かつて卑下して好きな少女を追い求めていた俺、ある日突然目覚めてその少女の追求を諦めることにしたら、結果的にその少女が逆に自分を追い始めたのはどういうことだろう?

@sealking

第一章

第1話 舐め犬、どういう意味ですか?


洗面台で顔を洗ってから、鏡に映る自分を見上げた。


髪が少し乱れていて、見た目は平凡な普通の少年。でも、鏡に映るのは自分と瓜二つだけど、自分じゃないみたいだ。


3時間前、俺は大学の寮にいた。3時間後も、まだ大学の寮にいる。顔は同じだけど、世界が変わり、人も変わった。


「これは平行世界で再び生きることになるのか?」


少し髭のある自分の顎を触りながら、この世界が平行世界であることを3時間かけて確認した。


地球に似ている部分も多いけど、例えば元の地球で有名な芸術品がこの世界には存在しないなど、違う部分も多い。


「でも、突然見知らぬ世界に来たわけだから、これからどう生きていくべきか?」


俺が自分の次の行動を考えていると、水池のそばに置いた携帯電話が突然鳴り始めた。


それはLINE上のメッセージで、星野未来ほしの みらいという名前の女の子からのメッセージだった。


「今日はバレンタインデーを一人で過ごすけど、一緒に話さない?」


消えろ!俺は再び生きて大金を稼ぐ方法を考えているんだ!時間がない!


そう返信したいと思ったが、以前のチャット履歴を見ると、元の持ち主はこの星野未来を非常に気にしていた。


特に星野未来の名前の後には「女神めがみ」というラベルを付けていた。


星野未来女神が送ったメッセージにはすぐに返信していたようで、「今朝は食べた?朝食を持って行ってあげるよ」「その人のやったことは確かに間違ってる、もう怒らないで」といった俺にとっては鳥肌が立つような返信がたくさんあった。


この体の元の持ち主は、まさに無下限の舐め犬だったのか?恥ずかしい!

(舐め犬:中国語のコンテキストで、女性に無下限に媚を売り、女性の前で非常に卑屈な態度を取る男性を指す。)


星野未来女神を削除しようと思ったが、少なくとも備考欄の「女神」を消して「星野未来」に変更しても良いかと思った。


しかし、俺が返信ボックスをクリックしたとき、目の前に一行の文字が浮かんだ。


「恋愛報酬システムがバインドされました」

「ホスト:桐谷秋きりたに あき

「新規攻略対象:星野未来ほしの みらい

「このシステムは、攻略対象の行動に対して報酬を提供します。攻略対象を成功させるまで、目標を攻略に成功したら、何の報酬も得られなくなります。」


この行を見て、俺は瞬時に歓喜に包まれた。


やはり、新しい世界に来たなら、これは必須の福利だ!


でも、この恋愛報酬システムって一体何?


「恋愛報酬…攻略に成功した後に報酬がもらえないということは、簡単に言うと、これはまさに舐め犬システムじゃないか?」


俺はすぐにこのシステムの遊び方を理解した。単純明快に目標の女の子を舐めることで強くなるが、目標の女の子が一旦俺の告白を受け入れたら、全てが無に帰す!


だから、程度をうまくコントロールし、目標の女の子を追いかけつつ、目標の女の子が俺の告白を受け入れることがないようにする必要がある。


「そのまま舐め犬バックアップシステムとでも名付けたらどうだ?」


俺は口ではそう言いつつ、手は止まらず、その星野未来女神に直接メッセージを送った。


「いいよ、女神さま、今日誰もいないなら俺があなたのお供をします。一緒に映画を見に行きませんか?俺が払います。」


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