第2学年第1回定期テスト①
今日はこっちの世界初めての定期テストだ。
前世では学校の方針上、定期テスト前には脳死になってペンを握っていたが、こっちの世界ではあまりにも便の内容が簡単すぎるため全く対策していない。
俺はいつも通り家の前で登校メンバーを待っていた。
しばらくすると、最初に来たのはノエルとマリンだった。
ノエルは元気よく俺に聞いてきた。
「メルト〜ちゃんと勉強してきた〜??」
全く勉強していないが何もしてないなんて言う訳には行かない。
(適当に答えとくか。)
「もちろんだよ。
これは学年1位も夢じゃないかもなー」
俺はガチのつもりで言ったが、2人はおれが冗談を言っていると思ったらしくノエルや、いつも静かなマリンもクスッと笑っていた。
(いやマジで1位とるからな??)
冗談と思われるのに内心納得していなかったが、ちょうどジンクルも来たので学校に向かうことにした。
「そういえば、今日はなんの教科のテストがあるんだ??」
俺は学校まで歩いている途中で、なんの教科のテストがあるかも知らなかったのでジンクルに聞いた。
(待てよ、これってちゃんと勉強してる奴のセリフじゃないよな)
俺はさっきのノエルたちとの会話を思い出して少し恥ずかしくなった。
ジンクルは天然だから何も気にせずに答えてくれた。
「物理と数学と生物、それから薬学だろ?
教科も知らないなんてお前今日のテスト大丈夫かよ。」
ジンクスは少し笑っていた。
(ん?てか待てよ、物理、数学、生物は前世でもやってたから余裕だけど薬学ってなんだよ。)
俺は前世で薬学なんて学んだことがない。
つまり最近転生してきた俺にとって圧倒的不利な教科なのだ。
(どうしよ、多分何もわかんないよ。)
一人で悩んでいると、マリンが喋り始めた。
「薬学なら私満点以外取れる気しない。」
(ん?え?マリンってそんな凄いの?)
俺が困惑しているとジンクスがマリンに言った。
「マリン1年のときの薬学のテスト全部学年1位だったよなぁ。
俺にもどうやったらそんなに点数取れるのか教えてくれよ。」
(え、今なんて言った?
マリンそんな凄いの?)
驚きを隠すのに必死になりながら俺はノエルに聞いた。
「双子ならノエルも薬学得意なんじゃないか??」
ノエルがポカンという顔をしていたので、俺が戸惑っていると、ノエルが答えた。
「双子だからっていうか、うちは両親が薬屋だからよく手伝うのよ。
だけどマリンはほんとにすごくて、私はいっつも2位なの。」
俺はその言葉を聞いて腑に落ちた。
(薬屋だからそんなに得意なのか。)
これは今度ノエル達に薬学を教わらないとな。
とにかく今日のテストをどうするか決めないと。
薬学ってどんな試験なんだ?
俺が純粋な質問をすると、学年1位のマリン様がお答えになった。
「毒が入った壺がいくつか用意されてて、その毒の強さを見分けて、強い順から解答用紙に書いていくの。
それを何セットかして点数を出すの。」
マリンはとても分かりやすく説明をしてくれた。
俺はそれを聞いてあることを閃いた。
(ありがとうマリン。
絶対負けないからな〜)
みんなで話しているうちに学校に着いた。
(絶対このテストで成功して天才に近づいてみせる!)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
続く
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます