やっぱ母ちゃんはすげぇや!

 母の文才、恐るべし……!




 前回、「私もラノベを書くぜ、ウェーイ!!」みたいな感じで、書き始めたんですが……いやぁ、やっぱり台詞回しって難しい!

 説明回などで、「こんな説明したいけど、語彙力なくて書けない……」とか、「言い回しがくどい……」と困ってます。

 パソコンの画面と、何も書かないまま睨めっこしまくりです。


 例えば、こちらの台詞。

「私、ロック鳥にうまく乗れないんです。扱いが難しくて、毎回振り落とされちゃうんです……」


 こちら、主人公の女の子がロック鳥に苦手意識があることを伝える文章。

 しかし、『うまく乗れない』だけだとロック鳥に乗りたくない理由が薄すぎるかなぁ、と思ったのです。だから、他の理由も入れたい……でも、後の展開と合う理由が思い浮かばないよぉ!


 ……と、困っていたら。


「困っているようだな、娘よ!」


「は、母上?! なぜここに!」


「家族なんだから、同じ家にいるのは当たり前だ!」


「あ、確かに」


「そんな事より、その台詞、ワタシが直してしんぜよう! 貸してみたまえ!」


 母はそう言ってパソコンのキーボードをカタカタ。


〜30秒後〜


「できたぞ!」


「まっ? 早くね?」


 読んでみると、こんな仕上がりになっていた。

「……私、ロック鳥に上手く乗れる気がしないんです。子供のころ一度乗せてもらったんだけど、振り落とされちゃって。それに、お金もなかったから、今までレンタルできなかったです……」


 わー! すげぇ、原型がほぼない!

 でも、こんな感じのが書きたかったんだよ!

 しかも、頭にサラサラ入ってくる、読みやすい文章!!

 しかも、こんなに変わってるのに、この後の展開とも整合性がとれてる!


「どうだ、娘よ! 文芸部の元エースの力、思い知ったかっ!」


「おみそれしやした、弟子にしてください!」


「弟子は面倒だからヤダ!」


 こうして、母の本気を垣間見た私なのでした。

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

母がラノベを書きはじめました。 コチョタイ @amva_sazarrana

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ