逆転生女騎士パパ活女子に拾われる

黒金 影輝

第1話 変な女が全力で私のパパ活を邪魔してくる

 私の名前は、売場甘寧(うりばあまね)街中でパパ活をしている20才の女子だ。

 今日も、汚ならしいハゲた太ったオッサンとデートをしながら金を貰っている。

 だけど、私は不幸じゃないんだ。

 だって、私には好きな人ホストとか地下アイドルだけどいるから、それもとある出来事で変わっていった。

 ちょうど、その話を思い出した。



 あれは、何時ものように夜遅くの事子供とか老人とかは寝静まったそんな時間。

 私は、加齢臭のしたブランドを身にまとい如何にも、何処かの社長でパパ活の常連の相手をしていた頃。

 路地裏では、変な噂が立ち近付かない社のある神社につい私は、吸い寄せられるように歩いていった。

 何か、目に見えない人の力で押されてるような。

 どうってことのない、小さな古い誰もきた痕跡のない社だと言うのに、歩みを止められない。


「バイバイ! また、今度ご利用よろしく!」


「ちょっと! おい! ……ははは……まあ、仕方ないな……また、今度にするね。甘寧ちゃん」


 私は、お客であるおじさんそっちのけで体が自然と動いてしまう。

 おじさんは、何度も私を説得しようとするも私は全く聞き入れない。

 何か、とてつもない運命的な推しのアイドルに会えた、あの時のようなそんな衝撃と似たような物を感じずにはいられなかっただから。

 

「プシュ~……ボン!」


「!!!」


 私は、破裂音に驚き腰を抜かし尻もちをつき、どうにか事態を把握しようと周りを見てみるも、何もなくて社から煙が立ち上っていた。

 思わず、勢いで社の扉を開こうと必死に指に力を加えてみるも、なかなか開かない。

 何で、自分でもこんな意味不明な行動にでるのか分からなかった。

 私は、そうしなければいけないそうしなければ一生後悔するような気がしてならなかった、何かに取り憑かれたように扉に執着する。

 中に、絶世の美少年でもいるのかとワクワクする、だがそんな期待は淡く消し飛ぶ。

 まるで、空に上がったシャボン玉が破裂して無くなるように。


「はぁ……はぁ……ここは……何処だ?」


「はぁぁぁぁ!? あんた誰よ!!」


「私の名は……アーシア・キュリア……王国を守り、魔王を倒し世界を平和にして救う騎士だ」


 私は、この女が何を言ってるのか全然分からない。

 中二病って奴なのだろうか、腰に鞘のような物をぶら下げて剣のような物が納められていた、しかも持ち手もちゃんとホンモノと見間違えるほど、体には鉄の鎧を着ていて月の光が差して少しばかり照らす。



 アーシアと言う、中二病っぽい女は社から出てちょうどそばにあった、街灯の狭い光が当たりよくみてみると、金髪のパッチリ二重の可愛いと言うより美しい顔がシュットした、女の子が自分の目の前にいることに気付く。

 明らかに、変な鉄の銀色の鎧を着ており不審者っぽいのだが、それを差し引いても綺麗なスマートな体型と、大きな胸とが目立つ。

 私は、絶望した世の中には別次元の美しさを持った、女性がおりそれには絶対敵わないってことに。


「それより……ここは、見たことのない町のようだが……」


「ああ……ここは、眠らない町……そして、誰もがすさんでいて信用してはならない。ここで、生き残るにはそうしなければならない」


 私は、アーシアに町の事を説明する。

 アーシアは、それを聞きながら眉間にシワを寄せて、手のひらを顎に当ててうつむき険しい顔をして考え込んでいた、真面目な性格なのであろう。

 しかし、自分でも分からないアーシアに話をしようとしたことも、別にイケメンでもないのに彼女に関わりたいと思うことも。


「それより……君は、子供か? こんな、夜遅く外にいてはダメじゃないか? さっさと寝なきゃな」


 私は、アーシアの言葉に苛ついた。

 子供扱いされたことではない、背が低い為にガキに間違われたそのことに。


「私は……大人だわぁぁぁぁ!! バカにしてるのか! そう言うあんたは、どうなのよ!」


「ああ……私は、17才だ……君より、三才歳上だ」


「私は、20才よ!! と言うか、あんたの方がよっぽどガキじゃない! 大人を舐めるんじゃないわよ!」


 アーシアは、私に手のひらを向けて笑いながらまあまあと言いながら機嫌を取ろうする。


「すまない……私の国では、170センチメートル越えてなきゃ、大体子供なものでな」


「そうそうに……チビって言うんじゃないわよ! 確かに、私は150センチメートルしかないわよ! でも、れっきとした大人だわ!」


「う~ん……何か、魔物に呪いでもかけれたか?」


「元からよ!! しかも、呪いなんてないわよ! ふざけてるの!?」


 アーシアは、大真面目で言っていた。

 表情から、それは読み取れたが私は信じられなかった、とてもじゃないが魔法とか魔物を剣で切り裂いて倒していたとか言っていたので。



 アーシアと私は、泊まるホテルを探す為に街中を練り歩くがすれ違う人に注目されて、なかなか歩きづらい。

 本人の、アーシアは気にもしてないが完全に珍しい生物でも見るかのように唖然としていた。

 スマホを使って、写真を撮るものもいるそしてSNSを使い、投稿をしているものもちらほら。


「目立つのよ! あんた! その鎧脱ぎなさいよ!」


「仕方がないな……じゃあ、外すか……」


 アーシアが、鎧を脱ごうとした瞬間光だしていつの間にか、地味な茶色のスカートと長袖の服に変わっていた。


「処で、鎧はどうしたのよ?」


「ああ……それなら」


 アーシアがそう言うと、突然腹から黒い空間が出来てそこから、先ほど着ていた鎧を取り出す。


「あんたは、トライモンか!」


「何だソイツは? 私は、アーシア・キュリアと言っておろう」


「そう言う意味じゃないわよ! 何で、そんなことが起きてるのか聞きたいの!」


「ああ……そう言うことだったのか。てっきり、鎧を着てみたいのかと思ったぞ。」


 アーシアが、私にはその原理を教えてはくれたものの、魔法で異次元空間を作り出すなど自分の中にある、心に納めれば入れれだのと意味不明な話でワケが分からない。


「ねぇちゃ~ん、俺と遊ばな~い?」


「私と!? 金を持ってたらいいわよ!」


 若い大学生くらいの男が、誘ってきたが金はあまりなさそうに見えた、身振りもジーパンで装飾品とかはあまりなかったから。


「まあ、いいわ! その代わり、ちゃんとホテルとか泊まれる場所用意して奢ってよね!」


「はあ? 何を言ってんだ? このガキは? 俺は、そこのパツキンのクールなイケてるねぇちゃんに声をかけてるんだよ。お前みたいな、ガキは家へ帰ってお父さんと遊んでろよ」


「何ですって!? 私は、20才よ! 大人なの! コイツの方が、17才のガキよ!」


「え? マジで? JKで、その魅惑のボディーとか最強じゃん! 本当に、遊びじゃなくて恋人として付き合いたいレベルだろ!」


 私は、このイケすかない金髪のチャラチャラした男を無視して、アーシアの手を引っ張って一緒にホテル街へと連れて行こうとするも、一向にアーシアは微動だにしない。


「ちょっと! あんた! 行くわよ! こんなクソ男他っておいて」


「許さぬ…… 」


「……え?」


「許さぬぞ! 女だからと言って、騎士を小馬鹿にした態度! 無礼者がぁぁぁ!! 抹消してやる!!」


 アーシアは、また腹から黒い空間を出してそこから鞘に納まっている、剣を抜き構える。


「ちょっと待ちなさいよ!」


「へぇ~、良くできてる作り物と演技だな~コスプレですか?」


「はぁぁぁぁ!? 何が、コスプレだ! これ以上の、侮辱は許さぬ! 貴様ここで叩き斬る!!」


 アーシアは、剣を振り下ろしたと思いきやチャラ男の後ろに回り込み、チャラの服が破けてパンツ一丁になる。


「はぁぁぁ!! 助けてくれぇぇ!!」


「たわいもない……あのような、男は一瞬で殺せるが今日のところはこれで勘弁してやる……」


 アーシアが、剣を鞘に納めてそういい終えると、パトカーのサイレントの音がこっちに近付いてくる、こちらに向かって。


「ちょっと! そこの、コスプレ女と子供! 止まりなさい!」


「逃げるわよ!」


 私は、そう言いながらアーシアの手を握りまた繋ぎ、何とか裏路地に行って警察を巻いた。

 本当に、この女がやってきてここまでのハプニングあるのかと、思うと自分は何てことをしてしまったのかと後悔する。



 それから、暫く経ちアーシアと今日寝るホテルへ行き、受け付けを済ませて部屋へと入りベッドに一緒に寝転がり、愚痴を張本人に言う。


「あんた……本当に、ふざけすぎよ……少しは、周りをみなさいよ。そのせいで私が疲れたじゃない」


「ぐぅ~! ……ぐぅ」


「はぁ~、話を聞きなさいよ……全く……」


 私は、コイツとこの先やっていけるのかと思うと、憂鬱な気分になりなかなか寝付けなかった。

 本当に、アーシアと会ってろくでもないことにしかあってないことを噛みしめ、いつの間にか眠りにつく疲れていたのか泥のように。

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