第二話
『予定変更と小心者の同級生「Aパート」』
清水と仲良くなってから
数週間がたった、今日は日曜日。
拓馬の休日は次の日が休みの場合
漫画を読んだりゲームをして徹夜をするのが
日課になっている。
「ふわぁ〜」
と大きいあくびをして目を擦り、
ベットから起き上がりカーテンをあける。
いつもと同じ眩しい日差しが拓馬に
降り注いだ。
ボサボサの髪を直して顔を洗いリビングへと 向かうと、
麻耶が食器の洗い物をしていた。
「母さんおはよう」
「あら拓馬おはよう」
「父さんは?」
「仕事に行ったわよ」
「そっか」
そう言って拓馬はいつも座っている席に座り
ニュースを見ていると…
「拓馬は今日はどうするの」
「あ!今日優吾と清水と遊ぶ」
「清水くんってこの間話してくれた子よね」
「そうそう!
親睦会も含めて3人で
遊ぶかってなったんだ」
清水と仲良くなったその日に
拓馬は麻耶に話していたのだ。
「そうだったのね
朝ご飯はいつものでいいのね」
「うん」
「わかった」
すると麻耶はパンを袋から取り出して
トースターにいれ焼き始めた。
そして拓馬の座っているところに三種類の
ジャムの瓶とマーガリンを置き
再びキッチンへ戻りトーストが焼けるのを
待っている。
対して拓馬はテレビのニュースをみたり
スマホをいじってたりしていた。
そしてトーストが焼け
麻耶がトースターの扉をあけると、
香ばしい小麦の匂いが部屋に広がり
そのトーストを拓馬の前に置いた。
拓馬はマーガリンを塗った後、
「んー…今日はどれにしよう
いちごもいいけどピーナッツバターも
捨て難いよな
でもブルーベリーも美味しいし
うーん…よし!!いちごに決めた」
拓馬は散々悩んだ末いちごジャムを塗った。
そして一口かじると
サクッ!と周りは香ばしく中はふわふわ、
そして口いっぱいにいちごの
甘酸っぱい味が広がった。
拓馬が幸せそうに食べていると麻耶が
話しかけてきた。
「しかし拓馬は甘いもの食べる時
本当に幸せそうに食べるわよね」
「甘いものすきだから俺は」
その後も拓馬は幸せそうに食べ終えた
休日になれば美味しいスイーツ屋さんを探し
一人で食べに行っては
気に入った場所をよく紗奈たちに教えたり
してるほどのスイーツ好きなのだ。
トーストを食べ終えた拓馬は食器を片付けて
部屋に戻り遊びに行く準備をしていると、
ブーン!ブーン!
「優吾からだ」
拓馬はスマホを持ち電話に出た
「もしもし優吾どうした?」
「拓馬ッチ?ゴホゴホ!」
「うぉ!どうしたその声」
電話越しの優吾の声は
明らかにいつもと違っていた、
おそらく喉がやられたのだろう。
「すまん風邪引いたゴホゴホ!
今日無理だわ
悪いけど昌也っちにも言っといてくれ」
優吾は誰とも仲良くなれる性格で
すっかり清水とも仲良くなれたみたいだ。
「了解、お大事にな」
「おう、ゴホ!ゴホ!」
拓馬はその後電話を切り
清水に電話をかけた。
「赤石くんどうしたの?」
「優吾が風邪ひいたみたいだから
優吾の家で遊べなくなったけど今日どうする」
この日は元々優吾の家で遊ぶ約束をしていた。
しかし優吾が風邪を引いたのでそれが
できなくなったのだ。
「え!科山君は大丈夫なの」
「心配しなくてもいいぞ
風邪ひいてもあいつすぐ治るタイプだから」
「そっか赤石くんがそう言うなら安心だね」
付き合いが長い拓馬がいうので
清水はこれ以上聞かないことにしておいた。
「じゃあ二人で外で遊ばない
気ままにお互いに行きたい場所に
行くって言うのはどうかな?」
「おー!それ良いな」
「集合場所はどうしよっか」
元々優吾の家の近くにある図書館で集合する
予定だったので清水がそう聞くと、
「じゃあ10時ごろ駅前集合にしようぜ」
「わかった、10時に駅前ね
じゃあまた後で」
時間と集合場所を確認すると
電話を切り各々準備をし始めた。
拓馬は一階に降りリビングのドアを開け
麻耶に話しかけた。
「母さん優吾が風邪ひいたから
清水と駅前の方までぶらついてくる」
「お昼は」
「うーん、いらないかな」
「わかった、気をつけていくのよ」
「うん」
そして自分の部屋に戻り準備をして
拓馬は集合時間の10時に着くように
駅前へ向かった。
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