第38話 マリールイーズ 1

ジルフォードが王命で結婚したと聞いて驚いた。王命と言う事は王家が後ろ盾と言うことね。もしかして古代王家のお血筋の方かしら、少し地味にお育ちのほうが、嫁として扱いやすいわね。


そう思って期待していたのに、平民ってなんでしょう。あの性格たちの悪い王太子の悪ふざけね。いつもの事だけど今回は目に余る。抗議しなくてはうちの持って行き方によっては王太子の交代もありうるかも・・・・


相手の女について調べさせたら使える女ってわかったから、稼いだお金を使ってあげることにした。


穴倉でポーション作ってるしか能がないんだもの、お金なんていらないしね。



腹が立つことに遠征中のジルがこまめに手紙と贈り物を送って来る。手紙はすぐに焼き捨て品物は侍女長のジョシーに与えた。


それが遠征から帰るなりわたくしを批判し、死んだ夫と離縁させ粗末な部屋に閉じ込めた、だけど使用人に助けられ、実家に助けを求め、さらに亡き夫の弟を、焚きつけた。この弟は昔からわたくしに気がある風だったし、いやしい野心があったからその気にさせるのは簡単だった。



だいたい、あの金髪が出した王命なんて・・・くそくらえなのよ。いまいましい。


あの王命のせいで、わたくしの娘でさえもつけなかった、公爵夫人の座にあの女がついたんだわ。


そういえば、子供の頃からジルフォードは、わたくしがやめるように言っても、ずっとあの王太子と仲良しだった。


王太子にふさわしいのは第二王子のウィリアム様だと言っても聞かなかった。



この国の為、公爵家の為に事を起こしたのに、いきなり屋敷を封鎖されちゃったわ。


国王はなにしてるの。バカ息子を押さえなさいよ。




お茶会に呼んでた取り巻きも役に立たないし・・・・・ほんとこういうのを無駄飯食いって言うのね。


目をかけてやった侍女長のジョシーも執事もわたしの世話をしなくなるし・・・・


公爵家の使用人の誇りはどこに行ったんでしょう。情けない・・・・



そして実家のハメル家の者が我が家にやってきた。あの金髪に送られて・・・・・普通に元気だった。いや、使用人すら手入れの行き届いたきれいな肌をして、新品の服を着ていた。


こいつら裏切って、王太子に尻尾振ったんだ。許せない・・・・自分たちだけお腹一杯食べていたんだ。



でも、ざまみろだ。ハメルのやつらもすぐ汚くなった。それはいいけど、人数が増えて面倒が増えた。



第一、使えると思っていた甥のフレデリックがだめだめだ。わたしを一番にするのが仕事なのに怠っている。


皆に仕事を割り振り、食べ物も分けている。そうじゃない・・・

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