第15話 王太子は追跡する 王太子目線

友人のジルフォードの家で騒動が起きた。あいつのことだからさっくり治めるだろう。俺は彼女を探そう。


彼女は食べる為に自作のポーション。こんな呼び方でいいのだろうか?ティーバッグで作るポーション。信じられるか?売ってるやつも、作ってる彼女も価値を知らずに・・・・・


雑貨屋は薬が欲しい客から責められてげっそりなっているそうだ。彼女が見つかったら教えてくれと半狂乱で頼んできたらしい。


彼女らしき女がメガントタウンに行くと切符を買ったらしいが、彼女はその馬車に乗っていない、なにがあったのか?


彼女が指輪を売った店も見つかった。その指輪はすぐに売れたそうで聞き込みに行ったやつは、女房に逃げられた甲斐性なしって哀れみをかけられたそうで、気の毒なこった。



とりあえず、出発した馬車、全て追いかけさせた。するとメバントタウン行きでおもしろいことが起こっていた。


なんでもギルドに持ち込まれたポーションを鑑定したら出来がよいので全て買い取った。というのだ。



そこは街道沿いに出た魔物や畑を荒らす魔物を討伐するくらいの、のんびりした所で、ちょっと戦える農民が依頼を受けるような所らしい。



続いて追加の知らせが来たが、驚いた。車輪の外れた荷車にはねられて大怪我をした女の子が、藁にも縋る思いでギルドにあった傷薬を傷にかけた後飲んだら治ったというのだ。


ただの傷薬だと言っていたそうだが・・・・


馬車で通りすがりのおっさんが持ち込んだらしいが、あれ?うちの台所でポーション作った人がいるって言い出したのがいるとか・・・・ポーションってそんなに簡単に・・・・


なんでも台所を貸した者によると、萎れた泥まみれの薬草を洗って火にかけていたとか・・・・


そんなことするのは彼女しかいない・・・・


ジルに知らせるとなにもかも放り出しそうだから、胸に収めておく。



目立たぬよう連れ戻す算段をしていると、早馬で知らせが次々に入った。


彼女が魔物の出るあたりに居合わせ、奇跡的にポーションというかドリンクを作り、怪我人を救ったとか・・・・・


目立ちまくっているじゃないか、すぐに監視するように指示をだし、ジルにも連絡を入れる。


そこにマレナ伯爵がやって来た。確かこの男はジルの妹と結婚したやつだ。そういえば領地があのあたりだったかな。まぁ今回の事は大変だろう。ジルの怒りを回避する為にこの男は死に物狂いだ。


ティーナには気づかれないように見張りをつけて・・・・馬車便も全便運行停止させているとか・・・・ジルに対する恐怖でここまで動いたのか?気の毒に・・・・ほんとに怒ったジルって静かだし・・・まぁ君の誠意は受け取った。


すぐにやって来たジルと馬を飛ばす。フォグ侯爵とマレナ伯爵の手のものが先行して人払いをしてある。


その町、タツムラタウンに着いたらフォグ侯爵が待っていた。この時間、彼女はぐっすり眠っているはずだと・・・・


俺は彼の心意気に感動した。はやるジルを押さえつけ一緒に部屋にこもった。


少し休みたい、王都からここまで飛ばしたんだ。休憩が必要だ。



フォグ侯爵の手の者が俺たちの部屋のドアと窓を見張っている。確かに今、野放しにして危ないのはジルだ。


そうだよね、ジルが妹の相手として選んだ男だ。ご苦労さま、ありがとう。おやすみ・・・・

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