吉岡梅「Under the Storm」
・吉岡梅「Under the Storm」
→https://kakuyomu.jp/works/16818093079586966198
上京したが夢破れて、戻った故郷でミニコミ誌の出版の仕事をしている熊野(ゆや)静奈。先輩との飲み会中、同じ苗字のミュージシャンがいると教えてもらった動画に映っていたのは……。夢を追いかけていたあの頃を、シビアに振り返った現代短編ドラマ。
書籍化作家の吉村さん、四月、五月に続いての参加です。毎度お忙しい中、本当にありがとうございます!
本作は、コメディ色強めの現代ドラマです。レビューではそんな感じは見せられなかったのですが。静奈の怒涛の脳内ツッコみに、圧倒されつつ、笑ってしまいます。
それでいて、上京時代をすごくシビアに描いています。故郷に戻ってから、そんなに年数がそんなに経っていないからかもしれませんが、「あの頃は良かった」みたいなノスタルジーは一切なし。非常に容赦ないです。
吉岡さん自身の本作へのキャッチコピーは、「バンドマンと別れると歌にされる」だったので、この状況はきついなぁと思っていたら、それを上回るレベルのきつさでした。元彼の痛さに、笑いつつ、シャレにならねぇと思いつつ、でも、笑っちゃいますよね。
だから、ラストの静奈に、意外性を抱きつつ、なんだか妙にしっくりきました。上京中の状態を、振り返ってみた彼女の言葉と照らし合わせると、より深みが増します。「あの頃は良かった」と、まだ言えないでしょうが、でも、持ち帰ったものは大切にしてほしい、とか、思ってしまいました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます