第21話 ギルドマスターと王太子 ギルドマスター目線

やはり、王族だの貴族だのって言うのは、とんでもないやつらだった。


今日、「ティーナ、愛してる」「ティーナーーーー」「こいつ反省してるよ。ティナちゃん」とかの大声が聞こえたが、声はすれども姿はみえず。もしかして新手の魔物が町に侵入したかと駆けつけたら、町をうろついていた厄介なやつら、多分貴族の私兵が


「殿下」だの「閣下」だと言いながらなにかをつかまえていた。っていうかなにもいないよ・・な・・・


そろってあぶないやつらだと遠巻きにみていたら、だんだん捕まっていたものが見えて来た。


ふいに「ギルドマスターですね」と話しかけられた。騒ぎに気を取られてはいたせいか、気配に気付かなかった。


「お二人から内密で話があります」と微妙に圧がかかった。


俺は思わず歩き出していた。ついてくる気配はなかったのだが、


ギルドマスターの部屋に戻ると、その男も入ってきた。


「厳密にはお一人だけです。お一人は落ち着かれるまで責任を持って隔離いたします」と言い終わると


「隔離ってひどい言い方だね。大事な親友だよ」と部屋で座っていた金髪男が、にまにま笑いながら言った。その男は


「時間がないから、すぐに話そう。ギルドがポーション不足で困っていたとは知らなかったんだ。すぐに薬師を派遣するよ。だってわからないだろ。ギルドって閉鎖的なんだもの」


「そのような・・・・」と答えると


「そうかい、誤解があったんだね、お互いに。これからは親しく交流したほうがいいね。連絡係を置いたほうがいいね。国でもギルドへ予算を計上するよ。特に今回の・・・・火を吹くなんてすごいね・・・・でも討伐したんだね・・・・たまたまティーナがいて良かったよ。公爵夫人がたまたま居合わせて、支援をしたとはね・・・聞いていると思うけど二人に行き違いがあってね。行動的な夫人は逃げ出しちゃって・・・・すぐにでも親友の腕のなかに連れ戻したいけど・・・・困っているギルドのことを知っちゃたからね・・・・そりゃ国も悪いよ・・・・いくらギルドが冷たく拒否しても、もっと支援すればよかったよね。あと、国も利益を考えるとね、公爵夫人が新しい薬草と言っていいのかな。王宮薬師も知らないことを教えて貰っているようなんだよね。途中の村の人にさ。彼女それを有益なポーションでしてるでしょ。それってすごくいいことだよね。親友は僕が必死に押さえているから、ティーナが知識を得られるようにしてくれると助かるかなって。メガント・タウンもいい所みたいだから夫人は楽しく過ごせるだろうね・・・・タイミングを見て親友が迎えに行くけどね」


「・・・・ご支援に感謝します・・・」


「運営に口をだすつもりはないから、今まで通りでよろしくね」


「じゃ、そろそろ親友が来るから、殴られてやって。悪いね」と言うと金髪は去って行った。王太子が悪魔とうわさは控えめだ。悪魔も逃げ出すぞ!!



部屋に入って来た公爵はいきなり「貴様!ティーナを」殴るなら最後まで言ってからにして欲しかった・・・・なんて言いたかったの?俺、なんにもしてないよ。


それからティーナのポーション最高だ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る