第1話への応援コメント
拝読させていただきました。
とても不思議な雰囲気のお話でしたが淡々とした時間の流れの中に少し寂れた様子が覗いてとても良かったのです。
一番動きが出るのがヤマモモ酒を口に入れるところかと思うのですが、とても想像を掻き立てられる描写でした。どんな味なんだろう。そしてアルコールが染みわたっていく。
この描写を通じて、イチカに熱が灯ったように感じますが、結局は置いていかれた事を認識して少し内に籠る。
なんというか、悲しむのにも力が必要なのだなぁと思ったのです。
作者からの返信
このお話は、橘 紀里様主催の自主企画【(まだ)存在しない物語の後日談または番外編】に向けて書いたものでした。大体のあらすじと設定を考えて、そのエピローグを書いたつもりですので、説明不足のところが多いと思います。1人取り残されたイチカの心情と、荒れた山の風景と、廃市に差し込む朝日が、この物語の空気としてお読みいただいた方に伝わったらなぁ、という思いでした。イチカ自身、思うところはいろいろあるものの、まずは体の欲求に従った行動を取ってしまう。たまたま見つかったのがヤマモモ酒でしたが、何とか生命をつなぐことができました。「考える」ことは、その後で。「悲しむのにも力が必要なのだなぁ」というお言葉。なるほど確かに、と自分でも納得する思いでした。お読みいただき、ありがとうございました。
第1話への応援コメント
美しい描写と、イチカの目線で淡々と進む物語に引き込まれました。
謎めいた人物が織り成すとてつもなく時間が経過する壮大なスケールのお話と思いましたが、全てイチカの目線で描かれているからかな?と思いました。
イチカにとっては、海辺の廃村は自分を解放し日常から離れた特別な場所のように感じました。
作者からの返信
もう終わってしまったのですが、「架空」の本編を想定して、そのエピローグや番外編を書く、という自主企画の参加作品です。なので、ちょっと分かりにくいところもありますが、その背景を想像していただけたなら……という思いで書きました。いただいたコメントで、壮大なスケールを連想されたようなので、私としてはとてもうれしいです。イチカは一度村へ帰りますが、最終的にはまた村を出るのではないか、と思います。お読みいただき、ありがとうございました。
第1話への応援コメント
企画の方から来ました、初めまして!()
文明社会が半ば崩壊し、人類がその数を激減させて、一部では(イチカのように)特殊な体機能を獲得した亜種みたいな人々も現れてる、といった感じなのかなあと思いつつ興味深く拝読しました。
廃墟で目覚めた後の寂寞とした風景と心象のシンクロ、いいですねえ。とても好きです。外の人間の子を身ごもっていると推測されるミノリが冬眠を必要としなくなるらしい叙述とか、細部のちょっとした情報にも興味を惹かれます。
イチカとミノリの選んだ道の対比に、たぶん「本編」の大きなテーマが隠れてるような感じなのでしょうね。イチカはしばしば外へ出て外界の厳しい部分を知っているから村へ帰る決断をする、対してミノリは、イチカとコウからの伝聞だけなので、外に憧れてコウについていく。ぼんやりとしか知らない方が、世界も未来もより明るいものに見えるのかも……
企画的にはエピローグや番外編なのですけど、どちらかというと第二部への序章、という感じがしました。村の外にもどうやら大きな世界と物語の広がりが待っていそうです。
想像広がる手触り豊かな短編でした、ありがとうございました!(∩´∀`)∩
作者からの返信
こんにちは、初めまして。ほんの少しの記述からいろいろ考察してくださって、とてもうれしく思います。たったこれだけの記述で「文明社会が半ば崩壊し」と、読み取っていただけたところ! この作品が醸す空気で、読んだ方にそれが伝わったらなぁ、と思っていたものですから。その分、人間関係はあまり深掘りしていなくて、いただいたコメントを読んで、なるほど、こんなふうにも物語を広げられそうだなぁ、と創作意欲を刺激される気持ちになりました(笑)。お読みいただき、丁寧なコメントまで、ありがとうございました。
第1話への応援コメント
企画の方からやってきました。はじめまして!
冬眠する種族……世界が荒廃しているのか、なんらかの差別で山奥へ追いやられているのか……本編を読んでもう少し世界を知りたくなるお話でした!
外へ出ていった者と残った者の行く末も気になります。
作者からの返信
こんにちは。本編は大雑把にしか考えていませんが、荒廃した未来の日本っぽいところ(?)という感じで、不思議な一族の住む山間の村から脱走した若者たち……という筋立てでエピローグの部分を書いてみました。静謐な空気感を感じていただけたなら幸いです。私も企画からおじゃまさせていただきました。私も「SF(すこしふしぎ)」とか、好きなのでまたおじゃまさせていただきます。お読みいただき、ありがとうございました。
第1話への応援コメント
モノトーンの、静謐で乾いた空気感が印象的な情景描写です。この手の、キャラの心理と風景とをシンクロさせた描き方はもうすっかり自家薬籠中のものという感じですね。
ただ、率直に申し上げると、今回はそれだけだとちょっと物足りないなと思いました。怒涛のドラマが展開した重量級の本編が終わってのこのエピローグでしたら、それなりに予定調和的かつしんみりした読後感を堪能できるのかもとも思いますが、何があったのかの説明が最低限ですからね……どうも感情移入しようがないと言いますか。せめてこの主人公が、実は自分もコウの子供を宿していて、とかの捻りが一つあれば、単品なりにオチがついて別の見方になるのですが。
読み取れる範囲だと、「本編」もそれほど派手な起伏があったようではなさそうだ、というのも、物足りなさの要因かも知れません。ただ道案内を頼まれて、眠り薬か何か? で置いてきぼりにされた、という、それだけの話のようにも見えます。幼なじみの裏切りに同情してやるには情報が少なく、そういう意味では@sakamonoさんの細やかな描写を重ねるスタイルが裏目に出たのかなとも。
逆に言えば、ここから何らかの要素を加える修正は容易だとも思いますので、その意味では快作の一歩手前ぐらいではあると思います。以上、映像美よりは脚本の出来を重視する派で、かつ色々とネタを盛る方向にしか頭が働かない湾多の意見として、参考にしていだければ幸いです。
作者からの返信
ご意見、大変参考になります。本編に派手な起伏があったように思えないという推測は、まったくその通りで、淡々と静かに進んだ物語のラストシーンといった想定です。本編の方を詳細に考えたわけではありませんが、書くものがいつもそんな感じばかりなので。「細やかな描写を重ねる」という評は、とてもうれしくて、物語を考えるより一つの文章をあれこれいじることが楽しくて、文章ばかりにこだわったりしてしまいます。そうすると大変遅筆になってしまい、どうにかしたいと常々考えていました。最近、もっと「物語」を作り込みたいという欲が出てきています。「実は自分もコウの子供を宿していて」という発想は、まるでありませんでした。なるほど。ネタを盛るとはそういう感じか、と納得する思いです。脚本を重視してネタを盛る方向に頭を働かせる、そんなふうに少しずつ考え方をシフトしていこうかと思いますが……できるかな(笑)。お読みいただき、貴重なご意見まで、本当にありがとうございました。
第1話への応援コメント
この文章、とってもきれいでクリアーです✨ 設定は曖昧なのに言葉にエッジがあって、そうそう、こういう山の中の道なき道を書かせたら@sakamonoさんお手の物だけれど、以前書かれていたような幽玄といった感じとはちょっと違って、もう少し若々しいというか風通しがいいというか。うーん、うまく言えないんだけれど、不思議にいい感じで良かったです。面白い試みですね。
個人的にはヤマモモ! あれ、子供たち皆、「ヤマモモ爆弾」と呼んでました。木の上からぼとぼと落ちてきてアスファルトの上が真っ赤で歩くとぐちょぐちょに……。お酒にしたことは残念ながらありません。当然飲んだことも。なのでお味が気になってしまいました笑。
作者からの返信
文章については、こだわっているつもりなので、そう言っていただけるとうれしいです。確かに書いていて、いつもと違うな? と自分でも感じていました(笑)。自主企画に向けて書いたものなので、その点でもいつもと書き方が違ったと思います。ヤマモモって、結構街路樹や公園なんかにもありますよね。実がキレイでおいしそうなのですが、私も食べたことはありません。お酒も飲んでみたいですね。お読みいただき、丁寧なコメント、ありがとうございました。
第1話への応援コメント
お邪魔します。
まだはっきりとした背景は見えないのですが、何か不穏な感じがします。
小屋の様子や杉林の荒れた感じが見えるようで余計に不安を掻き立てられました。どんな人達のどんな暮らしがあって、イチカに何があったのか、色々考えちゃいます。
作者からの返信
このお話は【(まだ)存在しない物語の後日談または番外編】という自主企画に向けて書いたものでした。大体の物語を考えて、そのエピローグだけを書いたものになります。なので、分からないところが多々あると思いますが、背景を何となく想像できて、一編の物語として何とか取りまとめようとした結果……こんなお話になりました。不穏な空気を感じていただけたならよかったと、ホッとしています。お読みいただき、ありがとうございました。
第1話への応援コメント
コメント失礼します!
冬ごもりの習慣を持つ、山に暮らす種族……という設定がちょっと不思議で、そこに迷い込んだコウの背景や、ミノリとの間にどんな過程があったのかと、大変気になるエピローグでした。
やまもも酒を飲んで実を齧っている時の、味の描写のなさが、イチカの感じている虚しさを一層表すようで、胸を突かれました。
埃っぽい小屋から外に出た時の、鬱蒼とした森に朝の光が差し込む所など、大変良くて、あーやっぱりsakamonoさんの描く世界は瑞々しいなぁと楽しませて頂きました!
もし本編が発生したら喜んで読みに来ます!企画へのお誘いに乗って下さり、とても嬉しかったです。ありがとうございました!!
作者からの返信
コメ返欄のお誘いに、つい乗ってしまいました(笑)。不思議なもので企画のように、何かの縛りのある方が書けるものなのかも? と今回思いました。なかなか新しいものが書けていなかったのに、短時間でするすると書けてしまいました。大体の設定に、こんな感じの本編で……そんな大雑把なことしか考えていなかったのですが。そのくらいの気楽な気持ちで書く方がよいのかもしれません。逆にこのエピローグから本編を発想するという物語の作り方もあり得そうですね。いろいろ学びが多かったと思います。コウがどんなふうに村にやって来て、どんなふうに二人が関係を築いていったのか……。めずらしく暗めのお話になってしまいました。お読みいただき、ありがとうございました。
第1話への応援コメント
またイチカの物語を読めて嬉しいです。
「春来る夜のおやすみ。」の、冬ごもり後のお話かなと思いましたが、ミノリとの関係に変化を感じるので、数年後のエピソードかなと想像しました。
別々の作品で少しずつ作品世界が拡張されながら、語られていない部分の想像が膨らみ、また不思議な心地になる。この感覚がとても好きです。
閉鎖的な村から出たい気持ちはイチカもあるけれど、彼女にとっては村がある種の世界そのものであり、離れようにも離れられないのかもしれないですね。
一方でミノリには外から来たコウという存在ができてしまった。不思議な山暮らしの中で、イチカが心を痛めるのは幼なじみとの関係の移ろい。
私にも分かる孤独を抱えていて、つい感情移入してしまいました。
趣きたっぷりの文章で紡がれる、静謐でどこか不思議な世界観にいつも癒されています。
読んでいると、孤独に寄り添ってもらえるような感覚があります(勝手な感じ方、すみません^ ^;)。
ありがとうございました^ ^
作者からの返信
はい、こちらの話を先に書いていて「春来る夜のおやすみ。」は、前日譚的なものを、という感じで書きました。ざっくりとした背景だけが頭にあって、それにのっとって書いているので、細かなところで辻褄があっていないかもしれません。でも、そんなところも「語られていない部分の想像が膨らみ」と言っていただけると、こんな書き方もありなのかな、と思ってしまいます。ちょっと自分に甘いですね(笑)。どちらの作品も、イチカは一人きりで、他の人物が登場しません。それがほの暗い雰囲気を出しているのかもしれません。「静謐」というお言葉、とてもうれしい。そんな文章が書けたら、といつも思っております。それと、読んだ方が自由にいろんな感じ方をしてくれたなら、とてもうれしいことです。お読みいただき、ありがとうございました。