第4話 呪いの終焉

佐藤博士の助言を受けながら美咲は、特殊な周波数の音波を絆創膏に照射することで、同僚たちも次々と呪いから解放されていった。


「美咲さんから、心のささくれと向き合うことの大切さを学んだわ」


真奈美は美咲に歩み寄り、彼女の手を握りしめる。その手は、かつての痛みから解き放たれ、新たな希望に満ちていた。


「絆創膏は、一時的な解決策に過ぎなかった。本当に必要なのは、お互いの痛みを理解し、支え合うことなのね」


美咲の言葉に、同僚は頷き、互いの絆を深めていく。


美咲は、真の共感と理解の重要性を胸に刻み、新たな一歩を踏み出し始めるのだった。



◇ 解放


美咲は、自らの心の痛みと向き合う中で、絆創膏に頼らずとも自分自身を癒やす力が内在していることに気づき始める。彼女は静かに目を閉じ、心の奥底に手を伸ばした。


「私の心のささくれは、私自身が受け入れ、乗り越えていくべきものなのだわ」


美咲は呟くと、絆創膏を貼った辺りの傷が癒えつつあることに気づいた。


「もう、絆創膏に頼る必要はないのね」


美咲は微笑み、自分自身を抱きしめるように両腕を巻きつける。


彼女の表情は、かつてない程の安らぎと強さに満ちていた。



◇ 呪いの終焉


美咲と佐藤博士の尽力により、絆創膏の真相が明らかになり、絆創膏は廃棄され、二度と人々を苦しめることはなくなった。


「もう、誰も絆創膏に頼る必要はないわ」


美咲は、古い薬局跡に佇みながら呟く。

かつて絆創膏が置かれていた棚は、今は空っぽだ。


「私たちは皆、心のささくれを抱えながら生きている。でも、それを乗り越える力を、自分自身の中に見出すことができるのよ」


美咲はふと、遠くを見つめる。


彼女の瞳には、かつての痛みを乗り越えた者だけが持つ、強さと優しさが宿っていた。


それは、自分自身と真摯に向き合うことで得られた、かけがえのない光なのだった。


(完)

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