エステ・レステの明日は
甘栗ののね
エステ・レステの明日は
明日の朝になれば朝が来るのにそれが待てない。
音速を越えて朝に向かって空を駆ける。
エステ・レステの明日は今日。飛び続けて飛び続けて、永遠に朝へと飛んでいく。
地上に降りてくることのない鉄の翼。空を飛ぶだけの無意味な鉄塊。
エステ・レステの明日はいつも、いつまでも今日のままで訪れない。
時間だけが明日を告げる。内蔵された原子時計がグリニッジ標準時に従い淡々と今日を明日へ変えていく。
けれどエステ・レステの明日は来ない。朝日を求めて永遠に、永遠に飛び続ける。
永遠に飛び続けるフリをして永遠に飛び続ける無人飛行機が、明日を求めて飛んでいく。
エステ・レステが飛んでいく。
エステ・レステの明日は 甘栗ののね @nononem
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