蒼碧のチューブ・トレイン
緋月慶也
チューブ・トレイン
気が付けば不思議な電車の中に居た。
二両編成の内、僕は二両目の車両に乗っていたと思う。
座席は前を向いているものや、車両の壁に接しているものまであった。
バスの車内を思い浮かべてくれたらいいと思う。
電車の中には少数ながら何人かの乗客もいた。
僕は前向きの座席に座っていた。
電車は円筒状で窓は多く、1枚1枚の大きさも大きかったため、見通しは良好だった。
電車はまるでジェットコースターのようなレールの上を高速で駆け抜けていった。
それに対し、車内は細かな揺れこそあっても、大きく揺れることは無く、安定していた。
しばらく、電車に揺られていると駅らしき場所についた。
ホームドアが開き、続いて電車のドアも開いた。
すると、男が電車に乗り込もうとしてきた。
だが、男はそのまま乗り込むことは無く、ドアのレールの上で立ち止まった。
そのままドアが閉じると男はドアに挟まれ、電車は、大して興味がないように動き出してしまった。
電車はさっきと同じようにレールの上を滑るように走る。
ふと、ドアの方を見ると男がいなくなっていた。
男はどこへ行ってしまったのか、僕には分からない。
蒼碧のチューブ・トレイン 緋月慶也 @hizukikeiya
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます