第2話 投げ文
(場面)楠瀬スミレは
ともはっと「ちょっくら、ごめんよ。・・・おっ、ちょうどよかった。お江戸カクヨムキャンディーズの3人がそろっているね」
ハナス「おやまあ、ともはっと親分じゃないですか。どうしたんですか?」
ともはっと「いやね、また、お江戸カクヨムキャンディーズに知恵を貸してもらいたいことができたんだ」
スミレ「親分、またですかぁ? 私たち、この前もお手伝いしたでしょ」
のこ 「スミレちゃん。ともはっと親分に協力しましょうよ。お江戸の治安を守ることは、私たちお江戸カクヨムキャンディーズの役割じゃないですか」
ハナス「そうよ、スミレちゃん。お奉行所に協力するのは、私たち、江戸の市民の義務なのよ。・・・で、ともはっと親分。今度はどんな事件なんですか?」
ともはっと「いや、それがね。私はある事件を追っているんだが・・・先日、奉行所が、元窃盗団の連中をその事件の犯人として捕まえたんだ。その連中というのは、絵田るしあん、お野菜つむぎ、エリーネルお麻の3人組なんだけどね。・・・私は、どうしても連中が犯人だって思えないんだ。今は、窃盗から足を洗っているしね」
スミレ「絵田るしあん、お野菜つむぎ、エリーネルお麻って、聞いたことがあるわね。・・・えっ、それって、スッポンポンになって悪徳商人から盗みを働く、あの有名な義賊『すっぽんぽん窃盗団』のことですかぁ?」
ともはっと「そうなんだよ。絵田るしあんが首領でね。絵田るしあんは、本名が『るしあん』なんだ。で、彼は妖怪の小説を書いていてね、よくその小説の挿絵として、妖怪のイラストも描いているんだ。だから、いつも『絵だ!、絵だ!』って叫んでいる。それで、『絵田るしあん』と呼ばれるようになったんだ。るしあんは多才でね、江戸でも一、二を争う有名な料理人でもあるんだよ。
お野菜つむぎはね、広大な畑を持っていて・・・いつも、その畑で獲れた野菜を使って料理を作るんだ。つむぎの料理は、お義母さんも大好きでね、いつも、おいしいって食べてくれる。でも、つむぎの嫁いだところが、甘いものが大好きな土地柄でね。つむぎは、甘い甘い茶碗蒸しにビックリしてしまって・・・そのショックで、それから、すっぽんぽん窃盗団に加わったんだよ。
エリーネルお麻は、エリーネルという南蛮の国の出身なんだ。で、エリーネルにある、トワという広場で、ゆで小豆を売っていたんだ。そして、メイリン王国の王子・レオンと恋に落ちたんだが・・・魔法使いのミリアムに邪魔をされてね・・・結局、飼猫リクと一緒に日本のお江戸にやって来たんだよ。エリーネルお麻も料理が得意で、『くきは料理帖』という本を出している」
ハナス「すると、元すっぽんぽん窃盗団の3人は、みんな、お料理が得意なんですね」
ともはっと「そうなんだ。でも、料理が得意な人に悪い人はいないって言うじゃないか。だから・・・元すっぽんぽん窃盗団は、盗みは働くが・・・決して悪い連中ではないと思うんだ。私が不思議なのは、そこなんだよ」
のこ 「(床を探す)えっ、どこ? どこ?」
ハナス「のこちゃん。古いギャグはやめなさい。今どき、そんなギャグでは誰も笑わないわよ」
のこ 「めんご。めんご」
さゆり「そ、そんな・・・・・」
ともはっと「するとね、昨日、奉行所に投げ
スミレ「投げ文ですって?」
ともはっと「そうなんだ。これがそうだよ。・・・(懐から投げ文を取り出す。ハナス、スミレ、のこがのぞき込む)」
(投げ文にはこう書かれていた)
すっぽんぽん窃盗団
〇だらし〇
ヒント:姉ちゃん、あんた、ええケツしてまんな、イヒヒヒヒ
ハナス「えっ、何これ?」
ともはっと「たぶん、元すっぽんぽん窃盗団に関する暗号だよ。で、奉行所でも、いろいろ考えたんだが・・・暗号がどうしても解けないんだ。そこで、与力の、蜂蜜ひみつ様がね、極秘に私に『お江戸カクヨムキャンディーズ』に相談するようにって命じたわけだよ。蜂蜜ひみつ様は、君たちもよく知っているように、何でも秘密主義を徹底する人だろう。だから、私は、この暗号も秘密のうちに解読しなさいってキツク言われたよ。実は、今日の夕方に、絵田るしあんたち3人は、打ち首になることが決まっているんだ」
ハナス「今日の夕方? では、あと、わずかな時間しか残されていませんね・・・」
スミレ「でも、何なの、このヒント? 『姉ちゃん、あんた、ええケツしてまんな、イヒヒヒヒ』・・・って、なんか、いやらしいわね」
さゆり「そ、そんな・・・・・」
ともはっと「そこなんだ」
のこ 「(床を探す)えっ、どこ? どこ?」
ハナス「のこちゃん。いい加減にしなさい」
のこ 「めんご。めんご」
ともはっと「この、おかしなヒントが、さっぱり分からないんだよ」
ハナス、スミレ、のこ「「「(考える)そうですねぇ。う~ん、う~ん・・・💦」」」
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