女の人と浮気をする王子様系の彼女。俺は別れて男友達と普通の青春を送る
クククランダ
第1話 もううんざりだ
「はぁー」
俺の名前は
顔は普通で黒髪の少し癖っ毛で、身長も173㎝くらいだ。そんな俺にも1つだけ特別なことがある。
「やぁ、哲也。待った?」
「いーや。別にそんなだな」
それは学園の王子の
けど、彼女には問題がある。
「あ、桃華さん! 今日私と一緒にお昼ご飯食べませんか!」
「良いよ。じゃあ、それまでいい子にしててね」
そして近づいて来た女子生徒にキスをして頭を撫でる。仮にも俺は彼氏なので良い気分はしない。
「なぁ桃華。それ、俺の前でやめてくれって前にも言っただろ」
「ごめんね。でも彼女はとても嬉しそうだったし、第一に君が僕に告白してきた時にある程度は我慢してもらうって言っただろ?」
「それでも限度があるだろう」
桃華が言ったように俺が彼女と付き合う条件が他の女の人とのやり取りを我慢することだった。
初めは手を繋いだり、ハグをしたりだったのが次第に頻度は増えていき、行為もこのようにエスカレートしていったのだ
「学校についたね。それじゃ、また下校時間に」
「あぁ、またな」
俺たちはクラスが違うので下駄箱の所で自分たちのクラスへと向かう。
「ウィース」
「おー、哲也。おはよう」
「はよぅ」
俺に挨拶をしてきたのは
「朝から凄いの見せつけられてな。気分がナーバスだよ」
「だから、俺たちは言ってるだろ? 早く別れた方が良いって」
「お? なんだ? やっと俺たちの言葉を聞く気になったのか?」
「俺たちはずっと言ってきただろ? あーゆうのは浮気とか平然とするから絶対に別れた方が良いって」
俺と慶太が話していると、俺より7センチほど低く、中性的な顔の可愛いらしい男?の
「うーん。俺も最近すげ〜苦しいしな。別れることを考えてきてんだよな」
「そりゃ苦しいだろ。自分の彼女が目の前で堂々と浮気してるようなもんなんだから」
「俺だって自分の彼女があんなことしてたら、発狂するわ」
慶太と裕司がうんうんと頷いてる。確かにあんなのを毎日見せられると頭がどうにかなりそうな気がする。
「でも、お前ら彼女いないじゃん」
「「それは言うな」」
瑞波の淡々としたツッコミに2人が声を重ねた。こいつらは彼女はいない。俺たち男子だけで良く遊んでることが多いのだ。
「良し、決めた。今日の放課後にあいつと話し合ってどうするかを決める」
「おー! もし別れることになったら俺たちの奢りでカラオケでも連れてってやるよ」
「おう! 俺たち3人でお前の分くらい出してやるよ」
「おい! なんで俺まで入れてんだよ」
「別に良いじゃん。瑞波んち超金持ちなんだから、友達の慰安会くらい俺たちで出してやろうぜ」
裕司が言ったように瑞波の家は超金持ちである。家に入ったことはないが俺たちでも知ってるほど日比谷家は凄い。
しばらくすると瑞波はため息をついて言った。
「ったく! しょうがねーな」
そんなくだらない話をして笑いながら盛り上がっている4人。もし、別れることになったとしてもこいつらがいるから俺は大丈夫だと思う。
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放課後になって、俺は校門前で桃華を待っている。しばらくすると女性にしては背が高い金色の髪のショートカットの女の人が来た。
「お待たせ。じゃあ帰ろうか」
「あぁ。帰るか」
俺は今日、こいつの自分の考えをこいつに伝えてどうするかを決める。少しだけドキドキするがそれは俺が進むために必要なことだ。
「なぁ、桃華。やっぱり朝にやってたことはやめてくれないか」
「はぁ、またその話かい? だからそれは僕と付き合う為に我慢してくれって最初にも言ったじゃないか」
桃華はうんざりしたような表情で言ってのける。だけどここで引き下がったらいつものままなんだ。
「あぁ、俺もその条件を呑んだ。けどここまでとは思わなかったんだ」
「それは、しょうがないと思ってほしいな」
「だから、頼む。せめて俺の目の届く範囲ではやめてくれ」
俺は最後に自分が提示出来る限界を示して頼んだ。けれどその思いは届かなかった。
「君もしつこいな。そんなに嫌なら僕と別れるかい? 僕はどっちでも良いよ」
「……」
俺は最後の言葉を聞いて、思った。”どっちでも良い”。多分こいつの中では俺は居ても居なくても本当にどっちでも良いんだろう。
「もういいや」
「それが嫌ならーー」
「別れよう」
「……え?」
桃華は驚いていた。まさか俺から別れようなんて言うなんて思わなかったのか? けど俺の気持ちは変わらない。
「このまま付き合っても俺はしんどいだけだ。だから、別れよう」
「え? 冗談かい?」
「いーや、本気だ」
もう俺は決めた。多分このままでも俺の高校生活は何も楽しくないし、ただ辛いだけだ。だから別れることにする。
「ふーん。後で言っとくけど復縁とかも無理だよ」
「別に良いよ」
「……あっそ。じゃあね」
そして桃華は背を向けて去っていく。俺は特に悲しくも辛くもなかった。それどころか晴れ晴れとした気分だ。
「ん〜! 良し、俺の青春はまだこれからだ」
俺は背を伸ばして、あいつらに連絡を入れた。まだ俺は高校2年生。これからは自分のしたかったことをたくさんしよう。
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