第4話 中華料理的問題解決(「Win Win」という問題解決思想)

中国の中小企業や零細商店についてはよく知りませんが、人民報日本語版を見る限りでは、「最近の中国では、日本と全く逆で書店が増えている」という事実があります。

その理由とは、推測するに、

中国政府が書店に援助している、なんてことではない。

① 中国人全員が中華料理的問題解決方法をもっている

② 中国政府が国全体・国民(人民)全員が儲かる・豊かになる政策を辛抱強く・きめ細かに、まさに中華料理的問題解決手法(Win Win)を推進しているが為に、国・人民全体の所得が底上げされている。

③ その結果、中国では税金が安い(高くならない)ので、国民総生産の向上と正比例して、人民の生活に金銭的・時間的・心的なゆとりが生まれている。

④ だから、かつて(50年前)の日本と同じで、人々が気楽に街の本屋へ寄って本を買うだけの金銭的余裕と精神的なゆとりがある。

⑤ 書店も顧客も中華料理的問題解決の思想をDNAの中に持っているので、互いが「Win Win」の関係になれる。

書店は金儲けばかりに目を血走らせず、稼いだカネを様々な書店の(奇抜な)レイアウトにつぎ込むという販売者の側としての楽しみ方ができる。

一方、客の側も、豊かな中華料理的問題解決感性によってそれに呼応し、書店という空間の中で客として楽しむことができる。単に金を出して本という物を買うだけでなく、書店という空間とそこにいる時間を楽しむ。私が学生時代(高校・浪人・大学)趣味にしていた本屋巡りが、今の中国ではいまだにできるようです。

昔の日本では、どこの町にも大書店・中書店・小書店があり、それぞれが独自の品揃え、味わいのある店構え・店独特の本の匂いがありました。予備校時代、午前中で授業が終わると、1~3時間は必ず本屋めぐりをし、家の近くの神社や、太宰治と森鴎外の墓がある寺の境内で(たまに買った)本を読む、なんていうゆとりがあったのです。

今の日本人には、たとえ書店側が個性的なアイデアで、楽しい書店のレイアウトや、楽しいテーマで本を集めて書棚に並べても、かつての日本人ほど豊かな感性や心のゆとりがなくなってきているので、中国人ほどそれを楽しむことができなくなっているのではないか。

中国各地の、町の商店街(食料品・日用雑貨・文具・楽器・玩具等のお店)がどうなのかは、寡聞にして私にはわかりませんが、やはり、政府という大きな器も国民(人民)一人一人も、共に「中華料理的問題解決の心」をもっているので、数千もの中小企業・商店が廃業に追い込まれてきた日本ほどの惨状を見ることはないのかもしれません。

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