百合営業から始まる百合

緩音

第一話

構成練り直しました。よろしくお願いします。2024/04/15



「視聴者の皆さんこんばんは!ひるよるチャンネルへようこそ!私は今回は24回目となるひるよるラジオです。ではいつもの自己紹介を!私はひる担当のひなです!」「私が夜担当のよるのです。楽しんでいってね。」

挨拶をするとコメント欄の流れが一気に早くなる。

・こんばんはー

・ラジオまってたー!

挨拶をするとコメント欄が一気に加速する。私たちは配信サイトでひるよるチャンネルのひなとよるのという名前で活動をしている。本名は夜咲よざき詩乃しのだ。私たちが配信を始めたのが去年の6月で今は4月なので10か月くらいやっている。基本的に一か月に2~3回配信をして、たまに動画を上げたりしている。今日の配信はチャンネル登録者が10万人を突破したのでその感謝を伝えるのと10万人突破記念で質問コーナーをすることになった。なぜ私たちが10か月で十万人を超えたのかというと私たちの配信には1つ特徴がある。それは百合営業だ。

私たちは配信では百合、つまり恋人であるかのようにふるまっている。配信を始めるきっかけはひな、本名は 春園はるぞのひなたが私を誘ってきたことだ。陽とは幼稚園から一緒で親友だったが最初は意味が分からなくて断った。しかし陽がしつこくお願いしてきたので絶対に顔は出さないという条件付きで配信をやることになった。初めての配信では緊張していたが、陽が台本をくれたのでその通りに読んだ。その時は見てくれたのが数人だったけどある日陽がアップロードしたシチュエーションボイスがバズりそれで私たちのことを知ってくれた人が今でも配信を見てくれている。モニターを見るとコメントがすごいスピードで流れていっている。さらに表示されている接続人数(これはどれくらいの人が配信を見ているのかがわかる)を見ると1万人を超えていた。普段は2000人くらいが見てくれているが今回は10万人突破記念配信なのでいつもより多くの人が見に来てくれているらしい。最初にチャンネル登録者10万人の感謝をのべそのあとに質問コーナーに入った。質問は質問箱というこの配信サイトの機能の一つを使って行うことにした。選ばれる質問はランダムなのですこし緊張する。最初の質問は

【お互いの好きなとこ】だった。陽は「よるちゃんの好きなとこはいっぱいあって、まず優しいとこでしょ、それにいつも冷静なところ、よるちゃんはちっちゃいからそういうとこもかわいくて好きだなあ。それと....」

まずい陽が暴走しだした。コメント欄を見ると、

・あっ

・まずい

・スイッチ入ったな

・これは止まりませんね

数えてはないが体感10分ほどしたときにやっと終わった。いくら演技だとわかっていても正面から好き好きいわれると恥ずかしい。次は私の番になったので私は簡潔に

「ひなの全部が好き。最近は特に声が好き」とだけ言う。好きを伝えるのはやっぱ照れくさい。そのあとも配信は順調に進行し1時間くらいの配信で終わった。

陽が配信を切ると一気に気が抜ける。配信中には陽のことを本名で呼ばないように気を付けてるので常に気が張って疲れてしまう。時計を見るともう9時を過ぎていたので今日は陽の家に泊まる。配信がある日は大体遅くなるので泊まることが多い。そのため私の衣服を置くスペースがこの家にはある。着替えを手にもってお風呂場へ行く。陽が借りているマンションは高級マンションと呼ばれるものでエントランスにはもちろんオートロックで入るには住人の許可かパスワードを入れる必要がある。さらに陽が借りているこの部屋は2人暮らし用の部屋なので広いし部屋も4つある。そのうちの一つを配信部屋として使っている。浴室もとても広く浴槽は私が足を余裕で延ばせるくらいだ。ちなみに私は153cmとそんなに高くないが、168cmある陽でも余裕で足を延ばせそうだ。体を洗った後に髪を洗おうとしてると陽が入ってきた。

「詩乃ちゃん入っていい?」

「聞く前に入らないでよ、もうちょっと待って髪洗うから。」

「私が洗ってあげる。」

と私の髪を陽が洗い始めた。私はロングなので髪を洗うのが大変なので楽ができていい。

ちょうどいい指圧で気持ちよかった。そのあとは先に湯舟に浸かっていた。さすがに二人で入ると狭いので私は陽の足の上に座らされた。体重を陽に預け頭を肩に乗せてくつろぐ。10分くらいそのままでいたらのぼせそうになったので先に上がった。

パジャマに着替えて、陽の家の冷蔵庫からジュースを取って飲んだ。そのあとお風呂から上がってきた陽と映画を見ていたが、眠くなってきたので映画は途中にして寝ることにした。この家にはさすがに2つもベッドがないので同じベッドで眠る。私は抱き枕がないと眠れないので陽の家に泊まるときは陽を抱き枕にして眠る。陽の体温が伝わってきてさらに眠気が来たのでそのまま意識を手放した。

朝起きると陽がまだ寝ていたので先に起きる。ぼさぼさになった髪をくしで整えてから朝食を作った。牛乳があったのでフレンチトーストにした。コーヒーを入れて準備ができたので陽を起こしに行く。陽は寝起きが悪いので声をかけただけでは起きない。なので肩をつかんで左右に振る。すると目が少し空いたので「おはよう、ご飯できたよ」と声をかけて陽を起こす。陽は眠そうな声で「あさごはんなにー」と聞いてきたので「フレンチトーストだよ」と返すと、「フレンチトースト!!」といきなり元気になった陽が飛び起きた。食べ終わって片付けをした後、私は帰ることにした。

「じゃあね陽、ひるごはん用のチャーハンはタッパーに入れて冷蔵庫に入れてあるから。」

「詩乃ちゃんもここに住めばいいのに。てか住んでよ。」

「さすがにそれはむり。じゃね、陽。」

そう言って陽の家のマンションを後にした。

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