みたいになんの表情の変化もない、つまらない人間になってしまうという意味だと思います。
「空っぽが埋まらないこと 全部ばれてたらどうしよう ああ あなたの右どなり わたしきゅうくらりん」
「心が空っぽなこと」じゃなくて、「空っぽが埋まらないこと」なのが辛いですね。ここでいう「あなた」は、くらりちゃんの恋人のことだと思います。大好きなあなたに、空っぽが埋まらないことが、全部ばれてたらどうしよう……あなたの右どなりを歩きながら、そんなことを考えます。そしてその結果、「きゅうくらりん」というタイトルにもなった言葉が生まれるんですね。「きゅう」という締めつけられる感じ、どうしたらいいかわからなくて、頭が「くらりん」となる感じ。それらを合わせて、「きゅうくらりん」です。
「例えば今夜眠って 目覚めたときに 起きる理由がひとつも 見つからない 朝が来たらわたしはどうする?」
「起きる理由がひとつも 見つからない」という言葉からは、くらりちゃんが毎朝、目覚めた時に起きる理由を探しているのがわかりますね。「どうするって、どうもしなくていいよ。起きる理由が見つかるまで寝てたらいい」なんて、励ましてくれる人を、くらりちゃんは見つけることができませんでした。「きゅうくらりん」を聴くと、つくづく人に頼るって大切なんだなと思います。
「うるさく鳴いた 文字盤を見てた 一歩一歩あとずさり「また明日ね」とぽつり
喜びより 安堵が先に来ちゃった 思い出西日越し うつるこまかなヒビが こんなにも恐ろしい」
うるさく鳴いた目覚まし時計を見ながら、くらりちゃんは、下校中にあなたと別れた時のことを思い出しています。大好きなあなたと一緒に帰れたのに、喜びよりも安堵が先に来てしまいます。「また明日ね」と約束したことで、明日を生きる理由ができたからなのか、もう無理して笑わなくてよくなったからなのかは、わかりません。こういったあなたとの西日越しの思い出、つまりあなたと別れるときの思い出にうつる、こまかなヒビ。それがいつか大きなヒビになって、壊れてしまうのではないか。くらりちゃんはそのことが怖いのです。
「ああ あなたが知ってしまう ああ取り繕っていたいな ちゃんと笑えなきゃね大切が壊れちゃうから 幸せな明日を願うけど底なしの孤独をどうしよう もううめき声しか出ない わたしぎゅうぐらりん」
「きゅうくらりん」が、「ぎゅうぐらりん」になっています。「空っぽが埋まらないこと」がばれそうになってしまったのでしょうか。説明する言葉も要らないくらい、ストレートに苦しみが伝わってくる歌詞です。
長くなったので、後半に続きます。いやー、本当に天才ですね。万歳三唱しましょう。ちなみに、空から降って来る7連発くらりちゃんの中で、僕が一番好きなのは3発目のくらりちゃんです。振り向いてるやつ。本当にかわいいです。
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