第2話 大学入学

 私には幼い頃からの夢がありました。小説家になることです。三歳頃、まだ五十音もまともに書けない頃から、私は折り紙の裏に物語を綴っていました。当時はまだ、「め」や「あ」が書けなかったので、小さい頭をこねくり回して、それらの文字を使わないように文章を作っていたのを覚えています。そんな夢があったので「大学を卒業して企業に就職する」というルートが、どうにも魅力的に見えなかったのです。

 そこで私は、大学に入った時に一つ約束事を決めました。

 「大学の前半二年間は、小説家になるために全力を尽くす。その期間で小説家としてデビューできなければ、小説家という夢は諦めて、大学三年生から大人しく就活をする。」

 これを胸に秘めて、私の大学生活はスタートしました。



 

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