第12話

俺は坂を全速力で駆け上がった。それを何本か繰り返してそのたんびにタイムを優花に計ってもらった。何本か繰り返してると下半身が張っているのが分かる。今走り込みは意味ないと言われているが、ピッチャーやはり下半身の粘りやスタミナをつけるのにはやはり走り込みが一番だと思う。長距離を走るのも下半身を強化するもののひとつだ。


「ふぅーこんなもんでいいか」


二十本近く走ったのであとは家で長距離を走ればいいだけだ。そして持ってきたアクエリを飲んだ。これでもっと球速が上がると思うとやった感が出るな。


「中学生のときより早くなってるね」


「そりゃ毎日坂道ダッシュしてるからな」


努力は惜しまない。努力は裏切るときもあるが、努力しなきゃ成功はできないからな。ピッチャー地道な努力が実を結ぶポディションだ。だから俺はこつこつと走り込みをするんだ。スタミナもつくしな。


「それじゃ休憩に入るわ。次は実践登板だから楽しみにしておいてくれ」


全力投球で打ち取ってやる。三振の山も築く。今日の変化球はいつもよりもキレがあるからな。いくらでも三振を取れるだろう。夏にはもっと調子を上げる予定だが。


「うん楽しみにしてるよ」


俺はバックが置いてあるところに着くとアクエリアスを飲んだ。汗かいた時はやっぱりこれだな。水分はまめに取るようにしている。水分は取らないとスポーツをやっているならぶっ倒れる可能性があるからな。ついでに家から持ってきたレモンも食べる。酸っぱくて美味しいな。レモンも好物のひとつだ。

 

そして実践が始まり、俺は二番目に投げるのでブルペンで少し投げていた。肩を暖めなきゃいけないからな。さっき肩を作ったといってももう冷えてるだろうしな。だがブルペンで全力で投げたりはしない。スタミナを使い果たしちゃうからな。


そして一巡して俺の投げるときが回ってきた。俺は肩甲骨ほぐすために軽くストレッチをしてからマウンドに上がった。相手は一番を打っているバッターだ。得意な球はインコースの球だ。だからアウトコースを中心に攻める。礼治もそれか分かっているのかアウトコースにスライダーを要求してきた。要求されたスライダーは高速スライダーでストレート大体同じ早さで急に真ん中付近かアウトコース一杯に曲がるスライダーだ。俺はスライダーを二種類投げれる。もうひとつはぐんと曲がってインコースからアウトコースに大きく曲がるスライダーだ。


俺は足を上げて左足を斜めに着地して体を思いっきり捻って投げた。するときゅっと曲がって空振りをしてアウトコースに決まった。実践でも空振りを取れるな。そのあとはアウトコースを中心に投げて追い込んだ。カウントは2ストライクツーボール次はスプリットか。


俺は肘からだしてそこから切るように腕を振って投げた。するとボールは打者の目の前で落ちて空振り三振を取った。それから合計六人に投げてヒットせいのあたりは一つもなかった。


投げ終わり汗をぬぐいながらマウンドを降りた。何か汗をぬぐいながら戻ってくるのってかっこいいよな。イケメンになった気分だ。これがハンカチ王子の気分か。なかなかいい気分だ。キャッチャーを交代して、礼治がやってきた。


「なかなかいい球来てたぞ。これなら再来週の試合で投げれるんじゃないか」


「そうだな。テスト週間で鈍らないように投げ込みをしておくわ。再来週の試合は重要だからな」


多分投げるとしたら短いイニングだろうが。そこで結果を残せばベンチ入りも見えてくる。きっと礼治もベンチ入りするだろう。相性的に俺と一番いいのは礼治だし。


「それがいいな。それじゃ俺は柔軟しに行くが、一緒に行くか?」


「そうだな、柔軟は大切だからしに行くわ」


まだみんなバッティングなどをやっているが、俺達の役目は終えたので俺達は外周を軽く回ってから邪魔にならないところで柔軟をし始めた。やっぱり間接が柔らかいとスポーツはどれも有利になるな。


俺はそう思いながら股関節などを重点的にする。そして終わると、俺はバックが置いてあるところに戻ってきた。そしてアクエリを飲んで、他の人のバッティングをみていた。やっぱりこのチームの弱点は攻撃だな。速い球についていけてない。


「それでどう思うよ。弱点は」


礼治が隣に座った。それでバッティングをジーと見ながらそう言った。


「やっぱバッティングだろうな。無駄が多いから最短距離でバットがでてないから速い直球に対応できてない。これじゃ強豪校と当たったとき打てないぞ」


まぁその分変化球は得意なんだかな。だが弱点を見つけられたら終わる。何とか対策をした方がいいと思うが、俺みたいな一年が言ってもいうことは聞いてくれないだろう。どうするかね。


「やっぱそうだよなぁー。先輩達がいうことを聞いてくれるかどうかだよな」


「だが俺達の一個上の先輩は直球打てるし、今年の秋期大会に期待をするしかないな。それにこの代は才能ある部員が揃ってるし」


「それじゃ夏は諦めるしかないか。やっぱどっかのタイミングで甲子園に行きたいものだな」


優花が入ってくるときには強豪校にしたいものだな。甲子園でピッチングをしている姿を見せたい。















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