第12話 わたしは都会の女よ ティーナ目線

ちいさなお家を掃除しながらいろいろ考えた。せっかくの申し出だけど、やはりメガントタウンに行こう。


王宮薬師として働いていた以上それなりの腕のはず、なんとか食べて行ってやるわ。



町をぐるっと回ったら雑貨屋がありポーションの瓶があった。仕入れたのはいいけど売れないし、捨てるわけにも行かないので、安くするから買って欲しいと言われて全部買うことにした。


そしておなじく店にあったティーバッグのハーブティを買うと台所と鍋を借りた。


できあがったのを試しに飲んでもらったら、気に入ったようで全部買い取ってもらえた。


このお金でメガントタウンに行けるだろう。とメーソンさんの所に戻った。


メーソンさんにやはりメガントタウンに行きたいと言うと少しがっかりしていたけど、わかってくれた。


お礼にやはり台所を借りて、ハーブティを使って美肌ドリンクを普段は使わない大鍋にたっぷり作った。


メーソン夫人にこれはこのままで腐らないから、毎日カップ一杯飲めば、お肌のキメが整うと話した。


するとメーソンさんが二日酔いのドリンクが欲しいと言い出したが、メーソン夫人がちょっと怖い顔で、お酒が嫌いになるのを作って欲しいと言い出した。わたしはうーーんと考えて、お酒を飲む前に飲むドリンクを作ると言うと、それならいいでしょうと許可が出た。


夜、メーソンさんが出かけた後でメーソン夫人がやって来て、


「ねぇあんた、旦那から逃げてきたんだろ」ってうなづいたら


「やっぱりね、あんた人が良さそうだから、変なのに騙されたんだね」うなづいた。


「いいかい、男って言うのはね下手にでると付け上がる。だから思い切りどやしつけてやれば言うことを聞くようになるから。思い切りやれば平気だから。それにあんたは一人でもやっていける。いいかいこっちが男を選べばいいんだよ。しっかりね」

と励まされた。



翌日はお弁当を作って貰って、拠点の町に行った。王都を通らずに行けるようにしっかり説明を聞いて今度は間違えないように馬車に乗った。


なんだか生活が一変したけど、こういうのもいいなと風に吹かれながら思った。




それからしばらくして、ティーナの美肌ドリンクと二日酔いドリンクは評判になった。


それ以上に評判になったのが雑貨屋に卸した疲労回復ポーションだった。最初雑貨屋は、馬車乗り場に持って行って売ったのだがすぐに冒険者の間で評判になった。


ギルドはその評判を聞いて各地のギルドに情報を流した。

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