【完結済】魔女と俯瞰を彷徨う亡霊
nashlica
プロローグ
例えば、私が鳥だったとする。鳥は、両翼を羽ばたかせ、鳥の見る『景色』を眺めるだろう。
それはきっと、私が味わえないものになるだろう。それはきっと、空を駆けるような『景色』だ。
例えば、私が虫だったとする。虫は、羽を羽ばたかせ、虫の見る『景色』を見るだろう。
だけど、虫は嫌。虫は、みんなに嫌われものだからだ。虫は、その容姿からみんな遠ざけてしまうのだから。
例えば、私が幽霊だったとする。幽霊は、その人がこの世に残した未練の塊だ。でも、見える景色は人と同じだ。
でも、人とは違い、空から見る景色は、凄いものだ。それは、まるで、身体から離れた時のように――――――
――――――それは、まさしく幻想だった。空に憧れた雛が、無慈悲に喰われる如く。
脱皮したばかりの成虫が、天敵に捕食されるが如く。
そして、空を夢見た人間が、飛び立ってもすぐに地に落ちるが如く
『
そう。例え、死んだとしても、それは変わらない。霊というのは、『俯瞰』に縛られ、この世に残り続ける残留に過ぎない。
それを嘲笑い、眺めるものもいる。その『
そして、霊たちは『
時刻は
『
そして、『亡霊』はまたどこかへと彷徨っていく。酒と歓喜で溢れかえる街は、その遺体により、悲鳴とサイレンが鳴り響くのであった。
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